空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

マンガ喫茶や新古書店の最大の功績はバックアップが提供されたことだと思う話

まずこれを。

13,440冊のカオス (情報元:ふぇいばりっとでいずさん)

これはすごい。しかし思い返してみると、自分も今まで買ってきた分を合わせると、これだけとは言いませんが、1万冊くらいは超えるような気がするのですよね。現在もだいたい1000冊強はあると思いますし。しかし今それらがないのは、スペースの問題だったりします。つまり古すぎる一軒家の2階にいる私としては、さすがにこれ以上置けない。いや、置く場所はあるのですが、さすがに床が抜けそうで怖いし。
で、そういった本はどうしたかというと、家から比較的近い古本屋やまんだらけに売りに行くわけですね。まあ売る本は優先度の低いもの(飽きたもの、あまり手に取っておく必要がないもの)が先ですので、あまり買い取り価格は高くなく、少しだけ手に入れたお金でまた漫画を買うと。(しかし、ブックオフが出来たあたりからマンガの買い取り相場が急激に下がったよなあ……これはまた後日書こうかな)
それでも、昔はどんな漫画を売るのにもかなり抵抗がありました。それは「せっかく集めたのに……」とか「またいきなり読みたくなったらどうしよう」とか「ここで手放したらもう手に入れられないかもしれない」という心理が、ついつい手放すことを躊躇させてしまうのですよね。たしかにブックオフやそれ以前にまんだらけもありましたけど、絶対あるとは限りませんし、それより一度手放したマンガをもう一度買うのは貧乏性の私にとってはかなり抵抗があったので、「売ったら(よほどのことがなければ)もう読むことはない」くらいの意識がありました。

しかし、ある一時期からその心理的枷がだいぶなくなってきました。それは、マンガ喫茶が誕生した時期。つまり、昔は上記のように一度手放したら読めないと思っていたものが、マンガ喫茶誕生以後はもし仮にまた読みたくなってもマンガ喫茶に行けば読めるよな、って心理が働いて、売ってしまうということが出来るようになったのです。ついでにそのころから新古書店が急激に増加したので、100円棚に置かれるような本は別に売ってもいいかなあと。そのために、なんとか増加数に歯止めがかけられて、床が抜ける事態までにはならずに保管が出来ています。

しかし、こういう心理が働いている人はわりといるのではないでしょうか。すなわち、マンガ喫茶や新古書店が出来たから、そっちにありそうなマンガは売ってもまあ取り戻すことが出来るから、売ってしまおうというバックアップ的心理。つまりそれらが倉庫代わりになっているとも言えるわけです。特に長期にわたる作品などではその傾向が強いかも。

ちなみにわりかし売るのが早いのは大部数が出ている3大出版社系の作品、アニメ化された作品が多いです。これらはたいていのマンガ喫茶で入荷してそうですし、ブックオフでも売ってそうなので。ただ抜け番がある可能性は高いですが。

しかし、もう手に入りそうにないものや、マンガ喫茶でもあまり置かれていないもの、新古書店でも見つけるのが大変そうなものは、しっかり取ってあったりします(コミックビーム系とか)。あと当然何度も読み返すお気に入りはそのまま。旧版の『アフター0』なんかは高校時代からとってありますし。

しかし、それでもなお手放せないものも存在しています。それは前述の入手が難しい単行本や思い入れの強いマンガの他にもうひとつ、雑誌が。単行本化されない雑誌の掲載作ってわりとありますし。ちなみに『ハヤテのごとく!』も、しばらくの間はサンデーから切り抜いて取っていました。いつ1話みたいな未収録作品が出るとも限らないと思ったので(今はやってないですけど)。
ちなみにうちでは寄生獣連載中期から3年分くらいのアフタヌーンがまだ押し入れにあるのですが、あまりにも神な作品が多くて捨てられないといったジレンマが(しかもこの頃が一番分厚いんだよね。ほとんど電話帳だし)。

ま、本当はスペースがあれば売らずに取っておきたいのですけどね。CDとエンコードしたmp3かにも言えることですが、日本の場合売ることによる金銭より、スペースの問題がこういった中古市場に影響を及ぼしているのではないかなと。まあそれを解決するための電子マンガなんてのもありますけど、どうもマンガは本でないと、って感覚が根強いので、CDと同じにはいかなさそうです。

ちなみに、マンガに限らず新聞、雑誌の保管とかも減り、スクラップブックを作らなくなりましたね。これはネットを検索すれば、どこかにその情報があるからっていう心理が働いているから。これもまた、時代の変化により生まれたものという意味では同じかも。


だけど私同様、どっかから大金を手に入れたら、自宅の地下室を作って、スペースを気にせずに本をため込むのが夢。というか同じような夢を持っている人は多いと思うなあ。