前回のコミケにて、サークル『自転車操業』(←「創業」ではないほう)さんが、Suicaなどの電子マネー決済をやっていたというのが話題になり、それが記事になっていました。
今回私もコミケに出ており、二日目でゲームミュージック本を売っていました(お越しくださった方、ありがとうございます)。そして、実はそこで電子決済を利用しておりました。しかしそれは自転車操業さんのようなSuicaなどの電子マネーではなくて、簡易カード決済サービスのSquareにおいて。
あるなら使わなきゃということでSquare決済を導入
以前、ちょっと興味があってSquareのアカウントは持っていたのですが、実際に使う機会がありませんでした。昨年夏には入手していたので持って行こうかなあと思っていたのですが、その時はコミケとしてこのような決済がOKか不明だったので(あと新刊落としたので)、保留としておきました。しかし今回の冬コミ前の第三拡大集会において、電子決済の質問があり、準備会より「個人がやる分には混雑しないならかまいません。決済に時間かかって混むようなら考える必要もあるが」との回答があったということで、うちで混雑するような心配は全くないだろうし、実際に使ってみることにしました。
■参考:コミックマーケット85第3回拡大準備集会一般の部レポート - Togetterまとめ
で、これが当日の売り物、オレンジ色の本の右下に置いてあるのがSquareの読み取り機。これをiPhoneに装着して使います。
まあ用意したのはいいのですが、試してくれる人がいるかどうかのほうが微妙だったのですが、運良くこれを使ってくださった方がいらっしゃいました。こちらもはじめてのことでしたが、勉強になりましたので誠にありがとうございます。
Square事前準備
さて、ちょいと時間を遡りまして事前準備。ますappStoreより無料のSquareアプリをダウンロードします。
当日、そこで入力することも出来ますが、手間と時間を考えて、前もって商品を登録しておくことにします。
で、登録した画像が以下のような感じの。
実際の使用手順
実際の決済時には、これを選択してからiPhoneに取り付けたカードリーダーを通すことになります。ディフォルトでの対応カードはVISA、MasterCard、アメックス。実際にやってみるとちょっと読み取りにくかったので、何回か通す作業を繰り返すことになりましたが(単にうちのリーダーのせいか、通し方が下手だったのかかも)。あとカード番号だけの決済も出来るようですが、それだと手数料が高くなるようです。
その後カードが認証されると、署名を要求されますので、購入した方に画面をなぞって実際に書いてもらうことになります。
そこで終了。あとオプションで送り先を入力してもらうと、領収書をメールアドレス元かショートメールに送ることも出来ます。
数日後、指定口座に振り込み
そして3日後の1月2日、メールに指定した銀行に送金したとの連絡が。当然年末年始で銀行業務は休みでしたが、後日手数料を引いた分の振り込みが確認出来ました。
Square決済のメリットは?
さて、こんな流れで実際試して、うまくいったわけですが、いろいろ考えることがありました。今回は混雑度的にも時間的にも余裕があったわけでうまくいきましたが、このSquare決済においてはメリット、デメリット両方があると思います。
そこで、思い当たったことをちょっと書き出してみましょう
導入が簡単
まずメリットとしては、電子決済として導入が簡単ということがあります。今だと読み取るためのリーダーをコンビニ(ローソン)でも売っているくらいですしね(審査はありますが、そこまで通しにくくないはず)。それとiPhoneやAndroidスマホがあればアプリも用意していますし、事前に商品登録しておけばスムースに行えます(署名の便利さ的にIpadなどタブレットだとなおよいかも)。
支払い履歴が残る
あと、コミケの現金決済ではいつ、どこで払ったかが不明瞭になることがあり、希にそれがもとで(意図的かそうじゃないかは場合によりますが)釣り銭トラブルが生じることがあります。しかしこれだとちゃんとログが残るので、そのようなものを回避することも出来るかと。
電子マネーならではの利点
もちろん電子マネー共通の、現金のやりとりに置ける煩雑さ(小銭のばらつき、釣り銭の用意の必要)から解放されるのもありますね。
カードリーダーの電源がほぼいらない
一番最初の自転車操業さんの電子マネー決済だと、電源の存在がネックになっていた感じがありますが(まあ予備バッテリーがあればいいのだけど)、こちらは基本スマホなので、そこまで気を遣う必要がないのがポイント。まあそれでも一応予備バッテリーはもっていきましたが。
思い当たるデメリット
とはいえ、今回直接はなかったのですが、場合によりデメリットも存在するだろうなと思いました。
手続きに時間がかかる
実際にやってみますと、アプリでの商品選択→カードを通す→署名してもらう→最後の確認(領収メールが場合によってはメアドなど入力)の手順を踏むわけですが、どんな頑張っても一分はかかるのではないかと。今回は全く混雑しないうちのサークルなので全然問題はありませんでしたが、これが列が出来るようなサークルになると、余計混雑するもとになりかねません。となると先の電子決済の利用条件として準備会側から発言された「決済に時間かかって混むようなら考える必要もあるが」というところに引っかかってしまうことになります。
セキュリティ問題
今度は使う側のほうからの懸念。
クレジットカードがよく盗まれて勝手に使われるというニュースはよく聞きます。それは現物をそうされるだけではなく、スキミングなどでデータを盗まれたり、もしくはカード番号だけ盗まれる場合も。決済をする以上、カードをサークル側に渡すことになるわけですが、ここで悪意がある人が混じっている危険性も完全には排除できません。
国内なら店の場合特定がそこそこ容易ではありますが、コミケの場合それより人物の特定が難しくなる場合もあります。今ならまだ利用者も少なく、使った場所もわかりやすいので特定しやすいし犯罪も行われにくいでしょうが、今後、増えて来た場合に課題となるでしょう。
ちなみに自分の場合は時間的余裕もあったので、購入して頂いた方と確認をしながら、悪用しているという懸念を排除しつつ進めるように心がけました。
あと、カード会社対応が全部ではないとか細かいところはありますが、そこは普通のクレジットカードと同じなので今回は割愛します。
今後の進化に期待
そんな感じではじめてのSquare導入だったわけですが、メリット、デメリット両方が存在した感じですね。
導入のたやすさでいえばかなりメリットがありますが、混雑を産み出す可能性を考えると、多くの人が訪れる可能性があるコミケなどはちょっと使いづらいかも(もしくは別口で窓口を設けるか)。このへんはSuicaなどの電子マネーの方が有利ですね。オンリーイベントなどの中小規模とかフリーマーケットみたいなほうはSquareでも向いてるかも。
ただ、Squareにしても電子マネーしても、セキュリティの問題は降りかかってくると思います。固定店舗ではなく、不特定多数が交流する場である即売会である以上特に。だって一番確実な現金で決済している今までであっても、トラブルが起こることがあるくらいですからね。
こういう情況をふまえて、電子マネー決済も時間的、もしくはセキュリティ的懸念が少なくなるように進化するでしょうし、これからに期待したいところです。