空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

政治の場におけるヤジにはマイナスしかないのではないか

 私の親族などで集まりがあり、ちょっと酒が入った時の状態の時、テレビの話が出てくることがよくありますが、その時に70代の父がよく話すことがあります。それは「子どもに一番見せたくない番組」のこと。さて、なんだと思いますか?

 

答えは「国会中継」。何故かというと「誰かが話している時、あんな大人が下品にヤジを飛ばしているようなところを子どもに見せると、学級崩壊のお手本になるから」というのだそう。これにはなるほどと思わされます。しかもお笑いでもなく、国で偉いとされている政治家がやっていることですし、たしかにあれが国の最高の立法機関であるとして子どもに見せるのは、なんだかなあと思うような言葉が飛び交うこともありますね。中継だと発言する人の音声だけ拾っていますが、議場ではもっとアレな状態になっている可能性もあります。

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集団的自衛権容認は自衛隊の人手不足に拍車をかけるか

 このところよく騒がれているのが、労働者の人員不足。とりわけ代表的な例として、すき家とワタミが採りあげられることが多いです。 

www.nikkei.com

ただ、これはすき家やワタミのような飲食業に限ったことではなく、他の業界でも人材不足が問題として深刻と言われることが多くなってきているようです。

たとえば物流(主にドライバー人員)。

diamond.jp

たとえば建設人員。

biz-journal.jp

たとえばパイロット。

diamond.jp

 たとえば介護人員。まあこれに関しては不景気の時から一貫してそうですが。

www.yomidr.yomiuri.co.jp

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政治マンガ『サンクチュアリ』を今読むと興味深い

こんなニュースがありました。

■衆院選出馬要請に東国原知事「自民総裁候補にするなら」 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(※2012/12/3 リンク切れ確認)

なんかこれについてなんかいろいろ各方面で報道されたりまともに答えている政治家とかおりますが、普通に考えて冗談交えての断りだよねと(まあ政治家は聞かれて「冗談だろ」っていうのは本気だった時に微妙になるか)。まあそれが大々的にニュースになるあたり、ワイドショー的な気がしたりしています。ちなみに「宮崎を首都にするなら」くらい現実離れしていれば、ちゃんとした断りになったのではないかと(こう書いて万が一東国原知事が本気だったら、オイラ政治家目指しちゃうよ)。

さて、これを見て思い出したマンガがありました。それは史村翔&池上遼一のマンガ(劇画と言った方がいいかもしれないけど)『サンクチュアリ』。

 

サンクチュアリ (1) (小学館文庫) サンクチュアリ (1) (小学館文庫)

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選挙の集票活動はマイナス効果広告にもなり得るのではないかと思う話

以前、『マイナス効果広告』についてのエントリーを書きました。

『マイナス効果広告』は存在するのかしないのか - 空気を読まない中杜カズサ

実はこれ、もうひとつマイナス効果広告、つまり広告をすることでかえってマイナスになるものがあるのではないかという例が出てきたのですが、その時には書きませんでした。ではそれは何かというと、おそらくもうすぐ非常に大量になされるであろうものです。いや、もうなされているかもしれませんが。それは『選挙』の広告。すなわち集票活動。

選挙前になると、今までにはほとんどなかった政治家の選挙区民に対する活動、すなわち集票活動が始まります。これはほぼ全ての政党において、形はいろいろあれどその行動がなされますよね。主なものとしては、公示直前までのポスターや選挙カー、挨拶回り、支持者の戸別訪問(公職選挙法に抵触しないように)、電話でのアピールなど。これはおそらくはだいぶ昔から行われていることが続いているのだと思えます。

しかし、今まで経験はないでしょうか。静かに生活しているところに「○○を宜しくお願いします」と大音量の選挙カーが来たり電話がかかってきたりして、迷惑に思ったこと。そしてその時に「ありがたい」と思わず「(この忙しいのに)迷惑」と思う人はいるのではないでしょうか。そして、そう思った人に対して、投票をするでしょうか。

これは前から不思議に思っていました。何故苦労をしてまで不快な思いをさせて、自分の得票をマイナスにする行為を行っているのかと。で、それの理由がこの前書いたことなのですよね。つまり、何はともあれ名前を覚えてもらわないと始まらないので、そのリスクを背負ってでもそうすると。つまりここでは「嫌われる」というデメリットよりも「名前を覚えてもらう」というメリットを上に見ていると言えるでしょう。


さて、これがメリットになるかデメリットになるかは正直わかりません。ただ、一昔前ならともかく、現代の、特に各首長選や国会議員選挙では、時代遅れの方法になっているようにも思えるのです。


まず昔はこういった騒ぎが起きること自体が珍しかったために、多少うるさくても許容範囲内だったかもしれません。また、訪問も好意的に受け取る人が今よりは多かったと思います。しかしながら、現代では騒音は許容できず、訪問や電話もその目的がしっかりとわかってしまったためにウザイと思うようになった人が多くなってしまったのではないかとも思えるのです。これは選挙前のポスターも同じで、多くの広告の中にそういうものが貼ってあると、逆に景観を損ねると思っている人もいるのではないかと。特にこの手のポスターって、わりと剥がし残しがありますしね。

それでもたしかに地方議会議員や都道府県議会議員選挙のように、多数から選んで、その票の上から当選みたいな方式ならば、対象となる立候補者は多くて、全員の名前を覚えきることが難しいものではどんな形でも知られる必要があるわけで、嫌われるリスクがあるとしても名前を連呼してまず覚えさせることは効果があるかもしれません。これは昔の選挙制度、すなわち中選挙区制でも同じようなものだったと思えます。前回の参院選もまあギリギリそうだったとしましょう。しかし、各首長選挙や現在の衆議院選挙、いわゆる小選挙区制では、まずその選挙区における候補者の数というのはそんな多くありません。だいたいが定数1に対して泡沫候補も含めて2〜6人くらいでしょう。となると、選挙に行く意思のある人は、たいていその名前を覚えていると考えてもよいのではないでしょうか。
そうなると「名前を覚えてもらうためにひたすらアピールする」というメリットは薄くなると思えるのです。つまりここでは「覚えてもらう」はとっくにクリアされているので、「好かれる」、そして「嫌われない」ほうが重要ではないかと。こうなると、前述のように嫌われる可能性がある行動は逆効果ではないかと思えるのです。地方はどうかわかりませんが、人の結びつきが弱めの都市部ではその傾向が強いと思われます。


こう考えると、選挙での集票活動というのはかなり時代遅れではないかとも思えるのですよね。まあ同じようなことを30年くらい続けているのだから、当然と言えば当然かもしれませんが。

しかし、それはおそらく選挙活動をする側にもある程度わかっていると思えます。しかしそれでもそのようなことが行われているのは、おそらく選挙においてのアピール方法が限られているからではないかと思えるのです。たとえば広告ならば最近はネットがよく使われますが、選挙でネットを使うことは公職選挙法によりアウト、もしくはグレーとなっている部分が多いように思えます。故に今までの堅実な手段を使うしかないと。

しかし、ネット上での活動なんてそれをしているかどうかがかなり曖昧なのですよね。例えば自分のサイトの宣伝などはダメでも、匿名でクチコミのようにあちこちのところに「○○はいいよ」という工作行為を行うこと、つまり自作自演は出来てしまうのですし(まあ本当にそれが効果があるかはわかりませんが)。
おそらく、現在の選挙はこの矛盾を抱えていると思うので、ネットにおける選挙活動についてもうちょっといろいろ整えないと(というか現状に則せば定義を明確にして緩くする方向かな)いけないような気がします。


まあ何を況んやと言うと、今度の選挙はどの政党もやかましく訪問とか電話とかしてこないでくださいねと思ったりするのです。結局のところ、誰がいいかは人の意見ではなく、自分で調べて自分で考え、それで答えを出すべきだと思っていますので。

どの政党であろうとも公約に掲げたら支持率が上がるだろうと思われる法案

このようなエントリーが。

「絶対おかしいもん、この国会」〜娘よ残念ながら君はたぶん正しい - 木走日記(情報元:TBN -Today's Best News-さん)

娘さんの見識にも感心しましたが、一番感心したのは大人に言われたことをそのまま(たとえ疑問に思っても)飲み込まず、ちゃんとそれを納得を得るために疑問を発言しているところと、そうできる木走さんのご家庭の環境かなと。


さて、小学生にも疑問に思われている国会ですが、このような審議拒否などに対して私も以前から思っていることがあります。おそらくこのことは、多くの国民も思っていることでしょう。しかし、それを逆に解消すれば、その解消した政治家なり政党の評価が上がるであろうもの。だけど、私の知る限りその動きがないもの。しかし今は選挙前の大事な時期であり、各政党としては少しでも支持を増やしたいでしょうから、その方法を書いてみようと思います。

簡単です。「国会議員が会議、審議など原則的に参加が義務となっているものに欠席した場合、その分の議員給与をカットする」という法案。つまり簡単に言うと、欠席した分の給与は払わないということ(日給換算でもいいですね)これを通す、もしくは公約にかかげればいいと。

現在、原則として国会議員給与はどんなに欠席しようと、満額が支払われます。それに対して公務員、そしてもちろん会社員はその休みが有給休暇などの認められたものでなかった場合はその分の給与が差し引かれます。はい、つまりそれを一般公務員と同じにするだけ。

しかしこれの効果は大きいです。まず、こうすることにより「休んでも給料もらえる」という国民の不満を解消でき、発案した人は政治に真面目に取り組んでいるとみなされるようになる可能性は高いです。さらに先述のような審議拒否においても、「給料を削ってやっている」というちょっとした言い分にはなり得るかもしれません。

実際、下のリンクあたりを見て見ると、この欠勤に対しての給与支給に対してよい印象をもっている人はいない感じですし。

■参考:なぜ国会議員は欠勤しても給料がもらえる? - BIGLOBEなんでも相談室

つか、この減額がされないというものに対しては、国会議員の不逮捕特権(公的権力から議員を守るため)みたいな何か制度上、法律上の強い理由でもあるのでしょうか? その言い分が納得できるならともかく、今では政治家(個人、政党を問わず全体の)不信の原因のひとつになっていることは否定できません。

そういうわけで、何党でもいいのでこの「欠席分の給与を支給しない」法案を公約にすれば、少なくとも支持率が下がることはないとは思うのですよね(まあ特段の理由のあるものは給与を認めてもいいでしょうが)。少なくとも現状では定義が怪しくかなり問題視されている児童ポルノ法案とかよりは。

■参考:特集/ 同人用語の基礎知識/ それって本当に、子供を守るための規制ですか?

といいうわけで、選挙前にどっかの政党がマニフェストに入れるくらいしてくれないかなあと思ったりするわけです。そして(できれば全会一致で)可決すれば、少しは審議が尽くされるようになるのではないかなとか思ったりするわけですが。


ちなみに、今日のタグに「ネタ」が入っているのは、ちょっとした皮肉です。

■参考:国会議員の給料


◆追記
ちなみに、欠席分だけを引けば国会議員給与はそのままでいいかというと、それはまた別問題だと思います。まずは労働してない(と最低でも国民から見える)分を引いたらどうかと。

ゲーム・アニメ規制のものがなされた「請願」についてなるべくわかりやすく書いてみる

最近盛り上がったニュース。

ねとらぼ:「エロゲーは危険な社会を作り出す凶器」――規制を求める請願、衆議院に - ITmedia News

さて、ここで「請願ってなんぞや?」と思った人はいるのではないかと。いや、正確には「衆議院」という単語も出てきた上、政治家の名前も出たことから、国が関わるかなり重大なことに見え、ことによると今、国会で審議されている児童ポルノ法問題と同一化してしまった人もいるのではないかと。しかし、それらは異なるものです。では、請願とは何なのかというのをちょっとまとめてみましょう。知っている人からしたらつまらない内容だとは思いますが、ご了承ください。あと荒い上に細かいところで間違いがあるかもしれませんので、興味を持ったら自分でしらべていただいたほうがいいかも。

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