『漫画賞』に思うこと

漫画賞といえば、新人の登竜門である賞が有名ですね。例えばジャンプの手塚賞、赤塚賞など。だけどもう1種類、新人を対象にしたものではない漫画の賞というものがいくつか存在します。それは「講談社漫画賞」や「小学館漫画賞」といった、いわゆるプロの雑誌掲載作品を対象としたもののです。ちなみにこの2つ以外にも「手塚治虫文化賞」「メディア芸術祭マンガ部門」などいくつかの賞があります。

さて、しかしこれらは正直それほど注目されていません。ただ、受賞したら単行本の帯に「○○賞受賞!」と書かれるくらいです。しかし、それが売りになるかといえば、多少は目立ちますがそれほどではないと思います。ですので、これら漫画の賞というのはどちらかというと、「素晴らしい作品を描いたからその作品に」与えられるものというよりは、素晴らしい作品を描いたからその作者に与えられるもののような気がします。言ってしまえば功労賞みたいなものというか。それは特に小学館漫画賞と講談社漫画賞に顕著で、ふたつともそれら系列の出版社が受賞することが多いことからも言えます(小学館の場合集英社や白泉社といったいわゆる一ツ橋グループ、講談社の場合は音羽グループ)。

まあそれ自体は別にそういうものとして構わないと思うのですが、こういった漫画の賞を見ていて思うことがひとつ。それは「なんで完結した作品ではなくて、連載中の作品を対象にするのか」ということです。
ちょっと調べてみましたが、どちらの賞も9割は現在連載している作品が受賞対象になっています。


まあたしかに「作家への功労賞」という側面を考えれば、それは不思議ではないかもしれません。しかし、これってやっぱり連載が終了していない=未完成の作品に賞を与えているわけですよね。これは他の分野、たとえば小説や映画などには見られない現象です。なぜなら、小説や映画はほぼ「完結した作品のみに与えられている」のですから。

これは賞の性質による違いというよりも、それぞのれジャンルの性質の違いによるものですね。映画はその対象となる1作品はほぼ2時間という単位で完結してますし、小説も1冊(1話)という単位で完結してます。


しかしながら漫画の場合、読み切り型や短期集中連載ではない限り、たいていは単行本が複数巻にまたがっています。そして話題が盛り上がっているときは連載の最中であります。しかしながらそれはまた「作品の途中」とも言えるわけです。

かといって完結まで待っていたら、漫画連載の構造上多くの場合は人気が落ちてきた時です。たとえそれが全体を通してすばらしかったとしても、終わったことには話題は収束に向かいます。
あと、無理矢理連載を伸ばされて、良かった作品が全体を通すと駄作化したなんてこともよくありますよね。


こんなわけで、途中で評価を下してしまう漫画の賞というのは、ちょっと特殊だなと思ったわけです。
まあ、漫画の性質上うまく成り立っているものだと思うので既存の漫画賞を否定するつもりはありませんが、完全に完結した作品のみを対象とする賞があっても面白いと思いませんか?まあ、セールスにはまったく結びつかないとは思いますが、文化的には意義がありそうです。



そういえばこの前「酔拳の王 だんげの方」さんでやっていた「2007漫画ナツ100」に私も参加しましたが、あんな感じの投票方式で毎年「今年一年間に連載が終了した作品を対象とした(読み切りも可)作品だけの投票」とかすると、面白いかもなと思います。誰かやりません?<他力本願


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■追記
このエントリーの完結作品投票の点を、「酔拳の王 だんげの方」さんにコメントをいただきました。ありがとうございます。(ここ
たしかに、ブログとかサイトでうまく連係してそういった投票システムが作れればいいかなとか思うのですけどね。やっぱり問題は作業する人員、そして人数が膨大になったときのチェック機能ですね。あ、でも完結作品なら漫画マツみたいに膨大じゃなくて作品数が決まっているので、番号による投票でもいいのかも。