最近、またmixiでの犯罪告白→大炎上のパターンがありましたね。
■痛いニュース(ノ∀`):千葉の高校生、mixiでサイゼリヤピザの返金詐欺を自慢→2chで祭りに
■痛いニュース(ノ∀`):【mixi】 コミケ会場の駅でDQNカップルがキセル乗車→それを疑った駅員に罵声
これらを見て、犯罪行為とそれを堂々と告白することに怒りを覚える人は多いでしょうが、これはまた別の見方も出来て、この犯罪告白によって本来は暗数となっていた犯罪を1件、表に出したことになるのですよね。そうなると、むしろこの告白は(本人以外にとっては)よかったという可能性もあります(告白されて本人及び共犯の人以外に困る人がおらず、被害者などに迷惑がかからなかった場合ですが)。
しかし、毎回これらの告白について、不思議に思う人は私だけではないでしょう。何故わざわざ犯罪行為を告白するのか。もちろん顕示欲もあるでしょう。また、全くモラル意識がないと言えるかもしれません(つまりこれらを犯罪と認識、というか実感出来ない感じ)。しかし、これら告白する人の意識とそれを謎に思う人の間には、もうひとつ大きな差があるように思います。それは「ネットの広さ」の意識。
私の場合、というかそれなりにインターネットの知識がある人なら、どんなことを書き込んでも普通は世界の何処からでも見られるというのをわかっています。そして誰かに向かって公開している限りはそれを他の誰かに見られる可能性も十分存在するというのを理解しています。それはたとえクローズドなつもりのmixiやパス付の掲示板でも同じであるということも。しかし、それらの感覚は、必ずしもネットをする人全員が持ち合わせているものではないのかもしれません。いや、頭ではわかっているのかもしれませんが、それを実感できないでいるがために、つい身内レベルで話す犯罪告白を、世界中の人が見ることのできる場所に書き込んでしまうのではないかと。
たしかに、ブログでも普通の一日数ヒット日記の場合、大半は身内しか見ていないでしょう。しかしそれに慣れてくると脳内で「あらゆる場合でも身内しか見ない」という変換がなされて、そのつもりで公開、しかしそれを誰かが見て、あっという間に広がり、そして炎上というパターンなのではないでしょうか。つまり、一種のセキュリティ意識の欠如とも言えるのではないかと。
あと、「インターネットの向こう側には人がいる」ということの実感が薄いというのもあるかもしれません。というか私もこの意識が薄くなってしまいそうになることもありますし。1アクセスは、ここからは見えないけど、どこかで生活している人間1人が見に来たことによる1なんだよなあというのを、もっと認識しないといけないとは思うのですが*1。ちなみに私も人間です。肉眼で目にする、街で歩いている人と同じように。
つまり、これらの事件の根底には、そういった意識の薄さが露呈したものであるとも言えるのではないでしょうか。この意識、つまり「サーバにデータを置いている限り誰にでも見える可能性がある」という意識は、かなり実感が薄い人が多いと思われます。何も犯罪告白ではなくても、普段自分のサーバの誰も見ないような部分、例えばindex.htmlのルートから繋がらない部分に受け渡し用とかの重要なデータをノーパスワードで置いて、そして結果として情報漏洩させてしまうということにも関連するかもしれません。
そう考えるとやっぱりこれ、ネット経験や知識の差によるものという点もあるのでしょうか。あくまで雑感でしかないですが、こういった告白では学生など、ネットの経験があまりなさそうな人が多いように感じますし。ここ数年で、インターネットは爆発的に普及しました。そして昔はHTMLなど一定の知識がないと発信できなかった情報も、今ではたやすくそれが出来るようになりました。その安易化と普及のスピードが、そういった知識を身につけるのに間に合わなかったという可能性があるのではないかと。もちろん、ネット知識が浅い人でも、犯罪行為をする人はまれで、そしてそれを公開する人も希でしょう。しかし、母数が多くなってしまい、それをやってしまう人が出てきてしまったのではないかと。
でも、そう考えるとこれからインターネットに入る人ってのは、今までの人なら時代の経過に伴って経験で学べる時間があったものを、いきなりある程度成立した状態のところに放りこまれ、経験や学ぶ時間が無く何かに引っかかってしまう可能性(犯罪行為告白だけではなく、通報書き込みとか詐欺とか)があるわけですよね。そう考えると、ある意味子供達はかわいそうなのかもと思います。インターネットが全然普及していない、私の年代が小中学生の頃にも、たまに公的機関に悪戯電話をして、あとでこっぴどく怒られる等、そういうことをする子供はいたと思います。当時はたいていの場合、そこだけの影響で済みましたが、今では同じ子供も、家からインターネットという道具を使ってちょっとした悪戯のつもりで犯罪を予告してしまうと、ニュース沙汰の大騒ぎになってしまうのですから。私は基本的にインターネットの規制は反対ですが、たしかに子供には保護された空間で、インターネットを学ばせる、慣れさせる時間を作ってあげるというのも必要かもしれないとは思います(その「保護された空間」の逆、「有害なネット」の基準が曖昧なのがまた問題なのですが、その話は今日は割愛)。
■2ちゃんねるの管理人、西村博之が独占激白!「子どもにインターネットは必要ない!」 - シネマトゥデイ
ただ、ネット歴が長いからといって、その分知識やモラルがあるわけではないとは思います(もちろんその逆も)。大昔からネット上でも、似たようなものはあった気がしますし。つまりいつの時代でも人それぞれなんでしょうね。つか、そもそも公開して炎上するような犯罪を犯さなければいいだけなんですよね。
*1:ロボットかもしれないけど。検索エンジン的に。