私はあまりゴールデンタイムはテレビを見ません。しかし基本自宅作業なので、休憩中に居間に行ったときにテレビがついていることがあります。で、時間があるときはそこで少しだけテレビを眺めているのですが、そこで気づいたことが一つ。かといっても、再放送のドラマ中に外枠でゴールデンタイムの宣伝が出てウザイというのではありません。それはCMでやけに同じものが流れていることです。で、よく見てみるとそれはだいたい「ハウスとんがりコーン」だったり「ハウスバーモントカレー」だったりと、ハウス系列が多いのですね。いや、多いどころではなくて、「とんがりコーン」「とんがりコーン」と連続して流れた後に、またハウスの「こくまろカレー」が流れることもあります。しかも1回だけではなくてかなり多くの日で。
ちなみに寝る前にも、たまにひょっとしたら90年代前半のJOCX−TV2みたいな面白いのをやっているかもと期待しつつテレビを見るのですが、その時のCMもやはりハウスが多いのですよ(音楽関係は例外的にエイベックスとかが多いですが)。ちなみに2年くらい前までは消費者金融関係の方が多かったですが、最近はやや落ち着いているような気がします。
昔の野球流行語で「権藤、権藤、雨、権藤」なんてのがあったらしいですが、今の昼のCMはまさに「ハウス、ハウス、薬品、ハウス、損保、食品、ハウス、AC、ハウス」なんて感じです。さて、何でこんなことになっているのでしょうか。それについてちょっと調べてみました。
まず例によってWikipedia。確実性はないものの、ある程度の参考になります。ここで「ハウス食品」を調べた結果、以下のようなものが。
CMはフリースポット扱い(他にエバラ食品工業や興和など)だが、一部番組提供扱いもある。
さて、この「フリースポット扱い」とは何か。それはこちら。
フリースポット契約では、CMを放送するにあたり、広告主と放送局の間で、番組や時間帯は指定せずに一定期間内に指定した本数を放送することを契約する。
つまり、よく「ご覧のスポンサーの提供でお送りしました」として、その番組の放送中に流されるのがタイムCMだとすると、それとは逆に時間を指定していないのが「フリースポットCM」となるわけですね。で、Wikipediaにはハウスの他、興和、徳島製粉(静岡及び西日本地区)、アリコジャパン、アメリカンホームダイレクトなどが挙がっています。たしかに薬品や保険会社のCMも多いですね。(未検証なので真偽は不明ですが)。そういえば、「み、なおそう、見直そう〜」のCM、一度聞いただけでもインパクト強いのに、ああ何度も流されると覚えますな。(つーかCD売ってるんですな)
じゃあ何故、そんなフリースポットCMであるハウスのCMがやけに集中して流れるのか、ということです。少なくとも私が子どもの頃は、ここまで偏っていた記憶ないですし。それが手元にあったマンガに回答っぽいものがありました。その本は『気まぐれコンセプト クロニクル』。
これはご存じの方も多いでしょうが、ビックコミックスピリッツで連載されている広告業界マンガですが、最近23年分の抜粋単行本が発売されました。
で、これの353ページ、1994年のところでこんな記述(4コマ)が。
ハウス食品では昔からスポットCMは、あらかじめ放送時間を細かく指示したりせず、素材を局に預けて適当に放送してもらい、後で放送料に応じて精算するシステムをとっているという。
従って不況で他社のCM出稿が減ると何も放送しないというよりはハウスのCMを放送していたほうがマシなので、やたらハウスのCMが放送されるようになるらしい。
とのこと。
さてこれは1994年の話ですが、あまり変わっていないと仮定して考えると、やけにハウスのCMが流れる時間っていうのは、それがハウス提供枠ではない限り、CMの枠が埋まってないのでハウスのCMが先の4コマのように入れられているということではないでしょうか。そういえばゴールデンタイムにはわりと普通に提供のCMが流れているような気がしますし。
ちなみにこの4コマのラストは茶の間の旦那と妻が、「何だ?TV東京は12時過ぎたらハウスのCFしかやってないじゃないか」「そーいやーそーねー」という背後に”この不況は底ナシである。”と書かれています。しかし、現在では深夜どころか昼までハウスと保険系ばっかり。深夜はハウスと消費者金融系が多い。というかグレーゾーン金利問題前の業績急上昇期は深夜はほとんど消費者金融系だったような(消費者金融系は規制でゴールデンに流せないので)。要するに、TVCMに関しては今でも一部番組、時間帯を除いて相当不況なのではないでしょうか。
まあ、1994年以前とそれまでじゃ、多チャンネル化、携帯、ネットの普及と媒体が比べものになりませんしね。
さて、これからデジタル放送への移行時に減る可能性もあるテレビ視聴者。その時CMはどのように変わっているのでしょうか。
◆余談
そういえば深夜にアニメが放映されると、そこのタイムCMはその関連のもの(DVDとかアニソンとか、連載雑誌とか)が多かったような……
このへんと現在のテレビの状況を重ね合わせると、最近やたら深夜にアニメが多い理由と合致するかもしれません。