こんなエントリーがありました。
■ブログで稼げるのか?(情報元:まなめはうすさん)
たしかに、個人がアフィリエイトをしてもそうそう収益を得られるとは思っていません。おそらく(私も含めて)一ヶ月に最低支払い金額に満たない人が大半でしょう。とはいえ、自分が個人サイトのアフィリエイトからものをそんな頻繁に買うか? と聞かれれば、いいえと答えるでしょう。せいぜい、マンガの紹介が面白かったから衝動的にとか、ああ、こんなの売ってるんだとかでポチッとクリックする程度です(あと、前に買ったことがあって、会員登録が済んでいるところがほとんど。クレジット番号そんな多くに撒きたくないしね)。上で書いてあるとおり、個人でそれなりのコンバーションがあるサイトは少数派でしょう。
でも、日本では個人を対象としているアフィリエイトサイトが山のようにあります。(バリュークリック、A8、リンクシェア等々)。それらのほとんどは個人を受け付けていて、中には事実上無審査なところもあります。上のように企業だけのものであるとしたら、何故ここまで個人に対象を広げるのでしょうか。
最初に思いつくのは、山のような個人申請の中から、本当にトラフィックを持つサイトが出てくるのを待っている、というもの。まあ、俗に言う砂漠の中からダイヤを探す、ですね。しかしながら、これは効率が悪すぎます。それに必ずしも来てくれるとは限りませんし、それならこちらから逐一調べて、声をかけていた方が効率的と思えます。さらに言えば、零細サイトの申請も受け付けていればその分手間がかかるので、どこも審査のハードルを思いきりあげるはずです。もしくは一定期間0だったら解約とか。にもかかわらず、どこも比較的審査が緩く、且つ無審査なアフィリエイト会社まであるのは何故でしょうか。そこまで砂漠のダイヤを探してのものなのでしょうか。いや、個人的にはそうは思いません。
実はこの「あまり成果が無いサイト」にも、アフィリエイト会社と広告主はそれなりの期待を持っていると考えます。しかしそれは、必ずしも商品がそのサイトで売れることではありません。その期待とは、「購入に結びつかなくても、そこに画像が表示されていること」です。つまり、そのサイトで買われなくても、サイトを見た人の記憶の角に止まっておけば、のちの購買につながるかもしれないという、表示広告をやってもらおうという感じです。売れればそれはもちろんOKですが、売れなくてもそれを表示したということですので、広告主にとって損にはならないのですね。つまり、無料でバナー広告キャンペーンをしてもらっているようなもの。これを狙っているというのがひとつ。*1
そしてもうひとつ、この場合サイト主も個人、すなわち購入者層でもあるということ。アフィリエイト登録をすると、その会社からどんな広告が出たか、とかおすすめ広告みたいなメールが送られてきます。アフィリエイトサイトのトップに表示されることもあるでしょう。そしてそれを自サイトに貼り付けるということは、その商品を頭に入れるということ。つまりは、「個人サイト運営者という購入者層の人間に対して、その商品をアピールしている」ということにもなるのです。おそらくは、意識してか無意識のうちにか、その商品をそのサイト、及び店頭などで買っている人もいるのではないでしょうか(自クリックOKなら、その分割引になるし)。
このように、アフィリエイト会社や広告主がこのような個人を相手にするのは、直接売れればそれはOKだけど、売れなくても十分そのサイトを見るだけの人(無報酬なので数はさほど問わないし)、そしてそのサイト主にも広告効果があると見越しているからではないでしょうか。
前に、求人案内は必ずしも人材を求めているだけ者ではないというのを書きましたが、それと似たようなことがアフィリエイトにも言えるかもしれません。
■参考:求人情報の求人以外の役目
元ソースは英文なので、海外の状況的には違うのかもしれませんが、日本の場合はそういう直接的に物が売れるという影響だけではなくて、間接的なこともふまえて、アフィリエイトへの広告出稿が増えているのではないでしょうか。
*1:まあただ、これは一番多い、買われたとき成果報酬が生じるものの形で言えることであって、表示されただけでいくらとか、クリックいくらという広告では、また性質が変わってくると思います。