コミケで巡回する時に欠かせないのがカタログとマップ。昔はそれこそ分厚い冊子のカタログを持ち歩き、白地図に目当てのサークルを記入して巡回したものです。しかしそのうちCD、そしてDVDのカタログが発売され、データをPCで編集出来るようになり、必要なものだけをプリントアウト出来るようになりました。さらにここ近年ではWebカタログサービスが始まり、さらにアプリも提供されてそのデータをPCのみならずスマートフォンでも使えるようになりました。
しかし、このスマホでコミケカタログを利用するという方法、自分の過去の経験から実はいろいろと複雑だったりします。特にアプリを利用する場合、いろいろぶつかるところが多いのです。そこで本日は過去の自分の経験も含め、コミケカタログのスマホ利用でどのようなアプリやその他の方法があるか、そして問題点は何かということについて書いてゆきます。
ちなみに自分はiPhone持ちでそちらをメインに使ってきたので、Android等についても軽く触れますがiOSが軸となります。ご了承ください。
大前提
スマホ対応のコミケカタログアプリは複数ありますが、そのままではデータが入っていません。これは公式のコミケカタログアプリでも同じです。故にそこにその会(今回はC90)のデータを入れる必要があるのですが、それにはWebカタログの有料プラン(ゴールド会員)に加入する必要があります(ただし例外的に公式アプリに関しては、DVDカタログからのデータをインポートすることが可能です。アクティベーションあり)。つまりアプリ代金(有料の場合)のほかに、Webカタログの月額利用料が必要になるのでご注意下さい。
■コミケWebカタログをもっと使いこなそう! | コミケWebカタログ有料会員のご案内
そこから各アプリにデータのダウンロードを行い、閲覧する形となります。主には設定項目から、Webカタログからのインポートを選択して、10分程度待つ感じ。膨大なカタログのデータを最低限でも入れるわけでそこそこの容量(1GB近くになることも)にはなりますので、空きのない人は注意。
ダウンロードしなくてもWebブラウザで見られなくはないですが、当日現場での通信状況では満足な閲覧は無理と思ってください。
コミケカタログアプリ
公式と言えるアプリ。iOS版とAndroid版が存在。ただ、リリースされて何回か経てはいるのですが、ユーザーの反応はあまりよいものではなく、使っている最中で落ちるなどの報告が多いです。あと、下部に広告が強制的に入るので、そこが現場ではかなり煩わしいと思うかもしれません(むしろ現場で使うのを考えると、通信伴うのは会場電波にとってもよろしくないような)。もし有料無料問わず正規の手段で広告消す方法があったら教えてください。個人的には現場でブラウザで使うよりはいいですが、他のアプリがある現状では他のものにするなあというところです。ただ、毎回バージョンアップされているので改善されているかもしれませんが。
前述のようにこれだけがDVDカタロムからインポートしたデータを使えます。
■コミケアプリ - Google Play の Android アプリ
lawOfCircles
iOS版とAndroid版が存在。私はiOS版で使っているのでそちらでの体験から書きます。
アプリ代金は無料な上、毎年イベント前には更新されているので、自分としてはこれは一番信用出来、メインで使っています。
機能もチェックリストからマップ、メモ、そして巡回済マークと一通り揃っています。強いのはチェックリストをいちいちCSV変換してファイルにしてから読み込ませなくても直接Webカタログからインポート出来ること。ただしそのインポートだと、そのままでは起動がオフにナル毎に消えてしまうようなので、その都度別途保存するかインポートし直し(つまり記録するにはエクスポートとインポートの繰り返し)が必要なようです(アプリの側でチェックやメモしたものは残る模様)。
■LawOfCircles - Google Play の Android アプリ
Comic Tribes
Android、iOS。こちらには通常とProのふたつがあり、通常版は無料ですがその都度その会対応のデータを利用するためのアプリ内課金が必要となります。Proは定額(自分はこっちを利用)。
こちらも有料だけあり一通りの機能が揃っています。チェックリストはCSVをローカルもしくはDropbox内に置いて置いてからの読み込みが出来ます。唯一難点を言えば、チェックリストで任意のソートが出来ない(と思われる)ことでしょうか。ただそれでもかなり充実しています。
■ComicTribes for iPhone/Android
■ComicTribes コミケカタログビューワを App Store で
■ComicTribes: コミケカタログブラウザ - Google Play の Android アプリ
CC-Viewer
Android版とWindowsMobile版が存在。Androidの代表的なコミケカタログアプリだったのですが、作者の方が昨年他界され、現在メンテナンスを他の方が引き継がれております。C90ではインポート成功して使えるようです。
一通りの必要な機能は揃っていて、ユーザーからのフィードバックも反映されていたのでかなり使いやすいものです。Androidユーザーにとっては有力な候補のひとつになるでしょう。
※2017/9/24追記 自分は現在、会場ではこれを7インチタブレット端末Nexus7で利用するのがメインになっています。iPhoneばかりだとバッテリーを食いすぎるので使い分けと、タブレットサイズだと大きさ的に見やすいので。
■CC-Viewer : コミケ カタログ ブラウザ - Google Play の Android アプリ
コミマップ
iOS&Android用。こちらはあくまで白地図のようなもので、CDカタログやWeb加入は不要。当然サークル名などをここから検索することはできませんが、こちらから入力したものをマップ上に表示させるという機能があります。ほかの情報でサークルの場所がわかっており、そこだけに行く場合はこれを地図として使うというのも手です。
■コミマップ - Google Play の Android アプリ
その他
ほかにも色々なアプリがあります。スマホに限らずタブレットやPC、Mac対応なども存在。ただ、個人開発のものが多いせいか、長期間更新されずに事実上使用が出来ない状態になっていたりするものも多数あります。ただ、今後更新することもあるので注目しておいてよいでしょう。
■コミケWebカタログ対応アプリ ※ここの下部に連携アプリ紹介あり
懸念されることとそれへの対策
Webカタログはブラウザ閲覧も出来るけど、当日、現場の大混雑する通信状況では満足な閲覧は保証出来ません。故にアプリへデータをダウンロードしての利用が必須なのですが、それでも懸念される事項があります。
まずひとつはバッテリー。常にアプリを利用しているとどうしてもバッテリーの消耗が激しくなり、いざという時に使えなくなる可能性があります。他のアプリを利用しているなら尚更。さらに夏は熱暴走が激しく、機種によってはスマホが使えなくなる危険性もあります。ですのでそれらの対策も必要となります。バッテリーについてはモバイルバッテリー、機種については熱暴走がしないような管理など。ただしくれぐれも出本が怪しい粗悪品を選ばないように。
あと、特に今回重要なのが歩きスマホによる危険性。コミケ会場は非常に混雑しているので、細かい操作をするために見ながら移動すると事故の可能性が高まります。閲覧の際は「立ち止まってもいい場所で(つまり立ち止まりが禁止されている場所での閲覧はNG。座り込みは論外)」見ることにしましょう。(ちなみにポケモンGOも当然歩きながら見るのは危険なのでやめましょう。でも秋葉原で混雑して消滅するならあの会場で出ようがない気がしますが)。
しかしバッテリー切れや熱暴走による故障は不意に訪れてしまう可能性はあります。そうなった時の為に予防策としてとれるものがひとつ。それは「家からマップを紙にプリントアウトしてゆく」というもの(Webカタログでも有料会員だと可能)。つまりスマホやタブレットのデータとしてではなく、昔ながらの紙の地図を持って行くという感じですね。そうすれば万が一スマホなどが使えなくなった場合もマップがなくて動けなくなる状態は防げるので、絶対に会場でマップを見られない状態は避けたいという人は、それを用意するのも手でしょう。
ともあれスマホのみではなく暑さ対策、水分対策はしっかりしていったほうがよいでしょう。結局は身体が一番大事なので。