空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

度々「テレビが売れない」って言われるのでまた理由を考えてまとめる

今日は待ち時間から歯の治療中に、一つのことを考えてみました。それは「何故テレビが売れないか」ということ。
このテの話題は、ネットでニュースを見ているともう定期報告なんじゃないかと思う位に流れてきます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121031/238829/business.nikkeibp.co.jp

でも、なぜだかその決定的な理由というのはユーザーからつぶやかれることはあっても、メーカーなどからは出てきませんよね。そして何度もこのように売れないという言葉だけが響くと。
それについて以前ちょっと思うところをいろいろ書いてみたのですが。
nakamorikzs.net
それをふまえ、今日は思いついたものをもとに、もっと簡単にまとめてみます。まあ重複するところもわりとありますが、「テレビが売れない」ってもう飽きるほど連呼されているので、それに対しての理由をまた書いてもよいでしょう。
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内部的コンテンツの問題

「テレビがつまらねーんだよ」
「見るものもないから買う必要もない」

説明不要ですね。まあ主観によりますが。

外部的コンテンツの問題

「テレビ見ないで、その分ケータイとかパソコンとかゲームとかやるから」

これと上のものは相関関係にあり、つまりは時間を使う重要度がテレビ<他のコンテンツの時に生じるといえるでしょう。

生活における視聴時間の問題(主に20代から定年までの男女)

「そもそもゴールデンタイムに仕事で家にいねーよ」
「学費ないからバイトしなくちゃ……テレビなんて見てる時間ないし……就職活動費用も貯めないと……」

これはさらに上のコンテンツ的問題にかぶさる形で、コンテンツ全体<仕事などの生活時間となった時に生まれます。
個人的にはこの二つが若い人がテレビを見ない、故に買う必要もない主たる要因ではないかと思っています。いまどき7時に帰宅して夕食後ナイターとかテレビを見られる30代サラリーマンがどのくらいいることやら。

経済的問題

「買う金がない。着ていく服もない」
「テレビ買うんだったら他のものに金遣うよ!」

これも時間と同じで、ほかのほしいもの、必要なものの購入にテレビを買うための金が吸い取られていると考えられます。

受信料制度における契約の問題

「NHKの受信料徴収がうるさいくらいなら、テレビなんて持たねーよ!」

正直受信料の徴収は押し売りや新聞勧誘員並の生活公害化しているような。昭和の1世帯1テレビのままの法律がほぼそのまま運用されているような受信料制度、徴収(契約)方法も限界にさしかかっているのではないでしょうか。

節電運動の波及

「節電しろってアピールされているな。よし、テレビ消して節電だ!」

別にテレビに対する嫌味ではなく、実際節電のためつけっぱなしだったテレビを消した家も多いのではと。で、そこで不必要性に気づいたが故と。

維持費の問題

「電気代値上げしてるし、テレビもってても電気代かかるしなあ。ましてや最近の大きいヤツだと」
電気代ですねこれについては昔のテレビと今ので消費電力がどう違うか実際のところはわかりませんが、でかさや映像からいって今のほうが高いと思っている人が大多数ではないかと。あと、受信料も維持費になりますが、契約解除まで進み人はまだ少数派かと。これからどうなるかは不明ですが。

スペースの問題

「狭い部屋にテレビ置く場所がねーよ! ぶつ森の家みたいにたやすく拡張出来ねーんだよ!」

まあそれでもだいぶ薄型になっているのでなんとかなってるという感じはあります。

需要ひと段落

「アナログ終了時に買い換えてまだ一年経ってないし。今使ってる新品をどうしろと?」
これが最近の一番多いものかも。テレビって昭和の時代はそれこそ30年とか持たせる家具だった感じで、そこまでとは言いませんが今でも数年で買い換えるものじゃないというのが一般的意識じゃないかと。後述の理由もありますしね。

もったいない心理

「(チューナー付けたりケーブルテレビなら)昔のテレビまだ使えるのにもったいないじゃろ。全く近頃の若い者は物を粗末に……」

これが実は潜在的に高年齢層に多いんじゃないかと思っています。だってうちの実家もそうで、まだブラウン管+ケーブルテレビだし。
見られればいいと現状満足している人に、使えるものを捨てさせるというのはけっこう抵抗が働くと思うのですよ。自分だってどう考えても型落ちのパソコンのパーツとか、将来ファイルサーバに出来るかもとか、Linux入れて遊び道具にすれば……とか思って捨てられませんし。

リサイクル料金の問題

「テレビ捨てるのに高い金かかるのヤダ。あと廃品回収も怪しいから出したくない」

実はこれが潜在的に多いのではないかと思っています。現在テレビを捨てるのには家電リサイクル法のため、大きさやメーカーなどによって違いますが、5000円前後とられるようです。かといって回ってくる廃品回収車は、無料を謳いつつあとから料金を請求する、後日もってきて修理代金を請求するなど、問題を起こしやすいところが多いということも知れ渡ってきています。よって今のもので不満がそんなないなら、捨てられないそれを使い続けるという選択をしている人も多いかと。特にブラウン管をまだもっていて、家電量販店での引き取りなどをしてくれない人なら。

機能複雑化の反動(主に高齢者や機械類に弱い人)

「あまり複雑な機能ついているテレビってわからんのじゃよ……ワシは今のスイッチとチャンネルだけあるテレビで十分じゃ」

最近普通の家電でもけっこう操作が複雑ですよね。私とかみたいにそれを弄るのが好きな人はいいのですけど、それが嫌いな人というのも世の中には多いと思われます。特に高齢者や女性(でも男性でもこういうの苦手な人が知り合いにいるけど)。らくらくホンだって売れているのですから、わりと説得力があるような気がします。
でも逆に言えば、操作を昔のテレビのように極力シンプル化したもののほうが案外需要があるかもしれない、と思ったりします。リモコンなんてチャンネルボタンだけ、くらいストイックな方がいいと思うのですけどねえ。

まとめ

ぱっと思いつくだけでもこれだけありましたし、ほかの潜在的要因を探せばまだ出て来そうです。つか、逆に言えばこれだけ大なり小なりありえそうな要因があるのに、売れるほうが不思議かなと。少なくとも他の製品ではそうですよね。どうも分析的に売れるものと判断されているというより、昭和と同じようなテレビはデメリットを凌駕することのできる魔法の箱、という幻想(信仰)が残っているのではとも思ってしまいます。仮にそうなら、それが一番の売れなくしている要因かもしれませんが。