1990年前後のフジテレビ深夜番組が神がかっていた時代

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今ではあまりテレビを見なくなりましたが、学生時代は毎日のように番組を直接見る、もしくはビデオに録画して見ていました。

さて、私の年代に聞くと、面白かった番組と言われて出てくるのは小学生ぐらいでやっていたドリフとかひょうきん族、それにウルトラクイズや世界まるごとHOWマッチといったようなゴールデンで放映されていた金のかかっていそうなものが出てきます。たしかにこれらも面白くてよく見ていましたが、もうひとつ私が印象に残っている番組群が放映されていた特定の局の時間帯があります。それはフジテレビの深夜番組群、JOCX-TV2(JOCX-TV+)と呼ばれるもの。

1980年代までは、まだ深夜番組というのは殆ど存在せず、12時くらいでどの局も終わっていました(ですので24時間テレビというのはその意味で希少価値があったのですね)。しかし、1980年代後半から深夜番組というものが出てきました。しかし当時はその時間ではスポンサーもあまりつかないため、金をかける番組はできませんでした。しかしそこで出てきたのが金をかけないけどゴールデンタイムではなかなか出来ない実験的な番組というものでした。これは当時の制作現場における若手の新人育成的な意味もあったようです。そして、そのためこの時間帯は低予算ながらも既存のテレビ番組では存在しない独特な面白さを持ったものが多数生まれてくることになります。たとえばTBSの「イカすバンド天国」は「イカ天」と呼ばれ、ここからプロを輩出するほどの人気となりました(現在も活動中なのはBEGINですね)。

その中でもフジテレビの深夜番組はJOCX-TV2という括りになっていて(後にJOCX-TV+に変更)、その時間帯に放映された番組は今も尚記憶に残る名番組が多数生まれました。ちょっと具体的に紹介してゆきましょう。

夢で逢えたら(1988〜1991)

ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、野沢直子、清水ミチ子の6人編成コント番組にして、それぞれのメンバーの出世番組(ただし野沢直子はこの番組途中で引退)。当初は深夜帯の金のかかっていないコントでしたが、後に20%越えという深夜時間帯では異例の視聴率を獲得。ちなみにテーマソングもサザン、ユニコーン、リンドバーグと非常に豪華。

夢で逢えたら (テレビ番組) – Wikipedia

奇妙な出来事(1989)

『世にも奇妙な物語』の前身。ちなみにこの時間の番組で成功したものはゴールデンによく移動していたのですが、そこでは何故かあまり成功しなかったものが多数ある中で、これ(『世にも奇妙な物語』)だけは成功を収めました。ちなみに深夜時代のストーリーテイラーはタモリではなく斉木しげる。

奇妙な出来事 – Wikipedia
世にも奇妙な物語 – Wikipedia

カノッサの屈辱(1990)

フジ深夜といえばこれ、という有名番組にして傑作番組。何かの業界の争い、たとえばカップ麺業界や製菓業界などの世界の歴史のパロディで解説してゆく番組。これは毎週生で見ていました。この番組のため仲谷昇のことを「教授」と呼んでいた人もいたほど。近年でも何度か特番が作られました。

カノッサの屈辱 (テレビ番組) – Wikipedia

アインシュタイン(1990)

あの有名番組「ウゴウゴルーガ」のスタッフの番組で、前身となったもの。内容的にはわりと深い科学番組なのですが、あのCGアニメーションで展開されるために今までのそれらとは一線を画すものとなっています。

アインシュタイン (テレビ番組) – Wikipedia

TVブックメーカー(1991)

現実の出来事を予想して賭を行うという番組。とはいっても本当のブックメーカーのようなものより、「米ソサミットの調印式で両大統領が使う万年筆のブランドは?」などある意味ばかげたものが多かったです。通過の単位には前述のカノッサの屈辱より「カノッサ」が使われました。出演は糸井重里、泉麻人、秋元康、鴻上尚史など著作系の人が多かったですね。

TVブックメーカー – Wikipedia

カルトQ(1991)

これは後にゴールデンにも進出しましたし有名ですね。とあるカルトな知識を競う視聴者参加番組。ちなみにYMOの回では、当時電気グルーヴのメンバーだったまりんこと砂原氏が(ほかの2人に応募させられて)参加し、ガチで優勝してしまうということまで起こりました。

カルトQ – Wikipedia

NIGHT HEAD(1992)

何故か近年アニメ化されたりしている息の長い超能力ドラマですが、元はこの時間帯。兄弟の逃避行劇ということで、女性(&腐女子)に人気があった模様ですが、ちゃんと男が見てもみどころのあるものです。配島邦明氏の音楽が秀一。

NIGHT HEAD – Wikipedia

征服王(1992)

新ルールのボードゲームですが、何故かチェスのようなナイトなどのコマが人で構成され、プレイヤーが指示を与える毎にそれが動くというもの。たしかにげーむがおもしろいのもありましたが、今でも妙に人気のある番組です。

征服王 – Wikipedia

ロ(1992)

ある意味実験の極み的番組。画面には「ロ」の文字だけが写り、その背後から会話のする声を聞くというもの。おそらく今やったら怒られるでしょうね。

ロ (テレビ番組) – Wikipedia

とぶくすり(1993)

めちゃ×2イケてるッ!のメンバーがはじめて揃った、いわば前身番組。

とぶくすり – Wikipedia

たほいや(1993)

広辞苑を使ったゲーム番組。周富徳、松尾貴史、三谷幸喜、森雪之丞、山田五郎といったタレント本業ではない人中心。地味だけどおもしろかったです。

たほいや – Wikipedia

Trap-TV(1993)

非常に多数あるフジ深夜の中でも、トップクラスで夢中になったのがこの番組。この番組はとある1人がミステリーを語って聞かせ、もうひとりがその謎を推理するという進行になっています。そのためにミステリーは静止画(写真)で行われるのですが、その演出の不気味さ、怖さがストーリーと相まって非常によくできていたのですよね。ミステリー自体も最後、「あっ!」と毎回思わせるような仕組みになっていて、釘付けになりました。あと、劇中の静止画のところどころに暗号パズル(ニコリ制作)が隠されていて、それを解くと物語のストーリーがさらに深くわかると言う仕組みもありました(それを解いて送ると何かもらえたらしい)。そのため、この番組はVTR保存を推奨していました。なので、今でもうちにそのテープが残っています。最近見られるのは見ましたが、今見ても秀逸な演出、そしてトリックでした。これより後に作られた映像媒体でのサスペンスは、またこれを越えるものは見つかっていません。
残念ながら最近ではフジのCSで一度再放送されただけでDVD化されていないのですが、最近ではミステリーもののゲームも増えてきてこのようなものが受け入れられる土壌もあると思うので、是非多くの人に見て欲しい逸品です。

Trap-TV – Wikipedia

まとめ

まだまだあるのですが(絶対に「オイコラ、○○がないぞ」と言われると思う)、きりがないのでこのへんで。他は以下からでも。

JOCX-TV2 – Wikipedia

ちなみにこの時代には深夜アニメはごく一部、『レモンエンジェル』や『スーパーヅガン』のようなアダルト向けやギャンブルものしかありませんでした。

とにかく、多くの番組で今でも感心できるような工夫が凝らされていたのですね。この時間帯は番組を見ても「ああ、ゴールデンに比べて金かかってないなあ」というのがわかるのですが(たとえば有名タレントではなくて新人とかで構成されたり、ロケとかがなくてスタジオ1つ、それも地味目のものでやるとか)それでも釘付けになる魅力があったのですよ。それは番組構成とか画面構成などで。

今、テレビ局は制作費がないようですが、このように当時も限られた状況ですばらしいアイディアが生まれたのですし、新しい方向を開拓してほしいと思ったりします(まあだからといって、下請けへの制作費をカットしていいことにはならないですが)。

最後におまけ。このJOCX-TV2時間帯は各番組の前に必ずアイキャッチが流れていました。それで有名なのは羊のキャラであるポーですが、中には恐怖イメージとなって、都市伝説まで生まれたものも混じっています。心臓弱い方は注意。

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