空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

Flashの文化はニコニコ動画に駆逐されたのではなく、ニコニコに内包されているのではないかと思う話

このような話題がありました。

何でFLASHって廃れちゃったの?

そういえば最近、めっきりFlash(ここで言うのは技術としてのFlashではなく、コンテンツとしてのFlash)を見なくなりましたね。一時期は毎日のようにFlashが作られ、Flash紅白とかも行われていたのに。その原因として思い当たるものといえば、やはりニコニコ動画でしょう。つまり、視聴者及び職人がこちらに行ってしまったせいで、Flashが作られなくなったと。まあこれに関してはあまり深く考えず、時代の流れだよな程度に思っていました。

しかし、ニコニコの中で以下のようなものを見つけました。


ニコニコ動画の中で、以前作られたフラッシュが載せられているのですよね。そしてなつかしさもあるでしょうが、なかなか好評。まあ、たしかに変換すれば載せられないものではないですが、少し驚きました。
そしてここで思い直しました。たしかにFlash、つまり.swfという形式は少なくなったけど、Flash作品で培われた文化というものは、ニコニコ動画に駆逐されたのではなくて、現在のニコニコ動画が内包しているのではないかと。
言葉で説明するよりも図の方がいいので、簡単なものを作ってみました。

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今までの考えだと一見、上の図のようにニコニコ動画によって、Flashの文化が、そしてその前にはFlashによってGIFアニメの文化が塗りつぶされたように見えます。しかし、私の思ったは以下のような図です。

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このように、ニコニコの文化はそれまでのFlashの文化を内包しているからこそ、今のような体系になっているのではないかと。そしてそれはFlash文化も同じで、かつてGIFアニメという文化があったからこそ、それに肉付けをするようにFlashというものが生まれたのではないかと。故に、ニコニコにFlashでの作品があっても十分対応できると。


では現在、Flashという媒体ではなく、ニコニコ動画のほうが盛り上がっているのは何故か。それはやはり図のように、やれることの可能性がFlashでの単純な制作より大きいからではないでしょうか。例えば動画合成もそうですし、視聴者側からすればコメント字幕もそうでしょう。ちなみにニコニコにあるドラわさびFlashでは、例のドラえもんのところで弾幕コメントが走りますが、このコメント弾幕も新たな文化と言えるでしょう。

しかしながら、上の図は微妙に範囲円をずらしています。というのは、ニコニコ動画は全部が全部、Flashの文化を引き継いでいるとは思わないからです。例えば2ちゃんねる大王なんかの本家Flashでは、スペースキーで字幕を表示したり、コマンドを入力すると分岐となったりする仕掛けがありました。しかしニコニコでは現在それは出来ません。つまり、ニコニコに含まれていない前の文化もあると思うので、その部分を想定しての円としてみました。
そして、この内包されていない、はみ出た部分こそがニコニコ動画の次に来るものの要素となり得る可能性があるのではないでしょうか。

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それは先のようなこちらからでアクションを起こせるインタラクティブ的なもの。それがどういう形でなり得るかはまだわかりませんが、動画+コメント以上のものが求められた時、発展の形はここからということは十分にあり得ます。もちろん今までの流れではなく、ここに自然発生的に生まれる可能性も十分あり得ます
ね。


ちなみに、ニコニコの外側にある最外周の黄色の円は、次の文化を予測してのものです。ニコニコがその外側の新しい円とどう重なり合うのかは謎です。上の図のように全部内包されるのか(まずそれはないと思いますが)、それとも、多くの部分が外側に出るのか。ただ、Flashの文化が形を変えて生きているように、それも全く否定されるということはないでしょう。