空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

フリーライターが仕事相手と連絡がつかない時にわき起こる恐怖感

本日、ネットで騒ぎになっていたもの。

togetter.com

ゲームニュースサイトのインサイドにて、「ライターと連絡がとれなくなって、連絡可能な人を探している」という文章が出たのですが、その記事がゲームの宣伝規格用の偽の記事だったというもの。その後謝罪文が出ました。

www.inside-games.jp

ここで問題とされているのは、本当に起きていたら緊急事態だったというものが、PRなど創作とわかる表記なくさも本当の緊急告知のように出されてしまったことでしょう。お詫び訂正が出された後から読み直すとたしかに企画っぽい、不自然な箇所はあちこちにありますが、それは重大性の認識に押し流されてしまった感じです。

 

しかし「連絡がとれなくなった」というのは、それが一時的にせよ恒久的にせよライターに限らず仕事をしている人には一度や二度経験はあるのではないでしょうか。それはライターなどに対してだけではなく、逆にライターなどから企業や組織といった発注元への場合も。自分も相手と連絡がつかなくなったことがあります。その結果が何でもなかった場合、何かあった場合両方で。

その時、どういう心境になるのか。それは相手との信頼や状況などによって違い、相手の事情を汲み取ってそこまでは(あくまで全く、ではなく)問題視しないケースも多いです。しかし状況次第で最悪のケースを想定してします場合も存在します。それは大きく分けて2つで。

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逃げたかも(仕事放棄、倒産、夜逃げ)と思う

まずこれ。ライターなど発注先に連絡がとれなくなった場合は成果物を〆切までに作れずに逃亡したという、つまりは仕事放棄。当然ながらその影響は依頼元に直撃し、場合によっては発売延期や中止などになり発注側に多大な損失を与えます。言うまでもないですが、中止はもとより発売日を延期するのにもその分コストがかかり、それを防ぐためにヘルプを他に頼む場合にも余計コストがかかるので。

しかし逆の場合も存在します。つまり発注元と連絡がとれなくなる場合。自分はこのパターンはありませんが、仕事の発注元が全く連絡がつかなくなったと思ったら倒産してた、ということは聞きます。普通の倒産ならともかく、計画的な倒産の場合もあったり。一応債権者となり、その後手続きもあるわけですが、払われる金額、時間的にもかなり負担となり、大ダメージとなります。

ちなみに両者とも悪くなくても、仲介の人の連絡が途切れる場合も存在します。

 

身に何かあったかと思ってしまう

これはたいていの場合はライターなど発注先の場合でしょう。つまり病気や事故。

病気とか倒れて入院中ならまだいいほうですが(こっちは状況が状況だからヘルプもつきやすいし)、もし倒れてそのままの状態になっていたり、すでに手遅れだった場合もないとは言えません。特にフリーライターで一人暮らしで且つ自宅で作業を行っている人は、何かあってもそのことが伝わるのが遅い場合も多いです。それが最初の記事の内容に真実みを与えた側面があると思います(業界関係者だけかもしれないけど)。

 

そういう心理になる時

ただ、前述のように連絡が遅れたからといってもいつもこう思うわけではありません。マスターアップや校了前で相手が忙しいと推測出来る場合は「そうなんだな」と理解しますし、ある程度、こちらに影響がない程度の遅延はスルーするでしょう。

しかし、明らかに連絡を取らなければいけない状況で、相手の状況もわからない場合、且つ何度も送ったのに返信がない場合などは前述の不安も出て来ます。特に早く連絡くれないと明らかにその作業が時間的にまずくなる場合など、「大事な連絡放っていったい何してるんだ? まさか……」という予感が頭をよぎってしまうのです。

また、絶対逃げないような信頼のある関係であった場合でも、むしろそういう人から連絡こないのならと倒れたという可能性は考えてしまいます。

 

通信環境の発達で、連絡がつかないことの緊急性が上がっている

とはいえ経験上、実際は遅れたけど逃げも倒れもしてなかったケースが大半です。それは健康とか法事とかこっちが納得出来る理由かそうじゃないかはあるとしても。ただ、そうであっても悪い方の前例がある以上、そういう悪い方向に考えることもよくあるのです。

これは携帯電話もネットも普及し、相手と連絡がつかないということはあまりなくなっているというのも大きいでしょう。メールやLINEでは忙しい、迷惑メールフォルダに入っていたなどの理由で見てなかった場合もあり得ますが、ケータイ鳴らし続けてもずっと出ない場合は「何かあった?」と引っかかりますし。最低でもケータイ落したなど。故に繋がらないことの重大性認識も昔に比べて大きくなっているのかもしれません。

とにかく自分は仕事的にも健康的にも無事であるなら、その証のひとつとして仕事の返事は相手が不安に思わないように可能な限りスムーズに行いたいと思っております。