ストーリーにおける「恋愛もののジレンマ」

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ゲームミュージックなブログのほうで、こんなものを書きました。

ゲームにおける続編もののストーリージレンマ | ゲームミュージックなブログ

これは、続編が続く限りそのゲームの世界が終わりを迎えることはない。しかし商業的成功が続く限りはゲームは出続ける。すなわちゲームをストーリー的にも完全に終わらせるためにはコケるしかないのではないかという問題提起から、ゲームにおける続編にはそのジレンマがあるということを書きました。そして、それはゲームに限らず、映画でもあるということにも触れました(例:『新・猿の惑星』)。

しかし、続編ものというより、終わらないすべての作品においては、総じて同じようなジレンマを抱えているのではないでしょうか。たとえばマンガなら連載が終了しない限り本当の終わりにはなりませんし、小説でもシリーズの刊行が続く限り、本当の終わりを見ることは出来ないとも言えます。例えば少年ジャンプ的な作品なら、強敵を倒してもさらに強い敵が出てきて、強さのインフレが起きつつきりがなくなってしまうという感じ。

そして、一番顕著なのが、その作品における「恋愛関係」だと思われます。

マンガなり小説なりの作品においては、昔からわりと多くのもので「恋愛関係」が出てきます。とりわけ主人公やヒロインのそれは、話の中心軸になることも少なくありません。しかし、この2人が結ばれた瞬間、作品が終わりに向かう傾向にあります。最終回そのもののことも多いですね。

これには理由があり、多くの場合において主人公の恋愛というのは重要な心理要素となっています。となると、これがそれまでにないほどに大きく動くということは、そのお話においても最高潮に盛り上がるところでもあるから。そして最高潮はクライマックスと言いますが、これは日本のこういった物語では「終わり間近」という意味合いでも使われることが多いです。よく最終回前の次号予告で「いよいよクライマックス!」って使われてますしね。

これは物語における盛り上がりのパターンに関係していると思われます。物語においては序盤から少しずつ盛り上がりをつけてゆき、ラストにそれを最高潮にして、そして終わるのが一番美しいパターンとされているでしょう。となると、一番盛り上がる要素のある「結ばれるシーン」を、一番ラストに持ってくれば最高潮に盛り上がったまま終わりやすいのですよね。なんというか、グラフにすれば右肩上がりな感じ。

反面、途中で結ばれてしまうと、大きなデメリットがです。というのは前述の通り右肩上がりだった読者の興味が、最高潮のものを達成してしまったが故にどうしても下がり気味になってしまうと。下手をすれば「もう結ばれたからいいや」ということで興味をなくされ、そのまま人気が下がることも否定は出来ません。なので他の盛り上がる要素がないといけませんが、やはり主人公とヒロインの恋愛というのは強いので、それに変わるものはなかなか出せないというのがあります。

つまりは、作品が長く続くということは、このように見たいと望んでいる人が多い主人公が結ばれる描写を後に後にと押しやってしまうというジレンマを抱えているのではないでしょうか。

特に最近ハーレムもののマンガが増えてきましたが、これらは「誰と結ばれるか」というのがけっこう読み手の興味を惹くものであるにもかかわらず、結ばれてしまったら「ハーレム」事態が破綻しかねない、つまり作品が成立しなくなる可能性が高いので、このジレンマを強く抱えているのではないかと思えます(例:『ハヤテのごとく』)。

とはいえ、作品の途中で主人公とヒロインが結ばれた後も、続いていくものもわりとありますよね。それは作品自体がそんな強い盛り上がりを要しないものだったり、はてはその結ばれたあとでも話の盛り上がりをその関係なり他の要素などでつけられたりするもの等。例えは『ぱすてる』なんかも、前半は片思いストーリーでしたが、告白して恋人同士になった後も、ストーリーが続いていますし、古くは『キャッツアイ』において、俊夫と瞳が結ばれてからも少しずつ進展させて、最後全く別のイベントで盛り上げています。

あと、ギャルゲーなんかもそうですよね。昔では告白して結ばれてそのままそのルートが終わるものが多かったような気がしますが、最近ではその続きでもうひと盛り上がりあるという感じ。

このように相変わらず「恋愛もののジレンマ」はあるものの、それを破ってさらに盛り上げようとする新しいストーリーの展開というのもたくさん生まれてきています。それがまた話のおもしろさとなっていると。
ただ、クライマックスで恋愛が成熟する形のものがいい場合も有りますし、これらは完全に作品での流れでどれが一番面白い表現となるかっていうところですね。

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