空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

検索エンジンの質の低下はなるべくしてなったのではないかという話

私は文字を打っている時によく検索をします。で、多くの人と同じようにGoogleを使っているのですが、最近昔と比べて検索結果で不満に思うことが多々あります(もしかしたら昔からだったかもしれませんが)。具体的には以下のようなもの。

★Wikipediaやはてなキーワードが序盤にくることが多い
Wikipedia自体は別に嫌いではなく、私もよく使います。しかし、検索結果としては求めていない場合が多いです。というのはWikipediaに書いてあるような情報を使うときは最初からWikipediaとかで調べますし。はてなキーワードも同じく。まあこっちは下のキーワードを使ったブログリストがたまに役にたちますが(あるものに対しての感想とかね)。

★商品販売ページが上に来ることが多い
特に発売前及び新作のゲームソフトの名前で検索した時に起こるのですが、上位のほとんどがそれを売っているショップということがあるのです。Amazonとかは筆頭にくることがわりとありますし。作品の感想や攻略を知りたい時は第2キーワードに「感想」なり「攻略」なり入れればいいのですが、それ以外のキーワードは定まっていないけど幅広い情報を手に入れたい時には不便なことがあります。

あと広告を出稿しているほうが検索順位が高くなるという話をよく聞きますが、これはもともと高かったのか証明できないので保留。

とにかく目的の情報以外の「検索ノイズ」がよく現れ、一番欲しい情報が載っていたサイトは2ページ目以降ということもあります。

たしかにこのようなノイズは詳細検索や第2検索後で指定すれば排除できます。ただ、前者は実際にやるとめんどくさく、後者は本来必要な情報でも取り逃してしまう可能性があります。例えばプログラムの「スパゲティソース」を調べたくても、食べ物のほうが前に出てくるので「プログラム」という単語を付加した時、それなりの結果は出てきますが、もし文中に「プログラム」という単語を使っていないサイトでこのことに触れているんじゃないか? なんてことを思ったりもするわけです。(特に専門的なサイトは、当たり前の語句を省略している場合もあるので)。ま、それよりもここの2番目の語句を考えるのがめんどいです。*1

ともかく根本的問題は「本当に欲しい情報が書いてあるサイトが出てこない」というところでしょう。でも、これはある意味仕方のないことと言えなくもないです。というのは、コンピュータ及びネットテクノロジー全般、いや技術全般というものは、時が経つ度にそれに対してのアプローチがなされると思うのです。例えばセキュリティ系ならそれを破ろうとする動きや、サービスならばそれを超えようとする動き等。そしてこのような検索エンジンで上位に来るための方法などというものが確立されてしまったということは、ある意味ハッキングされているような状態とも言えなくないでしょう。極論、SEO対策という言葉が生まれた時点で、検索は本来の意義をなくし始めていると言えるかもしれません。ただ、広告によって検索の質を落としている面があったなら自業自得ですが。Googleだけではなく、どのエンジンも最初の概念からいろいろなもの、例えば広告なりフィルタリングなりクレーム対処なりいろいろな要素が検索に影響を及ぼし、まるで基本プログラムに追加パッチをあてまくって、下手をするとスパゲティソースみたいにいるのが今の状態のように思えるのです。

そもそもGoogleが検索エンジンとして普及したのは、一定の量と質が確保されているが、ノイズが少なかったからだと個人的に思っています。Googleが誕生する前の検索といえば、日本ではYahoo!の登録型検索が一番手でした。今、知名度が欲しいサイトがSEO対策をしているように、この頃はYahoo!のそれにどのようにしたら登録されるかというのを模索していた人もわりといたようです。たしかにロボット型検索エンジンもありましたが、infoseekは検索結果が関係ないものまで大量に出すぎ(まあそれを利用して楽しんでましたけど)、Gooも当時は精度がイマイチと、需要を満たせるものがなかったのですよね。そこでGoogleが登場し、それまでと比べて確実に精度のよい検索結果が得られたために、利用者をどんどん伸ばすことになってゆきます。*2

しかし、現在は前述のようなものによってノイズが入るようになってしまいました。そして最近の状況では、検索の結果からまた自力で無意識のうちにいらないものをインデックスなどを見て排除して検索をかけているような状態だとも思えます。

となると、歴史は繰り返し、またそれに変わる検索エンジン、もしくはそれに類するものが生まれるのではないでしょうか。ちなみに検索エンジンならば、私の理想としては以下のようなものが実装されていればとりあえずメリットがあるかなと。

・広告に検索結果が左右されない。
・ユーザー設定で特定のドメインを検索結果から外すことが出来る(例えばWikipediaやはてなキーワード)。及びその設定を保存できる。
・特定の目的を持つサイトごとに検索が出来る(例えば感想サイト、書評サイト、販売サイト、攻略サイト等々)。同時に特定の目的を持つサイトを除外できる(エロサイト、広告サイトとか)。
・SEO対策が原則的に出来ない(手動の小細工を排除する。もしくはSEO対策がなされていないサイトも役に立つ要素があれば同等に扱う)
・サーバ主観による排除がない(Google八分*3など)

本当はGoogleとかYahooがやってくれるといいのですが、「広告」という縛りが存在する以上難しいかもなあ……

おそらく現在のネットが5年前からはほとんど想像できなかったように、今の我々のネットスタイルも五年後には考えつかないものが普及している可能性はあるでしょうね。

*1:ただ、現在検索上手と言われている人と下手な人の境目は、この2番目以降の語句にあると思います。

*2:ちなみにこの後Yahoo!もロボット型検索を前面に押し出しますが、最初のうちはPowered by Googleでした。つまり日本でのGoogleの普及はYahoo!とともにあったわけですね。逆にYahooから見れば最大の敵を育ててしまったということでもありますが

*3:『悪徳商法?マニアックス』さんの件で有名になったこの言葉。つまりどこからかクレームが入ることでGoogleに検閲されて検索結果に出なくなるというもの。これ、本質的な問題は「除去されている可能性がある」とユーザーに思わせているということだと思います。悪マニの件は偶然明らかになったので、人間(つか私だけかもしれないけど)はけっこう被害妄想があるもので、もしかしたらこのページの大半も本当に見る側にとって有益な情報は隠されているかもしれない……という感じで。ちなみに『ゲームミュージックなブログ』で検索すると、何故かトップ10はリンクしていただいているページか、ブログ村などのポータル系になります。でもってうちはなんと最後のページから数えた方が早いという。……なんか悪いことしたか?