必ずしも製品の合体が利点ばかりとは限らない〜iPhoneの潜在的問題点

もうすぐアメリカ方面では、噂のipod&携帯電話のiPhoneが発売されそうな感じです。

Macworld Expo 2007:Mac+iPod+携帯でスマートフォン超えを目指す「iPhone」 - ITmedia ニュース

見る限り、私を含め新しいものが好きな人には非常に魅力的な製品なのですが、先日、こんな記事も見ました。

iPhoneを「買うつもり」なのは18%――米音楽携帯調査 - ITmedia ニュース


さて、今年の製品の中では有数の注目製品なのに、2割弱とは意外と少なめです。理由には、49%が「価格」を、48%は「現在所有している携帯電話の機能に満足している」、23%が「通信業者を変えたくない」と書いてあり、たしかにこれらのことが主な理由の一つではあると思いますが、実はこれ以外にも理由があるのではないか?と思っています。私もこれがたとえ日本で発売されたとして、お金があって、且つキャリアが今と同じでもこれをメインの携帯とすることはないでしょう。実はそれはこのiPhoneだけではなく、今ある他の音楽携帯にも言えることです。その理由は「バッテリー」にあります。

iPhoneの製品仕様を見てみると、『バッテリー持続時間は通話、ビデオ、ブラウジング利用時に最長5時間、オーディオ再生で最長16時間』となっていて、かなり長持ちすることがわかります。私が思うに、iPodの人気が出たのは、その容量や手軽さ、DRMの緩さ、それにデザインももちろんあると想いますが、同時に連続再生しても10時間以上持つバッテリー持久力の良さがあると思っています。そしてこれだけバッテリーが持つとしたら、iPhoneは音楽&動画のプレイヤー端末としてはたしかに魅力的です。しかし、それが携帯電話といっしょだった場合、どうでしょうか?

さっき最新の携帯電話の待ち受け時間を見たら、連続待ち受け時間は600時間前後(移動時400時間強)、連続通話時間が180分前後のものが多かったです。iPhoneの連続通話時間は最長5時間とのことでしたから、比較的長いほうに入ります。数字を見た限りではこれで十分、とお思いの方も多いでしょう。
しかしながら、このiPhoneは、音楽プレイヤーとしても使う前提で購入する人が多いと思います。それはやはり「Mac+iPod+携帯」という触れ込みですからね。さて、製品仕様では移動中にずっと音楽を聴き続けた場合、動画なら前述の5時間、オーディオ再生で最長16時間となっています。しかし、ここがポイントです。

もし、音楽プレイヤーなら、そのバッテリーが途中で切れたところで音楽を聴くのをちょいと我慢すれば済むことです(多少イライラするかもしれませんが)ただ、もし携帯の電池が切れた場合、通信手段が完全に遮断されます。皆さんも一度くらい町中で携帯の電池が切れかけたことがあるでしょうが、それを想定していただければわかるかと。
故に、私には、「音楽を聴くあまり、ついバッテリーを使い果たしてしまい、通話が出来なくなるのではないか」という不安があるのです。故に、このiPhoneをサブの携帯ならともかく、メイン(仕事用)として使うのには躊躇してしまうと。たしかにiPhoneもプレイヤーや動画の機能を使わなければ、現在の携帯以上は持つでしょうが、そうしたら今度はiPhoneの大きな特性が失われることになります。それなら小さくて安いのを買った方がいいですね。

もちろんAppleも何かしらの対策を練っているでしょう。(例えばバッテリーの残量を音で知らせるしくみとか)しかし、やはりバッテリーの容量自体を増やさないと、根本的な解決にはなりません。(あ、でもバッテリー2つ、音楽用と携帯電話用で積んできたら、それはすごいけど)

しかしこれは、何もiPhoneに限ったことではありません。現在の携帯電話の最新機種にはワンセグと音楽プレイヤーがついてくることが多いですが、これも同じくバッテリー問題がついてきます。(ちなみに音楽再生時の連続再生時間は、各社基準が大きく違うらしくまちまちで、よくわかりませんでした。何で70時間と4時間が似たような携帯で差が出るのかと)ちなみに音楽プレイヤー、それにワンセグも、かなりバッテリーを気にしながら使っているという人はいるのではないでしょうか?

あと、こんな記事がありますが、

 ■携帯電話を音楽プレーヤーとして使っている人は26.3% ※リンク切れ

残りの3/4の中には、私と同じ危惧を持っている人がいるのではないでしょうか。

ちなみにこの時期の一番下には、『携帯電話の音楽再生機能は、長時間使用してバッテリーが切れてしまえば、通話ができなくなり携帯電話本来の機能を損なう恐れもある。』とさらりと書いてありますが、実はそれが一番ネックとなるのではないかと。

ついでに言えばもう一つ、音楽プレイヤーと携帯が合体している故の欠点があります。それは、ひとつがダメになったときにもうひとつがダメになってしまうリスクをはらむというものです。
よくある例としては、携帯を濡らしてしまって破壊してしまった場合、同時に音楽プレイヤーも破壊してしまうのではないでしょうか。

以上のような理由で、私はこれを買うよりもiPodと携帯電話、2つを同時に持つことになると思います。ちなみに携帯は昨日はそれほどなくてもバッテリーが長持ちするものがいいな。
まあiPhoneがよっぽど便利だったら、サブ携帯機&プレイヤーとして使いますけど。


ま、このように、2つの便利なものがくっついたからといって、それが必ずしも両製品のいいとこどりだけが出来るわけではないのではないかと思います。それは携帯電話以外においても。
かつて「テレビデオ」というものがありましたが、私はわざわざテレビとビデオを別に買いました。その理由はその方が安かったというのもあるのですが、もしそれぞれが壊れたとき、ビデオくらいならまあ自分で開けて修理できることも多い(たいていは汚れや絡まりなので)のですが、テレビデオだと独特な型なので直せないというのがひとつ、そしてもうひとつは仮に片方を壊してしまったら、両方とも買い換えなければいけないから、という理由からでした。
また携帯の話になると、どうも「モバイルSuica」というものも万一携帯が壊れたときに使えなくなりそうなので、ICカードのままにしようと思っています。

エレクトロニクス製品以外でも、入学式のお祝いで送られる「シャーボ」というシャープペンとボールペンが一緒になったペンがあります。これ、たしかに回すのは面白くて便利なのですが、意外とそれぞれシャーペン&ボールペン使わなくなります。というのはボールペンを使っているとたいていインクが切れてしまい、後にはなんか授業中にひねって遊ぶだけのシャーペンとなってしまうのです。(まあ私が持っていたのが安いやつだったからかもしれませんが、というか詰め替えボールペンを見たこと無いのですが、あるの?)

そういえば唐沢商会(唐沢俊一・唐沢なをき)の『ガラダマ天国』というマンガには、同じようなものがいろいろ取りあげられています。例えばシャンプー+リンスの「リンプー」、ホウキとクリーナーで「ホーナー」という掃除機の先にくっつけるもの、ラジカセとテレビのくっついた「ラテカセ」、カメラとラジオのくっついた「ラメラ」等々。
まあ、どれも今となってはちょっと……なものですが。

ただ、兼ね備えていても便利なものももちろんありますけどね。たとえば、私は百円ショップでは3色ボールペン(1本で赤・青・黒に切り替えられるボールペン)を愛用していますし(まあ全部使い切ることは希ですけど)、プリンタは複合のスキャン+プリンタです。というか、世の中の風潮としては、一般的にはくっつけるほうが便利でいいとされているような気がします。
だけど、必ずしもくっつけることがいい結果に繋がるわけではないのは前述の通り。

ま、私としては「目立たない技術も尊重して欲しい」という考えなので(参考:『目立たない技術の方が難しいのに、アピールポイントにならないということ』)、とりあえずは再生時間なんぞを全く気にしなくてすむ、24時間連続再生可能なバッテリーが早く開発されたらなあ、と思います。もちろんそれが一番難しいでしょうけどね。