空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

昔録画したビデオテープをとっておくことで失うもの

前回『同人誌をなかなか処分できない心理』で書いたように部屋の片付けをしているのですが、雑誌や同人誌以外でも処分に困っているものがあります。それがビデオテープ。パソコンにキャプチャーボードはあるので、やろうと思えば全部取り込んでしまえるのですが、それには1本だいたい2時間かかります。しかし持っているのは、10年前に録ったアニメなど、今ならば簡単にレンタルできたり購入できるようなものばかり(例・初回放映時のエヴァ)。それならわざわざ汚い画像を取り込むまでもなく、いつでも見られるだろと。ただ、それでもなんとなくそのまま捨てられないのですよね(どっちかというと、当時のセガサターンなどのCMをとっておきたい)。もちろん『アメリカ横断ウルトラクイズ』とか手に入らなさそうなものは保存しますが、こういった中途半端なものは移すか、捨てるか悩んでいます。

しかし、ここで思ったのです。もしかしたらここでとっておくことによるメリットよりも、捨てることによって得るもののほうが大きいのではないかと。

これを捨てれば、たしかにそれを見ることは簡単ではなくなります。たとえば急に見たくなり、そのためにTSUTAYAに行けば、その分の金銭的ロスにもなるでしょう。しかしながらとっておくことでのロスというのもあるのではないでしょうか。

例えば、所有、そして管理することでの手間。ビデオの場合前述のように経年劣化するのでDVDに移しかえないといけません。その時に移しかえるための手間(時間)がかかります。もちろん、「その移しかえる作業が楽しいんじゃないか」という人ならいいとは思いますが(気持ちはすごくわかりますし)、そうではない人にとってはこの作業は苦痛なのではないかと。さらに、ビデオよりましだとしても、やはりDVDにも保存スペースが必要です。それも直射日光の当たらないように注意しないといけない。となると、おそらくこの先一生見ない気がするもの、また取り返す手段のあるものは捨ててしまったほうが、手間や時間のロスをなくすという考えも出来ます。このへん、商店などによる在庫の扱いと考え方が似ているかもしれません(こっちは税金とかの要素もかかわってくるでしょうが)。

そして、誰かが移しかえてくれて、部屋のスペースもたっぷりあるというような人でも、これらを所有することで損失が生じる可能性はあります。それは、見ることによる時間のロス。

だいぶ前にやっていたブログで、このようなものを書きました。

空気を読まないブログ 録画したビデオは、見るためのものではないという考え方
 ※今、試験的にカイジのテンプレートだけど、気にしない方向で。

この『ワンダービット』では、ビデオを撮ることが重要であって、それを見るのは時間のムダだとしてします。もしかしたら、現在の私も似たような状況なのではないかと。つまり、これらを保存しておくことにより、将来これらを見てしまう時間を無駄にしてしまうのではないかと。ましてやこれらのものは、すべて一度見たものですし。しかしこれらを捨ててしまえばあきらめがつき、その時間を新しいものに向かわせることになるのではとも思うのです。それでもどうしても見たかったら、先述のTSUTAYAとかがありますし。となると、もったいない気がしても捨ててしまったほうがいろいろな面で特ではないかと。

一昔前なら、余暇の時間に比べて娯楽が少なかったので、ひとつひとつが重要だったと思いますが、現在はその時間と娯楽の量は逆転しています。となると、時間をとるというのはその娯楽を保存するよりもかなり重要なことなのではないかと。

しかしこう考えてみると、昔のほうが余暇の時間が多かったというのは、「金銭」によって個人にかかる娯楽の供給量が制限されていたので、そう感じていたからというのもあるのかもしれません。しかし現代はインターネットなどで、無料の娯楽が膨大になってしまったために、その制約がなくなってしまい、時間を圧迫していると言えるのかも。しかしそう考えると、違法にP2Pとかでゲームを入手している人って、金銭は払っていませんが、その分時間(ダウンロードする手間)という財産を、様々なリスクを冒してまで無駄にしているとも言えます(当然免罪符になりませんが)。プレイしていないで溜めている場合は特に。そう考えると、積みゲー、積ん読をしている人がそういうことをしているとしたら、かなりおかしい話になるのかも。

そんなことを考えると、いらないものは思い切って捨ててしまったほうがよいのかなと。今までも捨てたものは無数にあれど、後から「あれ、捨てなきゃよかった」と思うものは全体のうちごくわずかですし。まあ前の同人誌と同じように、それが簡単にできれば苦労はしないのですけどね。


最後に、ものを捨てる思い切りになる方法ひとつ(主に都市部在住の方に有効)。部屋からものが片付かない場合、家賃(持ち家の場合は、同程度の目安で算出)を部屋の面積で割って、その無駄なものが置いてあるスペースの月々の家賃を算出する。たとえば6畳ひと間で6万の場合、トイレなどをあわせてもだいたい1畳分1万円弱くらいと。そしてその置き場所が年間とっている家賃を計算する。そうすれば年10万程度、そのスペースに金がかかっているということになります。そういう思考をすれば、無駄なものを捨てたり売ったりする勢いにはなるかなと。