空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

ハロウィンは何故日本で普及しなかったのか

なんか今月末はハロウィンだそうで。
ハロウィン - Wikipedia

町中ではそのセールをやっていますが、個人的にはどうでもいい感じです。というか、日本人にとっては、よほどお祭り好きな人以外はかなりどうでもいいのではないでしょうか。実際、ハロウィンがいつあるのか、と聞いたら「秋ぐらい」としか答えられない人がほとんどではないかと。

さて、何故日本ではクリスマスが普及しているのにもかかわらず、ハロウィンが普及しなかったのか。おそらく「そんな商業的陰謀に騙されないから」「宗教が違う」と言う人はいると思いますが、そうなるとクリスマスやバレンタインは何故盛り上がっているのか。これは輸入されたのが後発という以外にも、理由があると思います。これをちょっと考えてみたいと思います。

★季節が中途半端&行事過多
これは小堺一機がラジオで(たしかNHK第一)言っていたのですが、日本人にとっては、この時期の祭りは中途半端だと。言われてみればたしかに、夏祭り(8月)、秋祭り(9〜10月)が終わったあとにこれをもってこられても、騒ぐ余力がないですよね。ついでに七五三もありますし。まあデパート的には夏商戦からクリスマスまで空くのでしょうが、生活的にはもう祭りは十分だと。

★カボチャがもったいない
これも小堺一機のコメントから。日本では冬至にカボチャを食べるようにしてますが、ハロウィンで有名なジャックオーランタンはカボチャをくりぬいて使います。もったいないということでそれができないのではと。まあ、一理あるかなと。これはカボチャの食べ方の違い(日本だと皮ごと食うし)もあるのかも。

★お盆を連想させる
これも小堺一機。つまりハロウィンで出てくる「お化け」は日本ではお盆の幽霊みたいなものを連想してしまい、どちらかというと幻想的ではなくて、「死」に近いものをイメージさせるので馴染まないと。ああ、言われてみればそうかも。

★戸別訪問の文化がない
日本にハロウィンが伝わったのはかなり最近。しかしその頃にはもう個別に家を訪問してお菓子をねだるような文化にしては、近代地域社会の形として家のセキュリティ的にも、子供の安全的にも無理があったと。昔から根付いているアメリカ等ならよかったでしょうが、日本には急に輸入されてもその土台はないと。とはいえ、海外、特にアメリカでも最近このへんは問題になっているようです。

★金銭的都合
最初に述べた祭りとも重なりますが、ちょうどこの時期は夏ボーナスと冬ボーナスの中間点です。となると、財布の紐も固くなっている時期ではないかと。クリスマスはその点、冬のボーナス後という点で、盛り上がる要素はあると思います(そのほか、年末年始をまとめて祭りにしてしまっているというのもあると思いますが)

★そもそも中途半端
そもそも、持ち込まれた概念が中途半端なのですよね。なんというか宗教的概念や仮装をすっとばして、とりあえず菓子買ってパーティーしよう的な感じで。まあ、商業的要素が強い場合、そうなってしまいますからね。しかし、それだけのためにパーティー開くのもバブルのころならまだしも、今はなんだかなあ……という感じですし。
余談ですが、私の幼稚園はキリスト教系でしたが、ハロウィンを盛大にやった記憶はないです(当然クリスマスはやりましたが、賑やかというよりは厳か)。


そんな感じで、根付く要素はほとんど無かったのではないかと。それはたとえ景気が良くても。

つか、「○○の日」という戦略は、それこそ土曜丑の日から使われてい商業手段ではありますが、1年は365(366)日しかないので、もう飽和状態に達し、新しく入れることは不可能になっているのではないかと。つか、最近の記念日、何かを買わせるための宣伝目的が多いし。「孫の日」なんてのが昔提唱されていたけど、そこまでして年金を搾り取りたいかと。


しかし、こんな記念日の中で、有り続けているものがあります。それが「バレンタインデー」。アンケートだと、男女ともあまり歓迎していないのにこれが何故有り続けるのか。これ、心理学的に非常にうまく構成されているからだと考えますが、この話はまた後日。