空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

子どもの行為で親に一番注意してほしいのは奇声をあげること

めずらしく真面目っぽい話。

街に出ると、よく子ども(ここで言うのは幼児〜小学生くらい)がマナー違反な行為をしていることがあります。特に音なり行動なりで「騒ぐ」行為ですね。程度の差こそあれ、気になる人は多いと思います。ただ、同じことを(もちろんやや形を変えて)大人がやっていると怒りの対象になると思いますが、子どもだと、「まあ子どもだから」という許容が働く人は多いと思います。特に、自分もやってきたようなものであるなら。もちろん限度はあると思いますが。

特に、そばにいる親が多少なりとも子どもに注意している場合は、まあいいかと思うこともあるのですよね(このご時世、子育て大変なのはわかりますし)。というか上のような行為に怒る場合も、子どもよりもそれを注意しない、監督責任のある親に怒りが行く場合も多いでしょう。だけどそれを注意しようとすると、不信人物扱いされるのでなかなかできないというこの世の中。なんだかなあ……まあ、ここに突っ込むと話が異常に長くなると思うので今日は割愛します。


しかし、一般的にあまり注意がされないように見えて、実は一番やめさせなければいけない、と思う行為を最近よく目にします。それは奇声をあげること。

最近、外でいきなり「キャーーーー」というようなはしゃぎ声とはいえない、叫び声のような奇声が、子どもの口から出されることがあります。で、みんなが驚いて振り向くのですが、単にその子どもは叫んでいるだけで、身の回りに危険がありそうな様子はない。おそらくはテンションが上がった、もしくは叫ぶのが気持ちよくてそうしているのだと思います。まあ昔もテンションが上がった子どもがそうやるのは不思議ではなかったのですが(特に校庭とかでね)、公共の場所でやるというのはあまり見かけなかったような気がします。それは恥ずかしい云々以前に迷惑になるから。まあそう思えるのも、そんなことをしてはダメという親の教育があったからでしょうね。

さて、どんな迷惑になるのかといえば、うるさい、それも高音域なので非常に耳障りであること、それに「子どもの悲鳴」に聞こえるので、近くにいる人が何かしたかと怪しまれるということもあります。特に親が近くにいない場合はさらに。まあ、最近は「そうする子どもがいる」という認識が多くの人に広まってきたのか、そうそうみんなが怪しい目で見るというのはなくなったようですが。

しかし、もっとも危険なのは子ども自身だと思います。しかもその声をあげている個人はもとより、子ども全体が。というのは、このブログでもたまに使う「狼少年効果」が働くから。私の場合だけかもしれませんが、このような単に子どもがはしゃいでいるだけの例にわりと多く遭遇するので、すでにそういう声だけ聞こえても、別にただ無意味に声をあげているだけ、と思ってしまうのですよ。一応周りを見渡したりして確認できるところはしますけど、少なくとも子どもが危機に遭遇している場面にはあったことはありません。ですが、この「慣れ」が進んでしまった時、もし本当に子どもが危険な目にあった場合も、叫びによって大人の助けを呼ぶことが出来なくなるのでは、と思うのです。ただでさえ、見知らぬ子どもに関わると白い目をされる世の中ですから、あまり重大なことがなければ避けたくなる気持ちもあるでしょうし。しかし、現実はそういった危機も起こりえます。故に叫び声は緊急の時以外はしてはいけないと教え、まさしく狼少年にさせてはいけないのではないかと思ったりしました。


とはいえ、この叫び声での狼少年効果、何も子どもだけではないのですよね。最近たまに、殺人事件などで叫んでも誰も出てこなかった系のニュースが流れることがありますが、あれも全員が全員、面倒に巻き込まれたくないとか、怖いからいやだというわけではないと思うのですよ。というのは、街とかだと場所によっては、酔っぱらいが夜中に叫ぶことがあり、それに慣れてしまうことってあるのですよね。私も昔住んでいたところで夜中仕事をしていると、静かな住宅街にいきなり遠くから喧嘩の男女声(悲鳴と怒号)が聞こえることがありました。最初のうちは驚いて出て行ったのですが(ただ、遠過ぎて確認は取れなかった)、近所の人に聞いたところ、単純に酒に酔って喧嘩しているだけだったそうです。でもってそれが何回か繰り返されると、誰も相手にしなくなりました。深夜に起こされてそんなのにつきあうのもばかばかしいでしょうし(ちなみにただの馬鹿喧嘩で、生命に影響があるようなものではなかったらしいことも付け加えておきます)。おそらくこのような心理で、実際にそんな環境にいると犯罪で叫び声がおきても、いつものようにただの酔っぱらいだろうから出ていかない人というのはきっといるのではないでしょうか。


ちなみに、本当に緊急のことが起きた場合は、悲鳴や叫びではなくて、ちゃんと大声で言葉として、何が起きているかを叫んだ方が、「いつもとは違う」と周りの注目が集まるでしょう(ちなみに大昔ある人に、泥棒が出たら「火事だ」と叫べ、そうすれば周りから「泥棒だ」と言うよりも急いで人が出てくるからと言われたことがあります)。まあ、緊急時にそんなことが出来れば苦労しませんが。