「キモイ」という言葉が生まれた現代に思うこと

ちょっと前の話になるのですが、飲み会で友人から聞いた話。その友人はそれより前に行われた合コンで女の子と仲良くなろうと話していたら、酔いが回って来た時くらいに、自分の顔を指さされて笑いながら「キモい」と言われたとのこと。それでショックを受けたと。まあこれだけならそれなりによくある話かもしれません。ただ、印象深かったのはここでその友人が言ったこと。それは「昔って、『キモい』に該当する言葉ってなかったよな」。

さて、これはなかなか興味深い。たしかに「キモい」の語源は「気持ち悪い」ですが、これが「キモい」と全く同じの意味合いを持つかいえば(文脈によるとは思いますが)違う気がします。そして、この「キモい」という言葉と同じ意味を表現するものがそれ以前からあったかと考えると、どうも思いつかないのですよね。なんというか、あらゆる面で使い、その中には別に侮蔑の意味は含まれない場合も多い「気持ち悪い」に対して、「キモい」はほとんどの場合は侮蔑目的で使われるというか、「気持ち悪い」よりひどい言葉のような気がします。

■参考:“キモい”は撲滅すべき凶器的言語である。

この言葉がいつ生まれ、いつごろ広まったのかは不明ですが、知る人ぞ知る名物アスキーアートである八頭身モナーと>>1さんが生まれたスレッドは「8頭身のモナーはキモい」ですので、これの生まれた2001年9月25日にはすでに存在していたことになります*1

この言葉が、それを差す存在があるのにうまく説明できる言葉がない故に生まれたものなのか、それともはじめに言葉ありきで、あとからその存在となるものが集められたのかはわかりません。ただ、その友人はこう言ってしました。それは日本人のやさしさがどんどんなくなっている証拠だと。これも負け惜しみたど一笑に付すことはできません。今で言うキモいに該当する対象は昔からあったでしょう。しかしそれに対しての言葉が長い間生まれていなかったのは、日本人が優しかったからともいえなくないのです。しかし近年「キモい」という言葉は生まれました。なら、前述のことを全否定することも出来ないのではないでしょうか。

この言葉「ダサい」みたいにそれなりに定着するのかはわかりませんけど、「ナウい」は死語となり、「ダサい」がそれなりに生き残っているあたり、マイナスの言葉ほど残る可能性があるのかもしれません。そして定着したら、アメリカで言う中指おっ立てて言うヤツみたいな、殴られても文句が言えないくらいの侮蔑語となっていく可能性もあるかも。でもこの「キモい」という言葉、現状だと言葉を使う中心が若い女性なので、言われた男性がショックをより受けやすいから「キモい」を強く感じるというだけかもしれません。もしかして、歳をとった人までもが使うようになったら、それなりに意味合いが変わってくるかもと思ったりします。あと、数年後には「ナウい」みたいに死語になってしまう可能性も否定できませんし(逆に言えばこの言葉をなくすためには、流行遅れの死語にしてしまうという方法もなきにしもあらず)。

まあ、こういうことをいちいち気にしたり、だらだら書くような人物がキモいと思われる方もいるでしょうがそれはそれで。

*1:ネット歴が若い人にはわからないかもしれませんが、当時は「このスレが生まれるために2ちゃんねるは存在していた」と言われるほどの盛り上がりだったのですよね