空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

雑誌アンケートの回収率を増やすためには当選者発表欄についてちょっと考えた方がよいかもしれないという話

このようなエントリーが。
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たしかにアンケートを送った方が、作り手、この場合編集部の人は貴重な意見やデータとなるので、ありがたいでしょう(もし送られて困るのだったら、アンケートなんてないはずですしね)。そして雑誌によっては作品についてコメントを寄せると作家さんに届くようですし、そうなれば励みにもなるでしょう。

しかしながら、アンケートはその雑誌を買った全員が送るわけではありません。正確な数字はわかりませんが、おそらく雑誌購入者の数%くらいではないかと思われます。かくいう私も、学生時代には買った雑誌のはほぼ絶対送っていましたが*1、ここのところあまり送っていないなあという感じ。


まず第一の理由は単純にめんどくさいから。つまり雑誌からはがきを切って記入し送る、もしくは官製はがきに貼り付けて送る作業がめんどくさいからですね。これは単純に書くめんどくささもありますけど、どうしてもアンケートを書くときに「考えてしまう」というのがあります。つまりその書くことを考えるのが面倒で(特に記号選択ではなく文字列)、アンケートを送るのをやめてしまうという感じ。

さらに、ある程度の年齢になるとそのアンケートを送ることでもらえるもの、つまり懸賞品もあまり魅力的ではなくなるのですよね。少なくとも、少年誌にあるようなものは一番高いものでも金を出せば買えてしまうので。

でも、それでもそこでしか手に入らないものってありますよね。例えば懸賞の為に作られたグッズ(昔ならテレカがよくあったなあ)とか、サイン色紙とか。それらはたしかにアンケートを出して、少ない確率に賭けてみたい気分にもなります。また、そうではなくても純粋に「自分の評価を編集部や作家さんに伝えたい」という気持ちもあるでしょう。しかしそれでも尚、アンケートを送るのに際してひとつの障壁があると思うのです。それは懸賞の当選発表。

懸賞の場合「商品の発送は発表を持ってかえさせていただきます」ではない場合、その当選者が巻末あたりで発表されます。これは大昔からあって、そして今でも続いてます。何故そうするのか。それはもちろん当選者が自分かどうか一目でわかるというのもありますが、もうひとつ、本当に懸賞品を用意しているという証拠にもしているのではないでしょうか。つまり懸賞品の提示だけしておいて実際はその品物がないと思われるのを避けるという感じ(まあやろうと思えば偽名で当選者を出すという事も出来なくもないでしょうが)。ただ、この部分が人によってはアンケートを送るのを躊躇させているのではないでしょうか。

わかりやすい例で言えば、普段はアニメやマンガの趣味を同級生や同僚に隠しているとすると、もし当選して名前が載ってしまうとばれる可能性があるのではないか、と考えてしまうということ。まあさすがにその可能性は低いでしょうが、自分の名前を知っている同じ趣味を持っている人が同じようにアンケートを送り、そしてそこの確認をしているときにその名前を見つけてしまう可能性は否定できません。そうなると、隠し通したい人にとってはダメージなわけです。まあ好きならば気にすることはない! と言いたいところなのですが、それはそれとしてどうしてもオタク系にかかわるものだったら、隠したい人っていうのがいても不思議ではありませんよね。ちなみにエロマンガ雑誌とかって、こういう懸賞の発表ってどうなっているのですかね。もし実名で単行本とかエロDVDとかTENGAとかの発表していたら、ある意味すごいですが。むしろ応募した人に漢を感じてしまうNE!)。

ともあれ、このように実名が希望商品と一緒に公表される可能性を恐れて、アンケートを送らない人というのもそれなりにいるのではないでしょうか。特にその雑誌のマニア度が高くなってゆく場合特に。それに加え、最近は個人情報保護についての意識が高くなってきているので、マニア度とかに関係なく、雑誌に実名が載ることが嫌という人がいてもおかしくありません。少なくともそれで読んでいる雑誌と実名がわかってしまうのですから。


このように、実名の公表がアンケートの回収率の低下、そして結果の偏りを起こしている可能性というのは、すごい大きい偏差を引き起こしているというのではなくても、全くないとは言えないと思うのですよね。では、そう思っている人達からもアンケートを集めるにはどうすればよいでしょうか。

まず、案としては当選者を匿名にするというのがあります。これは今も行われている「当選者の発表は発送をもってかえさせていただきます」。ただ、前述のようにこれをすると本当にプレゼントをしているのか疑われる可能性がありますし、当たったら届くにせよ、外れた人はそれが当面わからないこととなります。ならば、アンケートの当選者発表の名前を希望者はペンネームにするというのもあるかも。つまりアンケートに「当選時の発表名義」を各欄を作っておいて、当たったらそれで発表すると。ただこれにも欠点があり、下手をすると重複して、当たってない人に当たったと錯覚させてしまう可能性があるかも(実名でも同姓同名って可能性はありますが)。あとは、ナンバー制ですかね。弾に雑誌でもやってますよね。ランダムなナンバーがついてきて、それが宝くじになるっての。あれをアンケートにつけておくとか。ただ、コストがかかりそうですね。

まあ、そんな当選者欄のところに載っている名前なんていちいち見ないし自意識過剰と言われればそれまでですが、アンケート自体必ず出したいと思うことはあまりないでしょうから、そういった小さなマイナスもださないよういんになるのかもしれないという感じで。

しかし一部雑誌でやっているようですが、これからは携帯などでできるネットアンケートというのも案外普及してくるかもしれませんね。これだったら当選者にメールアドレスへの返信という形にすることが出来るでしょうし(これも複数投票、自作自演の可能性などが問題になるとは思いますし、それを防止するためのナンバーはコストかかりそうですが)。


さて、今日書いていて、実はアンケートと一口に言っても、それを出す様々な状況によって結果が変わってくるのではないかということに気づきました。しかし長くなったのでそれはまた後の機会に書きます。

*1:ちなみに当時(15年前くらい)のアフタヌーンの当選率は異常に高かった。発行部数が少なかったというよりは1000人プレゼントとかもあったし、かなり数が多かったのがあると思う。