どうもSFと聞くと、ハヤカワの青背とか原書とか重いものを想定して敬遠していてしまうという方は多いのではないでしょうか。
別にそこまではまり込む必要はないのですが、だからといってSF的なものを敬遠するのは勿体ない、ということで、「SFなマンガなんだけど、知識がなくても軽く読めて面白いマンガ」を紹介してみようと思います。
ちなみに「ハヤカワの青背のどこが重いんだ!」とお思いの方は多いでしょうが(わたしもややそっち側ですが)、今日の話題はSFという存在自体気にしていない人を対象にしているつもりですので、ご了承くださいませ。(というかそこまでこだわる人なら多分今から紹介するものも知ってる気がしますし)
それじゃあまずこちら。
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藤子・F・不二雄のSFシリーズ。絵はまるまるドラえもんに近いので、馴染みやすいですが、なかなかシュールなものや考えさせられるものが多く面白いです。(というかドラえもんにもそれはにじみ出てますけどね)
中でも『ミノタウロスの皿』はかなりダイレクトに衝撃を受けます。ある牛が支配する惑星で、人間は食料であったが、それを自然と受け入れていた。ラストシーンで少女は心から笑っているのですが、その先は……
まあ、前述のように絵は完全に藤子F絵なので入門者にはおすすめです。
そして次にはこれ。
私がSF的世界観というものに興味を持った名作マンガです。
絵柄は藤子F不二雄系なのですが、中身はしっかりしたSFです。とはいっても重いものではなくほとんどが軽くわかりやすいものなので、知識がなくてもわりと楽に読めます。
あと、ほとんどが1話完結型なので(シリーズもありますが)、これも読みやすさの元となっています。
好きな話は、死んだ父の魂が子供に乗り移っていろんな事件を解決する『大いなる眠り子』シリーズ、それにあの世の存在が否定されたとき人は……という『あの世の方程式』など多数。
さて、次は『まことちゃん』『猫目小僧』の楳図かずお絵そのものなので、人を選ぶかもしれませんが、「絵柄が気にならないなら絶対読んでおけ」と勧められる本です。
私の知る狭い範囲でですが、これを超えるSFマンガというものはほとんどないんじゃないかと思うくらいの名作です。(まあSFのカテゴリに含めるかどうかは人によるでしょうが)とにかくそれほどまでにおすすめです。
さらに、これは1980年代に連載された漫画なのですが、現代のようなネットワーク社会を予言して描かれているのにはただただ平伏するしかありません。
しかし、本当にすごいのは世界観だけではなく、少年と少女の汚れのない愛、そしてそれによる奇跡、そして子供の終わりというものを感動的に表現した点にあります。
つか、これ今優秀なスタジオがアニメ化したら、かなり名作になる可能性があると思うのですけどね。(さすがに楳図絵は辛いのかな?)
あとは楳図作品のSFぽいものには
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まあ、どれも純粋に面白いと思いますので(私の主観ですが)、SFに興味がなくても機会があったら読んでください。