空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

岡崎二郎作品最新作『宇宙家族ノベヤマ』

前回の『』のエントリーで『アフター0』からの引用を行いましたが、これの作者の岡崎二郎氏というのは、私が学生時代に同作品を読んでから、一番好きなマンガ家の一人となっています。
ともかく代表作の『アフター0』シリーズは、漫画喫茶でもブックオフでもいいので一度読んでください。はまる人なら一気に全巻集めるくらいハマると思います。
ちなみにどれか1冊、なら、個人的には先日紹介の2巻か、「仏陀降臨す」が乗っている9巻(アフター0 9 (ビッグコミックス オーサーズ・セレクション))がおすすめですね。

さて、氏のマンガ歴は長いですが、作品発表時期がSF作家らしいというか、どうもバラツキがあって、気がつくと雑誌に載っているけどまた気がつくと消えていた、と言うのが多いです。故に、短編集である『アフター0』以外の単行本でも多くは短編連作方式で(キャラは共通している場合が多い)、1巻から多くても3巻程度です。しかしどれも面白いのですけどね。
 ちなみに『アフター0』以外では、シリアスが読みたいなら『[asin:4063143171:title]』、ちょっと変わった男女のラブ※的な関係を見たいなら『[asin:4091842216:title]』ホームコメディなら『ファミリーペットSUNちゃん! 1 (1) (ビッグコミックス)』などと色々なものが揃っています。
詳しくは、以下のページに詳しいので、ご参照ください。


 ■岡崎二郎著作閲覧室(K大付屬漫畫圖書邢さん内)
  http://kdai-toshokan.web.infoseek.co.jp/hyoshi.htm


さて、そんな岡崎氏の活動場所は主に『ビックコミック』の系列誌で、ここ数年は『ビックコミック』本誌で不定期連載でをされていました。主には『アフター0 Neo』やSUNちゃんシリーズですね。
ですが、この度いつのまにか新しい連載が始まっており、またいつのまにか単行本が発売されておりました。
[asin:4091810896:detail]
今回のはなんと舞台は宇宙。あらすじは以下のような感じです。

会社一筋だった主人公であり一家の父親である野辺山雄一。しかし会社で敵対派閥を追い落として出世が決まった時に、いきなり国の命令として8歳の息子・翔太が親善大使「メッセンジャー」として宇宙に行くことになってしまいます。(彼が選ばれたのは、遺伝子的に理由がある)
そこで家族にもついていくかの選択権が与えられますが、出世がパーになる雄一は最初拒否。それで妻ともケンカになります。そして振り返ればそれ以前から自分の仕事しすぎのせいで一家がバラバラだったのに気づきます。そして息子の悲しい顔を見たとき、彼は思い直して宇宙に行くことを決意し、完全に嫌がる娘、美里も連れて一家は優秀なパイロット2人を連れて宇宙に、そして未知の世界に突入します。

という感じです。

いきなり異星人との交流があったりといつものSFっぷりはありますが、それと同時に「家族の関係」というホームドラマのような要素まであったりするのはさすがに岡崎氏の作品というか。
ただ今回はいつものような1話完結式を並べてあるってよりは、連作的要素が強く謎を後に引っ張ります。ですので岡崎作品がはじめての人だと1巻を読んだだけだとけっこう把握するのが大変かもしれません。まあそれでも十分楽しめますけどね。(でも『アフター0』あたりを最初に読んでおくと、なおよいかも)


とりあえずまだ1巻目ですが、期待できると思います。岡崎作品は驚きの伏線が張られていることが多いので、それも期待です。

ちなみにこの本、帯に「試し読み大歓迎 ビニールパックをかけないでください」と書いてあり、書店によっては立ち読みが出来るかもしれないので、そういう本屋があったら読んでみてください