コンビニコミックはオヤジ漫画&長寿連載作の再評価のきっかけとなるか

さて、この前書いた『ネットがあまりフォローしていないマンガジャンル〜漫画ゴラク系』から、言及エントリーをいただきました。

オヤジ漫画がネットで話題になりにくい理由を考えてみる

ここでネットでこれらオヤジ漫画(便利なのでこの言葉をお借りします)が話題になりにくい理由として『読者年齢層とネット利用年齢層(特にブログとかやる層)が違う』というものの他に、

1.ほとんどの作品が一〜数話での読切連作方式で、単行本を買わなくても理解できるのが多い
2.単行本になっても、続巻が出ないことが多い
3.単行本にならないシリーズ連載・短期連載が多い

という点を挙げていただきました。

『単行本で後から追うことが出来ないというのは、WEBで話題にするにはものすごく不利』というのは同感です。まんがタイムきらら系もそうですが、3大出版社のように作品が溜まれば単行本かとはならないのが辛いところです(きららキャラットでも最近『くるくるコンチェルト』というのが長期で人気もそこそこあったのに単行本ナシで終了しましたし)。

さらに言えば、『ザ・シェフ』やら『食キング』のような漫画は、それが長寿連載である故に話題にしにくいというのもあるでしょう。
以前『漫画雑誌における大いなるマンネリとそのジレンマ』で書きましたが、長寿作品というのは「大いなるマンネリ」の中にあるものが多く、そうするとやはり読み手が固定化して、新規が入りづらい。となるとネットで「今取り上げても……」感があるというのは否定できません。何より長寿故のお約束(例・あぶさんは代打専門だったがいろいろあって今は〜とか、銀ちゃんは実は厳しいように見えて過去わりと柔軟な手段で〜とか)をいちいち説明するのが面倒というのもあります。あと、新規のほうがどうしても新しさの分目立ちますし。特に前作がヒットしたマンガ家の最新作が話題になりやすいのはそういった注目度の面もあるでしょう(このへんはゲームソフトと同じですな)。

となると、やはり固定化してしまっているこのジャンル、ネットにおいて新規の読者層はもう呼び込めないのか……と思っていました。
しかし、この前のエントリーのコメントレスを書いているときに、ふと思いついたことがあります。私はここ数年、これらの漫画をまったく目にしていないわけじゃない。しかし本屋に置いてある単行本を買ったわけではないし、マンガ喫茶で手に取ったわけでもなかった。それではどこで読んでいたのかというと、それは『コンビニコミック』という存在。

ご存じの方も多いと思われますが、5〜10年くらい前からコンビニでは本屋向けの普通の単行本だけではなく、紙質が良くなくて広告も載っていることの多い、まるで雑誌を単行本化したような廉価本が売られています(小学館ビッグコミック系はMyFirstBIGと言うらしい)。
廉価版ではダイソーで売っているみたいなブックオフの100円棚からも動かなさそうなとっくの昔に連載が終了した作品(看板にもなってない)というものもありますが、コンビニで売っているのは主に完結した有名作品(『キン肉マン』『花の慶次』などジャンプ作品とか『三國志』、『ドラえもん』のベストなど)、それにまだ完結していないの長寿作品の若い巻数のもの(『美味しんぼ』、『花いちもんめ』、『ゴルゴ13』、『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部まで、連載時の『ギャラリーフェイク』なんてのも)も揃っています。
昔は青年誌の人気漫画が単行本が出る前に雑誌で『総集編』ってのを出していたことがありますが、それを単行本にしたみたいなところはありますね。

しかしなんでこんな連載がまだ続いている有名どころを出せるのか。それは前述の通り長寿作品は「大いなるマンネリ」に巻き込まれています。それによって起きることは単行本の若い巻数が売れないこと。つまり読み手が固定化して若い巻数を買う人は持っているので、古いものは売れないのですよね。よって長いのでスペースもばかになりませんし最近ではそれらを置かない最新刊しか本屋さんも増えています(こち亀みたいに30周年イベントを打ったりアニメ化したりするものは例外として。実際ジョジョも第一部映画化の時に文庫版が揃った店が多かったし)。

そして、このコンビニコミックというのは3大出版社だけではなく、オヤジ漫画系の出版社も数多く出しているのですよね。いや、コンビニ棚のシェアを見ると、本屋のそれよりこっちのほうが圧倒的に優勢なような(ちなみにコンビニでのオヤジ漫画の需要って、売れないとすぐ撤収のコンビニの棚にも置かれていることから、わりと安定した売り上げがあると予想されます)。一時期出先で一人暮らしをしていた時、コンビニ弁当を食べながら読むために鬼のように読んでましたが、その中には『食キング』『ザ・シェフ』『ミナミの帝王』等々、オヤジ漫画で刊行されていたものもかなり読んでいました。

で、既存の長寿マンガの最新刊が出ても導入が難しくても、こういった総集編なら話題のきっかけとして新しい切り口が出来るのではないでしょうか。つまり、前の1、『ほとんどの作品が一〜数話での読切連作方式で、単行本を買わなくても理解できるのが多い』を利点として、コンビニコミックをその作品に触れるための導入口とするものですね。
まあ、それでもネットでの話題普及は最初の2と3があり難しいかもしれませんが、少なくとも今までまったく触れたことのない人に興味を抱かせるきっかけとなるくらいは出来るかも。なんといってもコンビニコミックの利点の安さと手軽さがあるのですから。

ただ問題は、そろそろ3大出版社を除いてはパイがなくなってきたかなあという感じがするところです。ここで単行本未収録の長寿作(最初の2、3に該当するもの)を実験的に総集編として出してみて、単行本に繋がるという流れになればいいと思うのですけどね。