毎日新聞の海外サイトでの問題がなんか盛り上がっています。
■「日本の母親、息子の勉強前に性処理」「日本の女子高生、食物でセックス依存症に」…毎日新聞、“変態ニュース”を5年に渡り世界発信→批判受け削除
■毎日新聞、「小額で日本の少女を買春する方法」を紹介。海外大手サイトに掲載
これについては、ストレートなことから、視点を変えてみたことまでいろいろ思ったこと、考えたことがあるのですが、そのうちのひとつとして、日本のネット世界における外部情報発信力の弱さというのがあります。つまり、これだけのネット世界になっても、日本が正しい情報を海外に対して発信する力がほどんどなく、故に少数のそれができる存在であった毎日新聞のサイトがあのような情報を発信しても、他にそれを確認する情報がない故に信じてしまうということ。
もちろんこれは、ネットに始まったことではありません。昔から日本はこの手の、自分の国のことを海外に発信する力が足りないということはよく言われてきました。それの大きな原因は、日本語という言語にあるでしょう。まあこの日本語の独自性というのはメリットも多数あるのですが、やはりこういったようなデメリットも存在してしまいます。
ただ、ネットの普及前だと、それでも情報を発信できる量自体が限られており、伝えられる人も少なかったため問題も極小規模な範囲に収まったことでしょう。しかし、ネットというのは大規模な情報を広範囲に流すことが出来るものです。しかし、言語という壁がある以上、それを翻訳できる腕がある人しか発信手段を持ちません(いや、能動的に翻訳してまで見たいと思う日本語サイトなら話は別ですが、それはかなり狭い範囲かと)。故に、その腕を持つサイトが、寡占的になってしまい、例えこのような間違った情報を発信しても、他に訂正する人がない以上自由になってしまうという感じ。今回の件も、仮に1〜2回出ただけだったら、ここまで大きくはならなかったでしょう。しかし、見つけられず、とがめられもせずに繰り返され、大きくなってしまったせいで、ここまでの騒ぎになっている面があると思います。
つまり、日本のことを外部に発信できる存在(サイト)が不足していることを、今回の件によって思い知らされてしまったところがあると思うのです。特に個人サイトは、日本国内でかなりアクセスがあるところでも、外国からのアクセスをほとんど期待できませんよね。でもこれも前述のように日本語なのに能動的に見にくる人は限られ、且つ海外を意識しているサイトも殆どないので当然と言えます。理由としては、個人が海外に発信してもアクセス数はそれほど期待できないし、ましてや英語に面倒というのはあるでしょう。あと、スパムと分けるのが難しいというのもあるでしょうね(国内だけなら、日本以外のアクセスを閉じればいいだけだし)。私の運営しているところだって、そんなのほとんど意識したことありませんしね。せいぜい翻訳用プラグインを入れたくらいかな?。反面、今回はページランク5の海外サイトで広まったという点もあり、そちらが英語圏に対して力を持っているというのがわかります。まあ当然、そっちは日本語圏には力はないでしょうが、今回はその分断が問題になっていると。ただ、同時に言えば、日本の影響力のあるサイトで海外のことが誤って報じられているケースもなきにしもあらずというところですが。まあでも、さすがにソースが大手新聞とゴシップ系雑誌とかではその印象に差があるでしょう。
でも、今回の件で、そういった海外に出力するものも必要ではないか、と思うようになりました。本当はそれを専門にやってくれる孫ニュースサイトなり、テキストブログなりがあれば一番いいのですが、よほど英語に堪能な人でない限り、それは難しいでしょう。ましてやアクセスが未知数ですし(個人的にはもしそれでアフィリエイトとかで稼げるのだったら、それはそれでいいと思いますけどね)。そこで、個人でやれることとを考えて見ると、翻訳用プラグインを置くということでしょうか。つまり、翻訳サービスを使って、ページ内を翻訳するというもの。WordPressやMovableTypeにはそういうのがありますし、FC2でも共有プラグインでそれが存在します。もっとも精度はそれなりでしょうが、まあそれでも若干、私たちが海外のサイトを翻訳してたまに読むことがあるくらいの確率で、海外の人が読んでくれる率は上がるのではないかと。
あとは、別に誰かが運営するのではなくて、ブログの共同編集機能を使って、スラッシュドットライクに、日本のネットの状況を海外発信するサイトとかあると面白いかもしれませんね。
しかし、今回の件については、海外で今、日本のネットでの反響とか伝わっているのかなとか知りたいけどどこで入手していいのかわからない情報ってのがあります。海外の話題を日本語で伝える入力的サイトはそれなりにあるので(GIGAZINEさんとか)、そういったところが情報を拾ってくれないかなあと思います。というか、そういったサイトが海外への正確な情報の発信も兼ねてくれると面白いかもと思うのですけどね。