空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

テレビはワンルームマンションから最初になくなってゆくのではないかと思った話

ちょっと家のエアコンが壊れかけたので、一昨日、買うために出かけてました。だけど、エアコンの価格って、工事費やリサイクル料金、撤去料金などを含めると、額面から2〜3万円の違いが出ることもあるのですな。さらにポイント値引きとか考えると要素がさらに増えたり。とりあえずいくつかの店舗を回った結果、ビックカメラ池袋の説明の丁寧さや誠実さ(現地での工事費込みで高くなることを隠さないで前もって言う)、それと結果として工事費のあたりでかなり安くしてくれたので、そこにしておきました。つか、今回の検討で改めて「表に出ている数字」だけで単純に比較するのはどれだけミスをしやすいかというのを学んだ気がします(工事費とか検討しなければ、結果として似たような性能のものを2万円高で買うところだった)。

さて、そこでついでにいろいろ家電を見てきたのですが、なんだかテレビ売り場がやはり北京オリンピック商戦なのかがんばっていましたね。ただ、売れ行きはどうなのかよくわかりませんが。でももし、テレビが減ってくるのはどういった世帯からでしょうか。収入の少ない高齢者世帯? それともテレビを見なくなっていると言われる若い学生の世帯や最近の若年夫婦世帯? いやいや、おそらく私は独身世帯のサラリーマンやOLの住む、ワンルームマンションからなくなってゆくように感じます。その理由は、ここに住む人は単純にテレビの前にいる時間が非常に少ないので、というか、そもそも家にいる時間自体が少ないので。



私が外勤めの社会人の時には非常に忙しく、家は平日は風呂と睡眠を取る場所と化していました。つまりは、家に帰ってからの数時間というのは本当に貴重なのですよね。で、その時に趣味、すなわち読書やゲーム、ネットに音楽etc……とさまざまなことを選択するわけなのですが、そこでテレビを見ている時間というのがもはやないのですよね。実際、私も一人暮らしの際にネットとコミで月1万円のケーブルテレビを頼んだのですが、テレビを結局見る時間がなかったために(せいぜい飯時にニュース見るだけ)、すぐネットのみプラン(月4000円)に戻してしまいました。もし、家族が多い世帯ならば、誰かしらがテレビの前にいる可能性はあるかもしれませんが、一人暮らしの場合はその可能性がはるかに低いという感じ。

さらにPC&携帯に馴染んだ世代は、その貴重な時間をテレビの前で30分費やすよりも、そのぶんほかの娯楽のほうが時間を食わないが故に、そっちのほうにいってしまっているのではないかと。つまり、昔ならば娯楽に金がかかったが故に、タダでありおもしろかったテレビが重宝された面があると思いますが、今ならば娯楽の価格が下がっており、むしろ時間のほうが重要視されることになったという感じ。故に、自分の時間で動けるネットなどのほうがテレビより重宝されている面があると思います。最近テレビでは、制作費の都合か1番組を1時間とか2時間単位でやるものが増えていますが、逆に言えば長ければ長いだけ、それを放り出されるリスクもあるような気がします。実際、ここのところフルに30分見た番組ってほとんどないなあ(ニュースも飛び飛びだし)。

とはいえ、もしテレビがタダだったのなら、置いておくだけだしいいかなと思ったかもしれません。しかし、「テレビはタダではない」という経験をしている人は、上のような独身世帯に多いのではないでしょうか。それは「受信料」という名の課金。

テレビを買ったときにそれは特に必要ないので、テレビはタダと思いがちです。しかし買ってからそれがタダではないと思い知らされます。NHKの受信料徴収スタッフの手によって。

前にも書きましたが、あの徴収スタッフは歩合制となっています。

■参考:
nakamorikzs.net

故に、契約していない世帯から必死にとりにくるのですが、その方法で今まで何度となく腹をたてた人は多いでしょう。たとえば夜遅く、訪問可能時間ぎりぎりの8時前に来て、疲れているのに何十分もくどくど話をさせられたり、夕食準備の忙しい時に来て同様。また、貴重な休日に来て以下略。そして、失礼な目にあった人もいるでしょう(全スタッフがそうだとは言いませんが)。つか、金云々よりも、あちらの失礼な態度に意固地になって、(払ったら負けみたいに思えるので)絶対に払いたくないと思った人もいるのではないでしょうか。しかしあちらはこっちが「金を払いたくないからそうしている」と思って平行線を辿っている感じだったりするのもねえ……。今、受信料への反発が多いのは、金銭的な面もそうですが、こういった感情部分の面もあるのではないかと思われます。

つまり、テレビを設置することで、その日常の平穏が崩されるが訪れてくるリスクが出てくるわけです。それを回避する方法は2つ。受信料を払うか、もしくはテレビを置かないか。となると、昔ならテレビは絶対必須だったのでその選択肢はないも同然でしたが、現代だと話は違ってきます。もしテレビがなくて平穏が訪れるのだったら、そうする世帯は出てくるのではないでしょうか。それは前記のように、ほとんどテレビの前に人がいない世帯。

そんな、徴収スタッフなんて放っておけばいいと思う人はいるかもしれませんが、現代では平穏に対しては金を払う価値が認識されてきたと思います。たとえばこの前書いた、ナンバーリクエストもそれですしね。

■参考:
nakamorikzs.net


個人的には、もう受信料制度は制定から50年が経っていて、制度的に時代遅れになっているものを無理矢理運用しているので、無理、矛盾が出てきているのだと思っています(このへん、著作権法&JASRACも似たようなものだと思います)。ですので、根本的に変える必要があるでしょうね。もちろん、視聴者が納得する形で(ちなみに受信料義務化ってあるけど、あれは事実上、税金をその分増やすってことだよね。今の国民から1世帯2000円の増税とかしたら、ものすごい収入になるよなあ……国民が許すかどうかはともかく)。

ちなみにこれから気になるのは「ワンセグ課金」ですね。これについて受信料がどうなるかで、ワンセグの普及にかかわってくるかもしれません。

■参考:携帯ゲームのワンセグチューナーで受信料が取られることになるのか | ゲームミュージックなブログ


◆追記
デジタル放送ではB-CASカードを持つことで、テレビを視聴している世帯をほぼ完全に割り出すことができるそうですが、それは全く逆に言うと、テレビを視聴していない世帯はそのことへの証拠ともなるわけですよね。