空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

ブロガーズ・ハイは終息に向かう

 

近頃、ブログを1日にいくつ更新したらいいという話題が流れることがあります。それも2つとか3つ以上。それについてはSEO目的だとか質の低下を招くなどと賛否あります。ただ、PVやSEO対策で無理にやっているのはなくて「書きたい」という気持ちであれば、あながちわからないでもないのです。というのはブログを始めた頃というのはそういう時期があり、私にもあったので。

 

 

ブロガーズ・ハイ

このブログの過去ログを見ればわかりますが、このブログを始めた2007年から2009年までは比較的更新の数が多く、特に2008年の数は272です。ただ、この頃は「1日ニアまり何度も更新するとスパムと判定される」という話があったので、1日1個に留めていましたが*1、もしそれがなかったら複数更新していた可能性もあるでしょう。実際、その衝動は当時頻繁に更新していたゲームミュージックなブログTimestepsにも表れていますし。つまり「ブロガーズ・ハイ」的な状況だったのだろうなと思います。

たぶんこれは自分だけではないでしょう。そしてかなり昔からあると思われます。古くはテキストサイト全盛の2000年前後。濃密な文章を毎日更新するサイトは多数ありましたし、Webコミックを毎日連載しているようなところも多くありました。それらをアンテナで巡回していた思い出。まだWWWC使っている人って、今どのくらいいるのかしら。

 

意欲は内的、外的要因で確実に減退する

ただ、意欲というのは大半の人は確実に減退します。特に思うような成果が得られなかった場合。多更新ではなくても、今まで3年以内に更新を止めたブログやサイトが非常に多いというのは以前にも書きました。

nakamorikzs.net

ここで書いたように色々な要因があります。飽きたりほかのことに興味を持ったからといった理由で更新意欲を失うなど。また、外部的な要因でそうならざるを得ない場合もあります。私の場合もそれで。2009年あたりから親の容態が悪くなってきて、要介護状態になってきたことが大きいです。もっとも当初はそんな合間でも出来る休息としてのブログ更新という効果もありましたが、2010年、2011年4月までは更新量の示す通りで、死去したあとも燃え尽き症候群的になって尾を引いてましたし。

仕事で時間がないなどの外的な要因もたしかにあるでしょうが、意欲があればたいていのことはどうにかしてしまうので、やはりブロガーズ・ハイが途切れてしまうことが大きいでしょう。

 

ハイな状態に依存して計画する危険

前にも書いたように私が「ブログを書くのはいいけどそこの収入に生活基盤を置くのは危険」と言っている理由のひとつはここにもあります。

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意欲がなくなった時に何かの依存がなければ容易くやめられますが、もし、生活費など金銭的な依存をしていた場合、イヤでも更新をしなければいけなくなるからです。しかし書きたくないのに書かなければいけない苦しみというのは、それこそ最悪の状態では白いワニが襲ってくるようなものです。だってやりたくない仕事をしているのと全く同じなのですから。

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人間、一番いい時の状態で計画しがち

しかしこれは別にブログに限ったことではなく、人間、一番いい時の状態で計画を立てることは非常に多いです。しかし、現実はそのハイな状態を保ち続けるということは多くの場合不可能で、以前計画したことが重荷となってのしかかるか、もしくは破綻します。それは調子にのって立派なスケジュール構築をしてしまった夏休みや受験での計画表の如く。もしくはシステム開発の工程表の如く。でも、これらだって計画している段階では「出来る」と本気で思っているケースが大半でしょう(システム開発の場合は無理と誰もが気づいているのに作られてしまい場合も多々ありそうですが)。

少し社会的な話に伸ばすと、今の社会計画で無駄遣いとか言われたりするものの多くには、この一番いい状態、つまり金銭的なものなら財政の一番いい状態「だった」高度成長期やバブル期的なものが頭の中にあり、それで計画しているケースもわりとあるのかなと思うことがよくあります。

 

すぐ公開せず煮詰める

つまり何を言いたいのかというと「無理して更新すんな、破綻すっから」ということ。もしそれだけ更新意欲があるなら、しばらく後、更新したくない時までとっておいて、それまで文章を煮詰めておいたほうがよいのではないかと思います。そうすれば質を高めることが出来るので。時事ものでなければ出来ることでしょう。たとえば間違いはないか確認したり、ソースとなる情報を一つでも多く付加するだけでも、質は格段に上がります。

短期的には出せばPVが増えますが、燃える藁のようにすぐその効果はなくなりますし、それならSEO対策の面でも質を高めるほうが長期的にいいのではないでしょうか。

 

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

 

 

*1:というか最近それなくなっちゃったの? スパム認定されない大手ならともかく、出始めの、それもそこそこ記事数が溜まった個人サイトがそれやっても危険あるし、スパム扱いはないにしても労力のわりにメリットが得られないと思うのだけど。