マクドナルドの平日ランチタイム値下げ戦略はかつてのデフレ戦略と同じ轍を踏むか

昨日、近所のマクドナルド行ったんです。マクドナルド。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。
で、よく見たらなんか価格表に、ランチタイム490円、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、490円如きで普段来てないマクドナルドに来てんじゃねーよ、ボケが。
490円だよ、490円。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人でマクドナルドか。おめでてーな。
よーしパパえびフィレオセット頼んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、クーポンやるからその席空けろと。

……飽きたのでここまで。


さて、いきなりなつかしの吉野家コピペの改変で始めましたが、このように現在マクドナルドでは、ランチタイムにおいてバリューセットの割引が行われています。都内では600円台のバリューセットが490円になっていました。で、マジで混んでて席が空いてなかったのには驚いた。

マクドナルド、平日ランチタイムにバリューセットを値下げ - TOPICS - 日経レストラン ONLINE

で、実は吉野家コピペで始めたのはちょっと理由があります。というのは、このコピペの元ネタが作られた時(2001年)の状況と現在のこの値下げ戦略を照らし合わせてみて、色々興味深い点があったため。

2001年、当時は景気の停滞から商品価格が下がり続け、デフレ状態になってゆきます。しかしマクドナルドはその数年前から値下げ戦略展開しました。その一つが「平日半額キャンペーン」で、当時130円のハンバーガーを半額65円、160円のチーズバーガーを80円、240円のフィレオフィッシュを120円で販売し、これが大人気となり、集客数を大幅に増やしました。

そしてその値下げ戦略はほかの業種にも影響し、マクドナルドと同じく海外産の牛肉を使っていた吉野家でも円高差益の影響から大幅割引セールが行われます。そして例の吉野家コピペが生まれる要因となったと。

しかしその後、長引く不況の影響からデフレ戦略が裏目に出て(ついでに牛丼業界は米国産牛肉のBSE問題が影響して)、デフレ戦略を続けてきたこれらの会社は赤字に転落してしまいます。それで日本独自の戦略で発展させてきた藤田氏が引退、マクドナルドは米国直轄になり今に至ります。

■参考:日本マクドナルド - Wikipedia

さて、今マクドナルドの業績は上がってきているみたいです。それの主因としては値上げをして、且つ客をそれほど離さなかったことも大きいでしょう。しかしこの値上げ、かなりの時間がかかっています。そりゃ一気に元に戻してしまえば、客は離れてしまうから当然ですね。おそらく2002年から2007年まで、5年かけてやっと戻したという感じではないかと。


で、ここで思ったこと。今回の490円戦略ってのは、かつてマクドナルドを値下げの波に押し込んでしまったものの第一歩目とよく似ているのではないかと。たしかに今、異常なまでの円高になってきており、差益が生まれているので低価格戦略に出ることは可能でしょう。しかしながら値下げというものは、その時点では効果がある反面、それを戻そうとする時には、下げた時のプラス以上のマイナスを抱える危険性があります。つまりは一度値段を下げたことで、「本当はこのくらいでも提供できるもの」と、そのものの品質を低めに見られてしまう危険性もあります。また、値下げを期間限定としても、それをしていない期間に「今の値段は高いから、またやるだろう」ということで買い控えを起こす危険性もあります。実際、今価格表には通常価格と490円のシールが両方貼ってあるのですが、これを見てランチタイム以外で注文する時にはその差額が気になって躊躇する可能性があるでしょう。

これはかつてマクドナルドが経験したことなのですよね。それなのにこの戦略に打って出たというのは、かつての失敗を犯さない戦略が出来ているのか、それともそこまで考えていないのかはわかりません。ただ、これからマクドナルドはどういう戦略に出るのか、というのが非常に興味深いです。この期間だけ490円として、一時的な集客で終わるのか、それとも過去に経験したような反動の逆流が後で襲ってくる危険を孕みながらも、このような値下げを続けてゆき現在の利益をあげてゆくのか。

ある意味、デフレ時代の象徴としてマクドナルドや吉野家の名前が挙がったように、今回の市場動向もマクドナルドが指標になるのかもしれないなんてことを思ったりします。