空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

現代の募金活動に生じる問題点とかについて書いてみる

最近、秋葉原での募金が話題になっているようです。

エアガン乱射のハルヒ女装ら、「明るく楽しい秋葉原を取り戻そう」と募金呼びかけ
AKIBA AID 2008 問題まとめWiki

この問題については、前の行いがアレだったせいで、募金にバイアスがかかっているのはまあ無理もないことですが。さて、今日はここから募金の話についてちょっと書いてみようと思います。

募金の主旨である、困っている人に対して寄付を募るという行為自体は立派なものです。しかし悲しいかな、現代ではその過程でいろいろなノイズが入ってきてしまうことがあります。そのノイズとは何か。大きくは2つあります。

ひとつめは詐欺行為。『クロサギ』の9巻でもとりあげられていましたが、世の中には募金活動を利用して詐欺を働いているケースがあります。それはバイト、もしくはボランティアを使い募金箱を持って街頭に立たせて、集金活動を行ったものをそのまま懐に入れるというもの。これ、小銭ばかりでたいした儲けにならないとお思いの方もいるでしょうが、これがちりも積もればという感じで意外と集まるそうです。特に時事の災害などをテーマにしている場合は特に。ですので今は、各地の地震をお題目にしたものに紛れている可能性はあります。そして同時に、そこで署名を求められてその個人情報を売られるというケースもあります。

そういえば、募金じゃない形でもあるようです。高校時代の教師で変わり者だった人がいて、若い頃に駅前で托鉢をやっている坊さんがなんだか様子が変。で、そっとつけてみると、寺ではなく、ある会社にその托鉢姿の人が大勢入っていったという話を聞きました。10年以上前のさらに10年以上前なので、昭和からこういった詐欺はあったということですね。

もちろん、街頭募金の全部が全部こうとは言いません(実際、昔から普通に募金活動をしている人は、こういう詐欺の風評被害で募金が集まらなくなっているということも聞きます)。托鉢も同じです。しかし、こういうのもあるということです。ですので、小銭を失うだけならまあともかく、署名関係はあとから詐欺関係の電話攻勢などが来る可能性もあるので、十分注意しましょう。ちなみに詐欺署名とそうではないのの見分け方は、そのことに対してどれだけ具体的に公表しているか(裁判ならばどういう件で、どこに提出するとかとか)というのが見分け方の一つにあると思います。逆に言えば、抽象的な「アフリカ難民のための署名を」とか、その署名をどう使うのかぼかしている場合は危険ですので注意した方がよいかと。


あとは、コスト問題というのもあります。それは、ちゃんと寄付を行う募金でも、中間的な必要経費がかかりすぎて、本来募金をしたい人に届くお金が少なくなってしまうという現象。ただしこれは、中間でだれかがリベートを得ている、とは限りません(そういう場合もあるでしょうが)。組織である以上、必ず事務経費は必要です。しかし場所によってはそれがかかりすぎてしまう場合というのも存在するのですね。例えば、秋の恒例となっている赤い羽根共同募金も、あの赤い羽のコストが意外とかかると聞きました。募金をする機会というのは必要だと思うので、赤い羽共同募金自体はあったほうがいいと思うのですが、あの赤い羽の配布自体はそろそろやめてもいいような気がします。あれつけてるの、今は会社のお偉方のような年配の方がほとんどで、若い人だとアナウンサーと政治家くらいしかつけてない気がしますし(どうも、善意を見せつけている、もしくはそう見られるんじゃないかって心理が働くのですよね)。


では、募金をしたい場合はどこにすればいいのか。それこそ、昔ならばともかく、今はネットでたやすく情報を得られるのでそれを活用しましょう。まあ、日本で一番確実なのは『日本赤十字』でしょうか。

日本赤十字社
日本赤十字社 - Wikipedia

日本赤十字社は日本において赤十字活動を行う唯一の団体であり、日本赤十字社法という法律も制定されています。現在ではここに直接入金できるようになっています。そして各種募金活動においても、最終的にはここに募金が渡されることも多いことから、現状信頼性では国内トップかと。そして寄付は銀行振込、クレジットカード、コンビニ振込から出来るということです。

あと、最近日本ユニセフと国際ユニセフが違う団体だとか、その他諸問題がネットでいろいろ言われていますが(参考:日本ユニセフ協会 - Wikipedia)、国際ユニセフに直接寄付する方法として、黒柳徹子さんに渡すという方法があるみたいです。

徹子の小さな放送局 − お願いチャンネル

それと災害などでは、起こってしばらく経った時に各種自治体で募金用口座が用意されることが多々ありますので、そこをネットで調べて送るというのも手でしょう。ちなみにニュースになっている頃の募金は集まるけど、本当に復興のための支援が必要な、一度熱が冷めた頃の募金はあまり集まらないと言いますから、あわてて今送らず、あとで調べてからゆっくり送ってもそれは十分役に立つと思います(忘れてしまうのはダメですけどね)。

上の例は私が調べた範囲ですので、絶対正確とは言えません。また、このほかにも事務費を極力かけずに寄付してくれる団体もあります。このほかの団体も含め、真偽はネットなどを使って自分で調べて判断するのがよいと思います。ポイントは収支や事業をきちんと公表していることかなと。

まあ、募金においても自分で考えるということは大切ですねということで。


余談。寄付は相手の事情をよく考えることも必要です。例えば車を寄贈されたけど、維持費がかかって負担になっているとかいうこともあるようです。今回の秋葉原AEDも、それの維持費や保守管理はどうするのか、そこまで考えているのかな、とちょっと思ったりします。