空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

最近マクドナルドに感じる味と値段以外の不満

マクドナルドがまた実質値上げだそうです。

マクドナルド 8月20日より全国平均2.5%値上げへ

高くなるのはたしかに好ましいものではありません。しかし、最近マクドナルドに行くと、この値段以外に不満に感じる点があります。味? いえ、マクドナルドに行かない人ならともかく、そこに入る場合味は「マクドナルド的なもの」を予想していますから、プラスがない分マイナスもないと思います。よく言えば期待を裏切らない、悪く言えば味には期待してないという感じ。主な利点は場所と価格なのですし。それに村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』で、唐突にジャンクフードが食べたくなることがあるとかいう表現があった気がしますが(この時に行ったのはシェーキーズだったっけ)、別段ジャンクフィードが好きでなくてもそういったことがたまに起きるって人はけっこういるのでは?*1

では、味ではないとすると何か。ちょっと列記してみました。

■値段がわからない
最近、マクドナルドでは地方により値段を変動するという仕組みを採用しました。それによって実質値上げになったのですが、もっと困るのは、値段の予想がつかずに、店の中に入ってはじめて価格がわかること。現在、マクドナルドではオフィシャルでも価格を表示していません。しかし、ファーストフードの利点というのは「この店ならいくら」と、価格がだいたいわかることというのがあると思うのですよね。ただ、この場所によって値段が変わるのと、度重なる値段変動、それと後述するサービスの入れ替わりで、その予想がつきにくいものとなっているのです。しかも、マクドナルドの場合、店の外に普通の食い物屋のように価格を表示していないので、よけいわかりにくいのですよね。まあ、それが安い方なら客としては問題ないのですが、もし、一度わからずに行って、予想より高かった場合、あまりその店に対して良い印象は受けないでしょう。ある意味、ファーストフードの利点をなくしていると思います。


■サービスがわからない
マクドナルドでは、現在PCプリントアウトクーポンやケータイ登録でのサービスを行っています。それにより、かなり安くなる場合もあるのですが、今、どこで何が行われているか、よくわからないのですよね。
昔だったら、全国統一○○円とかだったので、そのためのアピールも大々的に行われていたのですが、現在は前述の通りサービスが多様化しているので、どこでなにをやっているのかを、こちらから積極的に調べないとわからない。しかし、それがないと同じものを頼んでも高めの料金を取られるわけで、あとで知ったとき、かなり不満に思います。
そして一番まずいのは、店舗に行ってもそこでどういうサービスが行われているかがよくわからないこと。例えば午後2時以降はスナックタイムといって、100円のものを2つ買えば150円になるものがありました。しかし、これが店舗によってはどこにも表示がなく、今、その店でやっているのかよくわからないのですよね。しかも後でやっていたのがわかったのですが、その前に二つを個別に注文したら、自動的にセットになるのではなく、しっかり200円とられました。
正直、こファーストフードの「わかりやすさ」という利点も現在の編成はなくしていると考えます。


■とにかく遅い
そして一番の問題は、処理能力が遅いこと。特に駅前の中規模な店舗では、その傾向が強いです。昼過ぎにちょっと寄ってみても何人も並んでいて、結局牛丼にしてしまうことも数知れず。おそらく大勢の人にとって、価格以外の不満点はここに集約されると思います。いや、うまいラーメン屋とかなら並ぶ価値は人によって違うでしょうが、さすがにマクドナルドで並ぶ気になる人はそんな多くないのではと。
さて、何故混むのか。作り置き式ではないから? いや、それは10年前からすでに注文してからの組みたてになってますし、そこまでの速さは求めていないと思います。それに、5年くらい前までは、その不満はあまり感じませんでした(砂時計をひっくり返して一定時間以内に注文サービスなんてのもあったなあ)。
これは何回か店員を見ていて思ったことがあります。まず、店員の動きが遅い。というか、手順がわかっていない感じであること。なんというか、見ていて新人が多いなあとわかります。さらに、その店員がサービス内容をわかっていないこと。特にID(電子マネー)の使い方で、戸惑って社員に質問しているバイトの姿は、何度か見ました。前述のスナックタイムと同じメニューをスルーされたってのは、もしかして本当にバイト自体わかっていなかったのかも。

あくまで客の立場として思うのですが、もしかして現場内でスキルが失われている? と思うのです。20年前は、マクドナルドはわりとポピュラーなバイトで、学生時代に管理クラスのバイトまで行った人間(マネージャートレイニーだったかな?)はよく聞きます。つまりそのくらい、長期でバイトをする人が多かったのではと。そしてそこでは、キヨスクのおばちゃんばりな現場スキルが身についていたのではないかと思います。しかしながら、最近の店長の管理職裁判を見るに、かなり人の集まりが悪くなっているようです。それは、人件費と落としたので、時給を下げざるを得ず、しかし人が集まらず(同じ時給の場合、肉体労働でもあり接客業でもあるファーストフードは、若い世代から敬遠されるとのこと)、その分のしわ寄せが店長に来て、過剰な残業をするというスパイラル。やっと集まったバイトも、教育する余裕もないし、すぐにやめて行ってしまうケースも多いでしょう。故に、スキルが身につかないと。しかしながら、こういったスキルの不足は、待ち時間の長期化という形で、確実に集客に影響しているのではないでしょうか。実際、私は混みがちな昼食時、夕食時には行きませんし、それ以外の時間でも外から見て並んでいる時には敬遠します(まあこれはもちろんほかのファーストフードでも同じですけどね)。あとこれは余談ですが、今の店員に「スマイル下さい」って言ったら、睨まれそうな気がする……偏見?


あと、一部地域では深夜時間帯に100円コーヒーでそのままたむろするホームレスな人がいるとかで、治安面で不安に思っている人もいるそうです。もっともこれは最近、あまり長時間いるときには退席の催促をするようですが(だけどそれが嫌でやめるバイトとかもいそうだなあ)。


とにかく、時間のロスというのは大きいと思います。だってファーストフードはその名の通り、短時間ですむ&安価なところが大きな利点なのですから、そこに時間をかけては価格が高騰している昨今、利点をなくしてしまうことになるのではないでしょうか。それを打開するには、Amazonの配送センターばりに1分1秒単位で人を動かすように制度を整えるか(それによってますます人がいなくなるかもしれませんが)、昔のように、長期的なスキルを持った労働者を育成することではないかと。……いや、マクドナルドのことだから、ハンバーガーオートメーション製造機くらいは作ってくるのかもしれませんが。

*1:でも、昔比べてポテトに長いのが少なくなって、やけに短いものになっているような気はするけど。