『ムー』は刑務所内での学習用許可雑誌?

 前回の更新からまだ一ヶ月も経っていないのに、「ちゆ12歳」さんが更新されました。


 ■「前世はアトランティスの戦士!」 懐かしの前世少女(ちゆ12歳
  http://tiyu.to/permalink.cgi?file=news/07_03_07

 
 相変わらず面白い記事です。
 しかし『ムー』といえば、ある種一般的見地からはアレ系の記号みたいになってしまった感がありますが、実はこの雑誌、意外なところでは「学習用許可雑誌」となっていたのです。


 刑務所内部の実体を銃刀法違反(改造モデルガン所持)で服役した経験をふまえて淡々と描いた花輪和一氏の名作『刑務所の中』では、刑務所内で自由時間に読むための本を申請するところがあります。
 それによると、本を個人で持てる本(私本)は原則3冊まで。そしてその3冊も刑務所が許可したもののみ。ただし、これには例外があり、「学習用許可雑誌」とされているものは、7冊までOKとなるらしいです。

 ちなみにこの「学習用許可雑誌」のリストも載ってますが、それには『情報処理試験』『会計人コース』といった技術習得のためのものから『東洋経済』『日経マネー』のような経済誌、『ボクシングマガジン』のようなスポーツ紙、『山と渓谷』のような趣味の雑誌があります。
 それに『ログイン』『アスキー』のようなパソコン誌(刑務所内にパソコン無いと思うのですが…ひょっとして最近はあるのかな?)、『グッズプレス』(まあ見るだけでも楽しいですが、実物はないですね)、『アパマン』(出たとき用?)、『レタスクラブ』(男性しかいないのに)といった雑誌もあります。


 さて、肝心の『ムー』ですが、これについては作者自身が「ここに来たての頃は、ムーは学習用許可雑誌だったんだよ」「ああそうだったんだなあ…と感動してたらいつの間にか学習用じゃなくなっちゃったから」と書いてあります。
 つまり、この刑務所(札幌刑務所)では、『ムー』が学習用許可雑誌だったというのは、文字通り過去形になってしまったわけです。


 ちなみにマンガの話は平成8年(1996年)ですが何故、それまではそうだった『ムー』がダメになったのでしょうか?1999年の予言云々にはまだ早いのに……と思っていたら、その前の年、日本を揺るがす大事件があったんですよね。すなわちオウム真理教の一連の事件。
 おそらく、これの煽りを食った形で、宗教系を交えているムーが学習用許可雑誌ではなくなった…と推測されます。ある意味過剰反応とも思えますが、刑務所はそういうとこでしょうし、あのころはそれ系に関してかなり世間もピリピリしてましたからね。


 ちなみにこのマンガに載っている本に関するエピソードは他にも、エロ小説を毎晩の楽しみにしている受刑者がいるとか、雑誌内のクロスワードを解くためにそのまま書き込んでも懲罰対象になるといったものも書いてあります(ただし、ノートに写せばOKらしい)。

 他にもいろいろ面白いことが淡々と、しかしユーモラスに書いてあって面白いので、おすすめです。
 しかし読んでると、自分もちょっと甘いものが貴重に感じられてきますな。


刑務所の中 (講談社漫画文庫)

刑務所の中 (講談社漫画文庫)