空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

フリーライターなどフリー労働者のデメリット

テック総研にこんなものがありました。

 ■SEはフリーになったほうが、稼げるよね?|【Tech総研】

これはSEにおけるフリーのお話ですが、ことフリーのライターに関しても似たようなことが言えるように思います。
 兼業ならともかく、専業フリーライターなんてものは、よほどの収入を誇る売れっ子でもない限りは、俗に言われているフリーターの方と大差ないのではないでしょうか。

それでもどうも勘違いされているのか、「フリーライターっていいよね」と会社勤めの人からはよく言われます。
フリーのライターというものは起床時間がけっこう自由なので、そこをサラリーマンをやっている友人とかからは『通勤なくていいよね』とか『時間が自由になっていいよね』とそこを羨ましがられるのです。

しかし、現実はそんなに甘いものじゃありません。以下に、フリーライターのマイナス点を挙げてみました。


収入が不安定

まあ言うまでもないですね。時には0円だってことも珍しくないでしょう。
さらに、振り込みというのは原稿完成の翌月、もしくは翌々月というのは当たり前です。したがって今月どんなに働いても、その前の月に働かなければ、その月には収入がはないのです。

健康保険、年金、失業保険がない

健康保険も会社勤めならばたいていついてくるものですが、フリーの場合、自営業者と同じように自分で国民健康保険に入らなければいけません。さらに国民年金もも自分の収入から払わないといけません。国民年金だけでも月に1万5千近くなので、かなり大きいです。
さらに、失業保険がありませんので、収入が断たれたらそのまま餓えます。退職金は言うまでもないでしょう。
また、大きな病気になった時の保証もないので、働けなくなって蓄えがなかったら即アウトでしょう。

会社員の手取りってのは、これらを全て払ってあるのですよ。つくづく、会社ってのにはいろいろ払ってもらっていたんだなと思います。

仕事がなくなるリスク

おそらく仕事を頼まれていた会社がなくなれば、連鎖的に自分も仕事がなくなりますので、一気に食えなくなります。
前述の失業保険もないので、そのまま住むところがなくなることも餓えることもあります。

ローンが組めない、カードの審査が通りにくい

会社に属しているということは、それだけ信用があるのですが、フリーの場合は前述のように収入の保証がないため、まずほとんどの場合ローンが組めません。そしてカードも作れない場合が多いです(最近は上限を低くすればそうでもないと聞きますが)。

税金の申告など、雑務が面倒くさい

ずっと会社勤めの人だと税金や保険に関することはほとんど庶務の人がやってくれるので気にすることはあまりないでしょうが、フリーになるとそれらのことは全て自分でやらなければいけません。今の時期だと、フリーの人はたいてい確定申告の書類作成に悲鳴を上げていることと思われます。(税理士に任せられる人なんて、やはり上のほうの一部のみです)

外に出なくなる・運動不足になる

利点といわれている「時間が自由になる」「通勤がない」というのも、裏を返せば以下のような欠点にもなるのです。

出勤していれば、嫌でも駅までは歩きます。しかし家で作業をすると、家からでないでも大丈夫になってしまうため、ヒキコモリがちになり、運動量が激減するのです。
一人暮らしの場合には、人と会う機会もなくなって、だんだんと外部的刺激のなさから気分が鬱気味になってきたりもします。その結果、仕事も進まなくなるという悪循環も起きかねません。

私の場合、最近はヒキコモリ気味になるのを防止するため、無理矢理にでも外で1時間歩くようにしています。
 

休みと仕事の区切が出来ない

ちゃんと仕事場を他に持っている人ならともかく、自宅で作業をす人は、「ここまでが仕事の時間」という切り分けをしにくいのです。それこそ仕事がないときは暇ですが、〆切間際は寝る間もなくなるというのはよくあります。
その結果、会社員、特に公務員の方なら多くの人が当たりまえの「○時に始まって○時までは仕事、それ以降は自由」という切り分けが出来ないのですよ。(まあ業種によっては例外もありますが。それこそ休出があるSEとか)
で、それにより完全に仕事から解放される時間というのがなくなり、年中気の休まる間がないということになりがちです。

まあ計画性をつけてやっている人もいますので、これは個人の資質かもしれません。ただ、やっぱり気切り分けができなくなりやすいとは思います。


まとめ

まあネガティブなことを書きまくっていますが、フリーライターというのはこういうものと引き替えにフリーなのですよね。
どっかのサイトに、フリーの人は年収がサラリーマンの倍で、やっと釣り合いが取れるみたいな事が書いてありましたが、正直納得です。

そういえば先ごろ政府が「就職氷河期世代のニート、フリーターを対象に、国家公務員資格試験を行う」みたいなプランあるみたいなニュースが流れていましたが、マジで行われたら受けようかなと思ってしまいました。そうすれば万が一の時にもとりあえず飢え死にだけは防げるかもしれませんし。(試験合格したら即採用されなければいけないってものじゃないと思うので)

もちろん、会社員の方にもフリーライターにないリスクは多いと思いますが(特に人間関係とかね)、とりあえず今日はこちらの立場から一方的に書かせていただきました。まあ筆者の愚痴みたいなものとして捉えていただければ幸いです。