パチスロの新規客が減っている理由はアーケードゲームが経験したジレンマと似ているかもしれないという話

※この文章は2009年に書かれたものです。

今日の文章、最初はパチスロのことだけについて書いていたのですが、途中でこれとアーケードゲームの関連が深いのではないかと思い、いろいろ書き足しました。というわけで、こっちでは珍しいゲーム系のエントリーです。


私はパチンコ、パチスロを全くといっていいほどしません。だいぶ前に、PS2とかでリリースされるパチンコシミュレーションゲームを調べるために、パチンコ、パチスロでどんなのが人気があるのかというのを調べたことがあるのですが、その時もいろいろな機種を知ったわりには結局しませんでした。

よくネット上でパチンコ、パチスロをしない理由としては北朝鮮の資金源になるとかいうコメントもけっこうありますが、私の場合たとえそれがなくても単純に金がかかるから。たしかにギャンブルなので儲ける人もいるし、それを狙って遊ぶ人もいるでしょうが、私はギャンブルは構造上胴元が儲かるように出来ていて、自分が儲かる確率は低いと認識しているからしません。そしてそれ以上の理由として時間がかかるからです。もしパチンコやパチスロを楽しいと思ってやれる人ならいくら時間を費やしてもよいでしょうが、残念ながら私の場合、娯楽としてならほかにやりたいことはいくらでもあるという感じなので。おそらく、パチンコ、パチスロをやらない人の多くは似たような理由なのではないかと。まあ、自分がしない娯楽の原因なんて、ほとんど「金」と「時間」にかかわるものですよね。

でも、パチンコは最近キャラものとか出てますし、金があって暇ならやってみるとおもしろいのかも、と思う時はあります(ただ、過去2〜3回やってハマらなかったけど)。しかし、パチスロはパチンコに比べてやる気が全く起きないのですよね。その理由が「目押し」の存在。



一応、2〜3回はやったことがあるので、だいたいどうやればいいかくらいはわかります。で、パチンコのよくあるタイプ(CR機)の場合、玉を入れて弾いていれば、内部で確率変動して当たれば玉が出るということくらいは知っています。ただ、腕や目利きはあるかもしれませんがそれの主な要素は「確率」であるという認識です。つまり、弾く手を止めていても当たる時には当たるという感じ。

しかし、パチスロの場合は「目押し」というものが存在するというのも知っています。で、それは私の印象では、「これだけで利益が左右されるわけではないけど、出来ないと損をする可能性のあるもの」なんですよね。このへんを見ても、出来ないとせっかくの確変が来てもとりこぼししそうな感じですし。

目押し - Wikipedia

もしかしたら、最新のパチンコ、パチスロ情勢では上に書いたようなものとはだいぶ違うのかもしれません。しかしながら、パチンコ、パチスロに詳しくない人、逆に言えば新規客層になる候補者なんていうのは、それくらいの知識しかもっていないのではないでしょうか。いや、もっと詳しくない人なら「目押し」のうまい人しか儲けられないという固定概念があってもおかしくありません。

つまり、この「目押しという技術を持っていないと、やっても損をする」という意識が、新しくパチスロをやる人を阻害しているのではないかと思ったのです。

■@グリーンべると|NEWS DASH| ※リンク切れ

ここでは、「パチンコ機は前年同期比6万7679台(2.4%)増の283万1788台。パチスロ機は同17万6840台(11.4%)減の138万821台」となっています。似たようなものなのにこのような上下差が生じるのは何故かと考えると、それぞれの人気機種の違いだけではなく、前述のような要因も一因としてあるのではないでしょうか。



しかし、ここでまた考えてみるとこの現象、15年前くらいに全く同じような問題を抱えていた業界があったのではないかと思うのですよ。それがゲームセンター業界。

ゲームセンターでは、15年くらい前から格闘ゲームが大ブームになります。しかし後期に入ると、それまでやってきたプレイヤーとやってないプレイヤーの間にはかなりの実力差がついてしまいました。当時はインカムなどの関係からほとんどが対戦台だったのですが、その結果はじめてやるプレイヤーは慣れているプレイヤーにボコボコにされて、30秒でゲームが終わってしまうなんてこともあったのですよね。しかもゲームはそういったプレイヤーに合わせるように、どんどん高度化、複雑化してゆきました。それに対して当時から「ゲーセンに新規客層が近づかなくなってしまう」という問題はよく言われていました。ただ、お金をたくさん落としてくれるのはそういったヘビーゲーマーだったので、引くに引けない状態になっていたのですね。

しかし、格闘ゲームはだんだんと衰退してゆきます。それは飽きられたというのもありますが、ユーザーがその実力差に離れてゆき、また新規の客がそのレベルに最初からあきらめてプレイしないという現象が起きてしまったのも一因だと思われます。そして格闘ゲームブームは終わり、今は固定タイトルのみが出ている感じです。

もしかしたらパチスロもこれと同じ現象が起きているのではないでしょうか。つまり、「目押し」という技術が、未経験者にとっては参入障壁となっていると。あの目押しの技術はどれだけやれば身につくがわかりませんが、そんなことで苦労するくらいなら、やらないか、仮にやるとしてもパチンコに行くと。

いや、こう考えるとパチスロばかりではなくパチンコもその技術の格差に晒されているのかもしれません。コンビニに行くとパチンコの攻略雑誌がいろいろ置いてありますが、あそこまでやらないと勝てない、つまり素人がただ行って打っていただけでは勝てなさそうと思い、行かなくなるという感じ。こう考えると、金銭的問題の他にも、パチンコ、パチスロの人口が減ってくる要因となるように思えます。

しかしそうだとしたら、今のパチンコ、パチスロメーカーにはゲーム会社との兼業や、内部を作っているのはゲーム会社ということがあるみたいですから、同じ歴史を二度繰り返しているという意味で皮肉なものがあります。


さて、このような状態から脱するのは、ゲーセンならば「音ゲー」といった救世主がありました。つまり全く別のおもしろさを持ってくることで、腕の差に関係なく新規客を取り込むという感じ。しかしパチンコやパチスロの場合、それはまず出来ません。それをやったらパチンコでもパチスロでもなくなるので。あと、あまり詳しくないのですが、ギャンブル性を高くした機種も規制を食らったらしいですね。

こうなると、パチンコやパチスロはどんどん人が抜けてゆく可能性は高いと思われるわけです。しかし、何らかの手は打ってくるでしょう。案外、昔パチンコだけだったホールにパチスロが生まれたように「第三のパチ」が生まれる可能性もあるかもしれません。それが公的に許されるかどうかはわかりませんが。