ただいま自分の持っているブログで、横井軍平さん関連のエントリーを書きまくっているので、ここでもそれについて。
まず、知らない方(特に10代や非ゲーマーの人とか)のために、横井軍平さんについて。横井軍平さんはファミコン以前からの任天堂に所属し、同社が京都の花札屋から世界に知られる大企業に躍進した功労者の一人であります。開発したものは「ウルトラハンド」「ラブテスター」といった玩具から、有名な「ゲーム&ウォッチ」「ゲームボーイ」などのゲームハード、それにソフトでも「ドンキーコング」や「バルーンファイト」、「Dr.マリオ」など多数の開発にかかわった方で、マリオの生みの親であり、世界的に有名な宮本茂氏の師匠でもある存在です。
それで、横井さんの開発したものをよーく見ていると、マンガなどで似たようなものがわりと出てくるのですよね。もちろん当時のおもちゃがマンガに登場するのは自然なことですが。しかし横井さんの開発したもので一番目立っているのは、『ドラえもん』ではないでしょうか。なぜならそのまま似たものが作品に出てくるだけではなく、それを応用したと思われるひみつ道具まであるからです。ちょっと挙げてみましょう。
本物電子ゲーム……(てんとう虫コミックス27巻)
これが一番有名かな。のび太が手に入れた電子ゲームをジャイアンがとりあげて、それの仕返しのために実際の人間、つまりジャイアンをゲームキャラクターとして操ることのゲームで遊ぶという話。原作版のキャラは忍者とサムライ(つか『メイドインワリオ』に忍者が避けるゲームってあったな)。当時はゲーム&ウォッチが大ブームでしたので、そのままこの影響を受けていることは間違いないでしょう。
ウエスタンゲーム……『ガンファイターのび太』(てんとう虫コミックス24巻)
のび太の射撃の腕前はあやとりと並んでかなりのものであるというのはドラえもんでもよく描かれますが、ふとしたことでアメリカの開拓時代に実際に行ってしまい、ならず者を倒してそれが証明されてしまう話。で、この話の最初に、「ウエスタンゲーム」という未来のゲーム機で、パーフェクトを達成。断定は出来ませんが、当時「ワイルドガンマン」は既に発売されていたので、これの影響を受けた可能性は高いでしょう。
ノビールハンド……『ドラえもん のび太とアニマル惑星』
まあこれはちょっと強引ですが。つまり離れたところにあるものを取るというハンド。こっちは未来の道具らしく棒が実際に伸びます。
ちなみにこれはおぼろげな記憶しかないのですが、『ドラえもん大百科』か何かで登場したもので、ウルトラハンドそのものの感じのがあったような気がするのですが(公式ではないかも)。
■参考:ウルトラハンド - Wikipedia
■参考:ドラえもんの道具 (ぬ-の) - Wikipedia
横井作品はその時の子どもの「日常」だった
そのほかにも、ファミコンとおぼしきゲーム機をスネ夫が持っているとかのシーンが出てきたりします。今は思いつきませんが、そういうものを含めればもっとありそうですね。おそらくほかの藤子不二雄作品にもあるでしょう。
あと余談ですが、当時の小学●年生シリーズか学研の付録に、「ラブテスター」もどきがありました。これは機器ではなく、紙に温度を感知する紙がついていて、それが高いとラブ、みたいなものだったような。
もちろん藤子F先生が横井氏そのものを意識していたというよりは、これらのおもちゃやゲームがその当時の子供達に大人気だったので、それを見てドラえもんに取り入れたと考える方が自然でしょう(『チョロQ』もどきの『チョコQ』とかも出てきますしね)。しかし、横井さんがこれらを開発していなければ、こういったドラえもんの道具も生まれていなかった可能性があるわけですよね。そうすると間接的ではあるものの、横井さんはあのドラえもんにも影響を与えていたのではないかと。そういう意味で偉大な人であったと思います。