タスポ導入はタバコ認証以外にも先を見据えた目的があるように思う話

最近自動販売機でたばこを買うときに必須となった電子カード、タスポですが、これの導入により自販機の売り上げが激減したとか、いまだに喫煙者の半分以上はカード登録を申請していないだとか、本来目的であった未成年者の喫煙防止に対して効果が薄いとか、様々な問題点がニュースとなっています。

さて、未成年にたばこを購入させないための試みという点はわかりますが、では何故このようなカードを新たに配布することにしたのでしょうか。そう思ったのはtaspo - Wikipediaで調べてみると、運転免許証方式や顔認証方式もあるのですよね。たしかに顔認証方式は不完全で、写真でも買えたとか(今は不可能)童顔の人は買えないし、未成年でも老け顔の人は買えるだろというところがありますし、免許も全ての人がもっているわけではありません。しかし、免許とタスポの併用性にして、免許がない人がタスポを申請する形で補完するという方式にすれば、今ほどは自販機の販売落ち込みはなかったように思えます。

では何故、ほぼタスポの統一方式にしたのか。これは機器や法律、システムの都合というのが有力でしょう。ただ、邪推……というほどでもないですが、商売的に考えて、このタバコの認証以外にもそういたほうが都合の良い点がいくつかあったのではないか、とも思えます。

タスポには、プリペイド方式の電子マネーピデル(Pidel)」が搭載されています。つまり、Suicaなどと同じく、ここにチャージしておけば、現金がなくてもタバコが買えるということですね。もしかして、これに多大な期待がよせられていたのではないか、とも思えるのです。というのは現在、電子マネーは戦国時代になっています、Suicapasmoなどの交通連合系、業界1位のコンビニセブンイレブン系のnanaco、そのほかEdywaon、iDなどがありますね。さてこれまでシェア争いが激しいのは、ここで天下を取れば今後大きな収益として期待できるからです。たとえば店に置く読み取り端末の設置費や手数料、ネットの決済手段等。さらにクレジット機能がつけば、そのカードの運営会社は事実上クレジット会社にもなり、その手数料で多大なシェアを奪えることになります(極論、今までのクレジット会社のシェアを奪える可能性もあるかも)。

そこで現在、トップは店舗数で圧倒しているnanaco系、それにSuica連合です。では何故、店舗を持たないSuica系がここまでシェアを伸ばしたのか。もうおわかりだと思いますが、それは鉄道でも使えるものだからですよね。つまり日常的によく使う交通手段を利用するときに便利なカードに電子マネーがついでについているから、という面で普及した感じは強いと思います。*1

さて、タスポですが、このSuicaと同じことを狙ったのではないかと思えるのです。つまり、喫煙者にとっては必要なタスポ、これに電子マネー機能を持たせることで後々はタバコ自販機だけではなくてどこでも買い物が出来るようにさせ、一気にこの市場に乗り込むという感じ。そうすれば一気に、シェア上位に躍り出る可能性もあったと。それに失敗しても、最低限タバコ自販機におけるシェアは確保されるので、それほど痛くはないと。故にタスポを導入したのではないか、と考えてしまうのです。

あともうひとつ、タスポには強力な特徴があります。それはこれを持っていることで、自分が成年であると証明できること。つまりタバコ以外にも成年であることが必須のものに対して、それの証明になるのです。例えば酒、あとアダルト製品(えろげとかエロDVDとか)購入なんかもそうですね。ことによると、そういう場所への入場に対しても効力を持つでしょう。たしかに今でも免許証はありますが、あれには必ず住所が載っているので、ことによると使いたくない人も多いでしょう。でもこれは、名前と顔写真で住所がないけど年齢証明になるということで、免許よりは好まれるかもしれません。それに読み取り機の工夫次第では、名前を知られずに年齢と顔写真だけが表示されて証明になるなんてことも出来るかもしれません。だから、将来的にはそういう成年コンテンツ系の証明として使われることを期待していた、なんて可能性もあります。そのうちアダルト系の年齢規制が厳しくなってきたらこのようなものも必要になる可能性もあるでしょうが、アダルト製品専用のカードより、酒やタバコを買うためのカードでもあったほうが、所有することに対しての言い訳ができるでしょうしね。*2

まあ、今の普及率だとそういった要素どころか、タバコでの利用でさえ危うい感じですが、吸い続ける人はそのうち取得すると思うので、ゆっくりとしたペースで普及して行くのではないかと思います。(問題は、かなりスローだと思いますので、それまで自販機設置店がもつかどうかというところですが)。

ただ、将来的にそういった成年認証系の需要が出てきた場合、タスポが全然別のものとして使われている、という可能性はゼロではないかもしれませんね。でも、やっぱりカード(正確にはサーバ)にそういった利用履歴が残っているなんて考えられてしまうから、結局は電子的な利用としては無理かな? いっそのこと、名前無記名、顔写真のみのタスポのほうが、成年証明として普及するかも。


◆追記
コメントで教えていただきましたが、現在のところ、身分証明としてのタスポの利用は規約で禁止されているようなので、それが未来に解除されない限りは、上の成年認証的なものはなさそうです。

*1:ついでに言えば、nanacoはポイントがつくから。あとチャージをATMで出来るから便利。つか、おサイフケータイSuica普及させたかったら、自動改札でチャージできるようにしないと辛いと思う。

*2:だけど、こういったカードを利権とかで普及させるために、法が制定されたら嫌だなあ……