ドラえもん関係で全然別のエントリーを書こうとして道具についてWikipediaで調べていたら、面白いものを見つけましたので、今日はそれについて書こうかと思います。
ドラえもんの17巻『バイバイン』という話では、ドラえもんが1つしかない栗まんじゅうを目の前にしてもっと食べたいと悩んでいたのび太に、「全部食べること」を条件として「バイバイン」という道具を出します。
これ(薬)を栗まんじゅうに振りかけると、5分後にそれが2倍、そしてまた5分後にそれぞれが2倍になるというものです。
しかしながら途中からどうしても食べきれなくなり、ママや友人達を呼んでも不可能で捨ててしまいます。そしてゴミ箱に捨てて放っておくと、ドラえもんが帰ってきて、その増加率のすごさを教えられ、「1日で地球が栗まんじゅうでいっぱいになってしまう」と言われ、あわてて捨ててあった所に行くと栗まんじゅうでいっぱい。最後にそれを宇宙の果てに送り出すというオチでおわるものです。
しかし、小さいときからこれは疑問でした。それは「結局問題を先送りにしただけで、そのうち栗まんじゅうは地球に迫ってくるのではないか」ということです。そのほか、「食べたら腹の中で増殖しないのか」など、色々思っていたのですが、以下で面白い考察がされていました。
■ドラえもんの道具 (は)−バイバイン−栗まんじゅう無限増殖考
Wikipediaなので内容が変更する可能性もありました為、以下に引用させていただきます。
栗まんじゅう無限増殖考
バイバインによる栗まんじゅう増殖をめぐっては、さまざまな議論が交わされている。
もし実際にこの道具が実用化された場合、世界中の食料問題がすぐに解決するだろう。しかし、単純に増殖できるため、農業などへの打撃は計り知れないだろう。また増殖しても大きさなどは一切変わらないため、明らかに質量保存の法則が無視されている(※ドラえもんの道具には他にもフエルミラーなど質量保存の法則に合致しないものがある)。
作中では、バイバインで増殖する栗まんじゅうを持て余して、ロケットで宇宙の彼方に廃棄しているが、もし、栗まんじゅうが質量保存則を無視して無限に増殖するのであれば、ついには惑星などの天体よりも重くなり、ある時点でブラックホール化することが予測される。 ただし、咀嚼によって増殖しなくなる描写があることから、崩壊した栗まんじゅうは増殖が止まることが推定される。そうだとすると、格納されたロケットの強度とサイズが適当であれば、ロケット機体による圧力と自重による栗まんじゅうの崩壊速度が、バイバインによる増殖速度を上回った時点で増殖が止まる。また、栗まんじゅうが、収納されたロケットを破壊して宇宙空間に出たとしても、気圧差により内部から崩壊するので、その時点で増殖が止まる可能性が高い。これらの条件が満たされない場合でも、栗まんじゅう天体の重力が、増殖速度に比べて十分に大きくなった時点で増殖はストップするので、栗まんじゅう程度ではブラックホールになる可能性は低い。案外、宇宙に栗まんじゅうを飛ばしたドラえもんの行為は、バイバインの説明書にあった正しい対応法だったのかもしれない。
さらに、野比家の庭で大量に増殖してしまった栗まんじゅうを廃棄する際にドラえもんは「宇宙にロケットで飛ばす」という手段を用いていることに着目し、このロケットが21世紀以降の科学技術で開発された亜光速のロケットであるとするならば、亜光速で移動する栗まんじゅうは(地球にいる我々から見て)増殖が停止していると言ってよいから無限増殖による問題は生じないという主張もある。
・外部リンク
現代物理学で考える「ドラえもんその後」 (リンク切れ)
そういえばたしかにこれがあれば、食糧問題は解決ですね。まあこの前の様々なものと同じように実現不可能そうですけど。しかし、ブラックホールまではさすがに考えてませんでした。
ちなみに上の文章をふまえて私が気になったのは、「栗まんじゅうの増殖停止条件」です。そもそも胃に入れなくても形が崩れるだけで増殖しなくなるのなら、そもそも宇宙に送り出す必要はなく、その場で粉砕すればいいのですよね。そうしなかったということは、少なくとも地球上では食べなければ増殖は止まらなかったということなのでしょうか。(マンガでも「宇宙の果てに送り出すしかない」と言ってましたし)
私はあまり物理学には強くないのですが、上の文章のように宇宙での移動段階で増殖が停止するのであれば、それなりにつじつまが合うのかもしれないなと思いました。
ま、こういうことを考えるのが楽しいということで。
★追記
あ、でもジャイアン達に栗まんじゅうを振る舞っているときに、食べかけのが増殖していなかったよなあ……ってことは、残り1個のに一口だけでもかぶりつけば増殖は止まったのか?う〜ん……
★追記(2017/10/17)
Wikipediaの当該記事はだいぶ前に消えてしまったようですが、今だとネタサイト、アンサイクロペディアの方でなんだか充実した記事が書かれています。