空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

Twitterの有料オプション追加で起きそうな問題点

巡回していたら以下のようなニュースがホッテントリになっておりました。

つぶやきを有料コンテンツに――Twitterに課金システム、来年1月から - ITmedia プロフェッショナル モバイル

あまり細かいことは書かれていないので、どんなものになるかよくわからなかったのですが、図も合わせてみると現状でなんとなくどんなものなのか大枠はわかりました。上がわかりにくかったので、自分なりにまとめてみます。あくまで記事からの推測なので、間違ってらゴメンということで。

・存在するのは「有料つぶやきサービス」と「コンテンツ課金」。それがそれぞれ月額課金と個別課金という方式(100円〜1000円)がある。

・「有料つぶやきサービス」の「個別課金」は、あるユーザーが「これ課金にするべ」と思ったつぶやき(ツイット)を何か指定を入れるなりして投稿すると【有料】の表示とともに文字の一部が伏せ字とかになって読めなくなる。で、それを読みたいユーザーがクリックなりすると、すでに課金OKなユーザーはそのまま課金されて読める。そして課金登録していない場合は決済画面で決済の後読めるようになる。

・「有料つぶやきサービス」の「月額課金」は、それの月ぎめVer.で、有効期限内なら読み放題とか?

・「コンテンツ課金」の「月額課金」は、つぶやきにリンクがあるが、そのリンク先はおそらくTwitterのサーバの中で、読むのに課金が必要。で、登録してある場合はそのまま、登録していない場合は決済画面に。で、こっちには「個別課金」はないように読めるので、月内での有効期限版かなと。

あくまで現存のデータで推測する限りはこんなとこかなと。イメージ図で見る限りは登録しないと完全に読めない有料メルマガなどと違い、つぶやきごとに指定できるみたいですね。

具体的な活用方法ですが、まあよく言われているように有名人のつぶやき有料販売とか、有料コンテンツ誘導なんてものが考えられます。


しかしこの有料化、「金」がからむことで、今まであったTwitterのあり方や文化を大きく変える可能性もあるのではないか、と思うのです。何度も言うように現段階ではどのような形になるのかさっぱりわからないので何とも言えませんが、ちょっと予想される問題点について考えてみようと思います。

現状だとカタリ放題

現在、Twitterでは複数アカウントを自由に登録することが出来ます。それで、有名人を騙ったものも(たぶん)あるでしょう。ただ、これはmixiなどでもあったようにある意味ネット上における「ネタ」文化でもあるので、本人に迷惑がかからなければありかのかもしれません。ただ、有料になるとそれを悪用して、芸能人を騙る人が出てくる可能性があるのではないかと。まあ一度騙されるだけならいいのですが、変なところに飛ばされて、何らかの被害に遭う可能性もあると。

まあ上のような例はかなりのレアケースで滅多に起きないとは思いますが、本当の問題はそのような「疑い」がかかってしまうことなのですね。先日、伊集院光氏がTwitterをやり始めたのですが、当初本物かどうか判断が出来なかったのですよね。ただ、実害もないので(それに偽物でも本物のノリをわかっている人なら楽しめそうだってのもあったので)Followしたのですが、上のように悪意のある偽物が出回り出すと、この判断に迷ってFollowに慎重になるのではないかと。あと、ネタ的文化がなくなるのも寂しいですし。

アダルト&情報業者の反乱

私はいくつかブログをしていますが、コメントのスパム排除機能が実装される前には連日のようにアダルトサイトや情報商材の誘導リンクが張られていました。そしてTwitterに「金」の概念が生まれると、これと同じ事が起きるのではないか、という危惧があるのですよね。つまりタイムラインがそのテの有料リンクで埋まってしまうという感じ。たしかにTwitterはそういったものをリムーブできるのでさしたる問題はないと思われるかもしれません。しかしこれも主たる問題はそこではなく、これによって見知らぬ人へのFollowに警戒感が生まれることなのですよね。すなわち、上のようなことをやられてしまうので、あまり知らない人はFollowしないようにするという感じ。

現在、私は既知の人だけではなく、ネット上にいる多くの人のことを知りたいと思うので、明示的な宣伝など以外はたいていFollowを返しているのですが、こうなるとちょっと警戒感が湧いてきます。

アカウントが金銭的価値を持ってしまうことに対しての問題

さて、この有料課金の個別課金(つぶやき毎に課金の場合)はもちろんTollow数が多ければ多い程課金のチャンスが上がるわけです。となると、Followの数を増やしたい人は出てくるでしょう。実は現時点のTwitterにおいては自作自演でのFollow増加がある程度は出来てしまうのですよね。それを使って「発言力がある人」のように見せかけて、あとで商売に使う可能性についてまず考えられます。その結果、そういった自作自演アカウントが爆発的に増加してしまう可能性はないかと。

あと、Yahoo!オークションのIDよろしくアカウントが乗っ取りにあう可能性も考えられます。特にID変更などで利用されていないアカウントの乗っ取りあたりはあり得るのではないかと。


総じて、金銭が絡むことにより、今まで掲示板からブログのコメントからmixiからとあった悪意を引き込みかねないのではないか、というのが一番の心配なのですよね。いや、実際に被害に遭わなかったとしても、その場が荒れてしまうことはあり得ます。さすがに対策は練ってくるでしょうが、このテのものはいたちごっことなるのがパターンですので、結果として焼け野原になり、今までのようにTwitterを楽しめなくなる可能性はないか、というのが危惧されるところなのです。となると、そうならないためには悪意に対してTwitterの管理側は真剣に対策を練らなければいけないでしょう。

となると、どうしても出てくるのがmixiのような本人認証などですが、完全にそれをするにはかなりの面倒くささが伴います。その結果、今まで順当に広がってきたTwitterが頭打ちになる可能性もあるのでは、とも思えるのです。


ただ、今まで欠点や問題点ばかり述べてきましたが、使い方によってはこの有料Twitter、おもしろい活用方法もあるかもしれません。たとえば募金。クリックすれば簡単な小額決済に使えるので、何かがあった時に募金が集めやすいかもしれません。まあ手数料が高い気がしますがそこは検討するとして(ただここにも募金詐欺の可能性が出てきますけどね)。あと、Twitterfeedなどによってなされているブログの更新通知(伏せ字はなし)に有料をかませれば、「Web投げ銭」みたいなことができるかもしれませんね。つか、募金に関してはやろうと思えばはてなポイントとかでも出来るような気がするのですけど(ポイント送付はすでにあるし)、はてなコンテンツ以外のもっと広い範囲でってことで。


ただ、正直なところそこまで大きな問題にならないとも思えます。それは有料化があまり浸透せず、上記のような悪意のFollowも自己の対応だけでどうにかなりそうな範囲で留まりそうな気もするので。せいぜいはてなのポイント送付のようにたまに使う人が出てくる程度の規模で終わるのではないかなあと思っています。

どっちにしても一番の問題は、課金登録をしてくれる人がどのくらいいるか、ということだと思います。ニコニコ動画でさえ無料の閲覧者が多い昨今、この方式がうまくいくかというのが興味深いですね。そういえばmixiの課金登録者って多いのかな??