百合マンガのルーツは『魁!!男塾』ではないかと思った話

最近、作品内がほとんど女性のキャラばっかりが登場して、男性が多くの場合排除されているというマンガが増えていますね。例えば『ひだまりスケッチ』『トリコロ』など。それらはたま〜に男性キャラが出ることはあれど、作品のほとんどはその女性達の関係で成り立っています。そして男女の恋愛系の描写もほとんど排除されています。あるとしても、誰かが告白された→断った(みんなというほうがいいから)という感じですね。ただ、多くは文字通り性的な意味での百合ではなく、青年期にありそうな同性へのあこがれや友情を押し出したものという軽い感じですね。例えば仮に相手に恋人が出来たら、本気で嫌がるのではなく、祝福するけど寂しいなという感じ(まあ多くの場合前述のようにそうはならない)。

また、多少男性が登場する作品でも、主軸が女性グループでそうなっているものは多いですよね。『らき★すた』も『咲』も女性が中心で、男性との恋愛に関わるような描写はほとんどありませんし。

ひと昔前はこういった作品はあまりありませんでした。それはかなりの確率で主人公とヒロインが登場し、恋愛に結びつく話が多いからです。主人公ではなくても、作中で誰かと誰かの恋愛が描かれることはほぼ絶対と言ってよかったでしょう。例えば昔の少年誌は男くささが炸裂していましたが、それでもたいていの場合、それにあこがれるヒロインがいたものです。『六三四の剣』の嵐子ともなみ、『あしたのジョー』の葉子なんかがそうですね。薄いですが『ドラゴンボール』にもその手の話はありますし(ラブコメを推し進める担当鳥嶋氏への反発で意図的に薄くしたという話)、『スラムダンク』、『幽遊白書』(ってこれはもともとラブコメがスタートか)、『あしたの一歩』などトップを走ってきた少年マンガにももちろんその描写はあります。そうでなくても『巨人の星』では明子姉さんをめぐっての三角関係が繰り広げられたりします。つまり、恋愛が主眼ではなかった作品でも、恋愛は含まれていることが多かったのです。少女漫画はさらに輪をかけて、必ずと言っていいほど恋愛描写がありましたし、それが主軸の作品が多かったです。

しかし近年、それから脱するように、百合マンガと呼ばれるものが増えてきました。この、恋愛がない、異性がほとんど登場しないという形式、以前だったらかなり異端だったはずです。では、何故このような形式が受け入れられるようになったのでしょう。そのきっかけとなる作品は、マンガではないですが『マリア様がみてる』とも思われますが、この作品、意外とその手の話がぽつりぽつりとあるような気がします。

ですが、もっと昔に、ほとんど異性が登場しない作品が成功しているじゃないか、というのを思い出しました。その名前は『魁!!男塾』。

このマンガ、女性が出る話が数えられるくらい少ないです(一部男装のひとが混じってますが)。そして恋愛描写は全くといっていいほどありません。しかし、友情と勝利を前に押し出して読者を引きつけ、長期にわたって人気を博しました。ジャンプマンガでもここまで徹底して異性が出てこなかった作品はあまり類を見ません。もしかしたら、同性のみで構成しても成功するという意味におけば、その男女をひっくり返せばいいだけですから、この作品が現在の百合もののルーツのひとつと言えるのではないでしょうか。

でも、この場合「百合もの」ではなく、なんて呼べばいいんだ? ……「薔薇もの」? なんか例のあのマンガを思い浮かべるなあ……。

まあ今日はネタ話ですが、昔は必ずあった恋愛描写がなくても成立するマンガが増えてきたというのは、時代の流れかなと。まあ、同人とかで男女問わずカップリングされている作品もありますが、それはそれで。
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魁!!男塾全20巻 完結セット (集英社文庫―コミック版) : 宮下 あきら

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