空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

本当に「失敗して悲惨な人」は発言することでさえ難しいという話 

NHK Eテレで放映されているぬいぐるみを使ったトークバラエティ『ねほりんぱほりん』は、各回ごとに訪れる「訳ありゲスト」の口から語られる衝撃の話のインパクトがかなりのもので、番組後の評判がネットで語られることも多いです。過去には「元薬物中毒者」や「ハイスペ婚の女」、「少年院に入っていた人」「ネトゲ廃人」などがありました。
そして去る2018年1月17日に「トップオタ」が放映され、話題となっていました。

togetter.com

しかし、考えてみると、この番組に出ている人というのはぬいぐるみであったとしても最低限は「マスメディアに出て、発言できる状態の人」なのですよね。

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外国人技能実習制度における問題のツケは現若者が払うことになりかねない

12月12日、テレビ東京の『ガイアの夜明け』で外国人技能実習生に降りかかっている問題に直撃しており、それが話題となっています。

togetter.com

hagex.hatenadiary.jp

ここでは、中国人技能実習生を時給換算で400円・残業197時間という状況で働かせたり、挙句は計画倒産的なことを行っていたという話。
この外国人技能実習生における問題、すなわち低い賃金、過酷な労働条件、それに加えて逃げられない状況を作るという人権侵害などは前から言われており、度々指摘がなされてきました。
ですが建前は技能の実習でも、最近では労働力の不足を補うということが隠れなくなり、そのままの体勢で進んでしまっています。

しかしながら、この問題、もうこのような経営からほど遠い日本人にとっても、もはや他人事にはなりません。というのは、ここで一部の経営者が与えてしまった悪印象は、将来日本人が被ることになりかねないので。そしてそれは特に、数十年後に生きる世代、すなわち今の若い世代が特に。

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年賀状発行数の激減は高齢者の年賀状離れも大きいのではないか

この時期郵便局に行くと、ほぼ必ずポスターやブース、もしくは直接販売などで年賀状の販促をしています。むしろ駅などでも机を設けて売っていたりしますね。ここ数年、局員に課せられている販売のノルマも厳しいと言われ、「自爆営業」という言葉も生まれてここ数年問題となっています

これだけ年賀状販売の攻勢が激しくなった理由のひとつは、現在年賀状の発行、送付が急激に減少しているというのも大きいでしょう。以下資料。

www.garbagenews.net

そしてそうなった理由としては、やぱりメールやLINEなどITの発達が大きいというのも疑いのないことです。その対象はやはり若者ということで、若者に対し年賀状を送るキャンペーンなども展開されているようです。

www.nikkei.com

しかし、これだけの急激な年賀状送付枚数の激減は、むしろ若者よりも高齢者層になるのではないかと思うのです。しかもそれは寿命による自然減ではなく、「高齢者が年賀状を自らの意思で送らなくなる」ということ。

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日本企業において40代前半の層が薄い就職氷河期以外の原因

『「40代前半の層が薄い」人手不足に危機感』という記事が、話題になっていました。

www.asahi.com

 

自分も昭和50年代生まれのいわゆるアラフォー、この世代にあたります。そして就職氷河期における就職の厳しさや、その後の仕事の範囲が狭かったことはかなり実感してきました。その理由の主たるものは、散々指摘されている通り、当時の不景気で正社員の採用を減らしたこと。そして中途採用も行ってこなかったことで、採用世代のばらつきが生じてしまったことにあるでしょう。さらに、派遣業法改正により、本来スキルを身につけさせる正社員数を減らしたことも影響が大きいと思われます。その結果、人口がピークであった年代にもかかわらず、正社員率が低い世代となってしまいました。

しかし、この記事の主旨と思われる「日本の企業に属している40代前半の層が薄い」ということになると、実はこれだけではなく、さらに数多くの原因があるように思えます。そしてそれは現在の40代前半の問題だけではなく、たとえ売り手市場である現在の30代、20代にもそのうち影響してくることとして。

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日本の秘境とも言える場所「交通困難地」

昔、国内で郵便物が配達出来ないほどの秘境である「交通困難地」についてまとめたのですが、しばらく消したままストックしていました。整理してたらそれを見つけたので、もったいないからここで。ちなみに作成したのは2015年くらいでしたが、大きくは変わってないと思います。

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  • 交通困難地とは?
  • 定められた交通困難地の一例
    • 船泊村メシクニ、メシコタイ (北海道礼文郡礼文町)
    • 化石浜・知床岬・滝ノ下・船泊 (北海道目梨郡羅臼町)
    • 神岩・小島・大黒島・登喜岱 (北海道厚岸郡厚岸町)
    • 三斗小屋温泉(栃木県那須塩原市)
    • 硫黄島(東京都小笠原村)
    • 南鳥島(東京都小笠原村)
    • 雲取小屋・雲取ヒュッテ(埼玉県秩父市)
    • 徳山ダム 門入(岐阜県揖斐郡揖斐川町)
    • 八ヶ岳 赤岳温泉、オーレン小屋、夏沢鉱泉(長野県芽野市)
    • 富士山本八合目(静岡県駿東郡小山町須走字)
    • 黒部市宇奈月町の各所(富山県)
    • 白馬村の一部(長野県北安曇郡)
    • 余島(香川県小豆郡土庄町)
    • 木曽御岳山頂(長野県王滝村)
  • まとめ
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介護職不足の一因は世話した人の『死』に直面することではないか

 政府が「介護離職のゼロ」を目指しているのはよくニュースで聞くところですが、それに対して介護に従事する職員が足りないという声も非常に多く聞かれます。

blogos.com

news.kaigonohonne.com

何故、介護職が人手不足なのかというのは、明らかに需要(求人)に対して供給(応募人員)が不足しているからですが、では何故人が集まらないのか。よく言われるのは重労働と、それに見合わない低賃金によるものです。さらには人手不足がさらに一人あたりの負担を大きくなること、場合によってはその過労が介護される側への荒い扱い、場合によっては虐待に繋がる危険性も最近指摘されいます。

これらの解決は困難ですが急務なのは間違いないでしょう。しかしながら介護に人が集まらない、もしくは定着しない理由はおそらくこれだけではないと思われます。それは介護をする側の心理的な要因について。

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『恐ろしいもの』の入っている箱の話

 むかしむかしあるところに村がありました。

ある日、その村の外れに薄汚い、小さな箱が置かれているのを誰かが見つけました。その箱には蓋がしてあり、上から灰色の紐で十字に縛られています。

しかし村の誰に聞いても、その箱を置いた覚えはありません。村人は不気味さを感じました。しかし、怖くて誰も中を確かめられません。

その時、ちょうど通りかかった旅の僧が箱を見るや「これの中身を見てしんぜよう。万が一のことがあるといけない、皆は遠ざかっているように」と言いました。村人はちょうど確認をしてくれる人間が来てくれたことを幸運に思いながら、言う通りにそこから避難しました。

 

その後しばらくすると僧は村長のところに言いました。「あの箱の中には『恐ろしいもの』がある。誰も近づいてはならぬ」と。

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文章力とかコミュ力みたいな「○○力」って結構後づけだよなという話

 最近、文章力、コミュ力、女子力、若者力、老人力のような「○○力」というものを耳にすることが多くなってきました。詳しく調べていないのでどれだけあるかわかりませんけど、ざっとネットを見回した感じでは、コミュ力(コミュニケーション力)、女子力、男子力、老人力、若者力、父親力、母親力、文章力、画力、要約力、人間力、読解力、日本語力、イメージ力、語彙力、仕事力、治癒力、免疫力、組織力、集中力、上司力、部下力、会計力、思考力、実践力、承認力、竹内力、長州力なんてものがあります。最後2つまちがい。

このようにあらゆる分野であるのではないかと思われるほど何かの折に出てきますね。主に「○○力をつける」「○○力を鍛える」みたいな感じで実用書の新刊とかはてブに出てくる記事とかで。ちなみに上からの抽出は検索では文字指定しにくいのでAmazonの実用書コーナー見回したらたくさん出てきたものです。

しかし、こういった「○○力」と言われているものの中には、それいったい何なのか、と思うことがあります。

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