このようなニュースが。
■キー局まで広がった“パチンコ広告依存”:NBonline(日経ビジネス オンライン)
たしかに、テレビを見ても最近パチンコとローン関係のCMが目立ってきてますね。あと健康食品の類とか。この傾向についてはいろいろ思う所があるのでそのうち書きます。
しかし、このようにパチンコとローン関係が多くなってきている広告の場はほかにもあります。それは電車内の吊り広告。私は東京住まいなのですが、電車に乗って上の方を見ると、吊り広告ががとある分野に固まっているような傾向を受けます。それで多いのが、パチンコ(ここではメーカーではなく、その沿線のパチンコ店の広告)、銀行系とノンバンク両方のローン系が増えてきているのがはっきりとしています(主に吊りではなく、ドアの上に貼ってあるタイプ)。それに加えて、鉄道会社の自社系や法律事務所系や英会話教室(一時期はNOVAがすごかった)、宗教系啓発の本や雑誌(昔だと法の華三法行系が多かった)、医者も増えているような。時期によっては就職、転職セミナーや、大学、予備校の広告も入りますね。昔ながらの雑誌系の吊り広告や塾関係(日能研)もたしかにありますが、それらは現状維持で、前述のようなものがここ10年くらいで急激に増えてきたように思います。だから、こんなことも起きるのかと。
何故こうなったのか。おそらくはそれまで多かった大企業の製品系が撤退して、枠を埋めるために広告費を下げたら、そういったものが参入しやすくなったということではないでしょうか。もしくはテレビCMと同じように、枠が埋まらないので審査基準を下げたと。
で、気になるのはこのような電車内広告の効果は現在どれだけあるのか、ということ。
正直、10年前までは費用対効果としてはかなりメリットがあったのではないでしょうか。というのは満員電車で混雑している時などは、雑誌も広げられず、暇をしのぐ手段はそういった吊り広告を見るくらいしかなかったはずです。となると、その広告の注目度はかなり増していたことでしょう。そういえば、地下鉄のほうが外の景色を見られない分、地上を走る電車よりも広告費が高いという話を聞いたことがあります(今はどうか知りませんが)。
しかし現在、それら広告を見ていた人は別のものを見ているのではないでしょうか。それはすなわち携帯電話(ワンセグや音楽プレイヤーも含むかな)。このスペースをとらずに、ある程度自分の好きなものが見られるという携帯電話のために、広告にわざわざ注目する必要がなくなったと。大企業が電車内広告で減ったのは、その費用対効果が少なくなったと判断したからではないかとも思うのです。
ついでに言えば、キオスク、つまり電車から出てすぐ買える店がなくなってしまったことも、そこで売っていた製品(ガム、飲料、雑誌など)の広告を減らした原因のように思えます。だって広告で見てキオスクですぐ買えるならいいけど、コンビニまで行ったら別の商品見てしまって、そっちを買う可能性は高そうですし。
故に、パチンコ店含め地元産業的なものや、ローンなどが残ってしまったと考えられます。ただ、それの広告効果はどのくらいかはわかりませんが。
個人的には、くだらなくなっているのもありますが、雑誌系の見出し、ほとんど見なくなりましたね。昔は絶対見ていたのに。あ、でも山手線では、ドアの上のところにあるテレビを見て、任天堂のや英会話のコンテンツを見たりしています。あれはなんとなく眺めてしまう。
ちなみに都市部の電車はまだいいのですが、ちょっと旅に出て地方に行くと、吊り広告がぽつりぽつりとしかない電車なんてのがけっこうあるのですよね。まあたしかにその車両に1日数えられるほどしか乗らないのでは、広告効果は微妙ですので、わざわざ出稿しないでしょうが。しかし、都市部の電車も決してこの状況を他人のこととは思えないでしょう。もしかしたら数年後、吊り広告に空白が出来るなんて可能性も否定は出来ません。実際、自社関連(私鉄なら系列ホテルやリゾート、JRならVIEW系列)の広告が占める割合がかなり多くなっているように思われるので。