空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

『ナンバーワンよりオンリーワン』は、オンリーワンがどちらも内包しているのだから当たり前

今日のネタ、いかんせん古いので誰かが先に書いていたらそれはそれで(追記:すでにはてなキーワードに最初のツッコミ部分は書いてあるし)。あと例によってネタタグ。

数年前に「ナンバーワンよりオンリーワン」という言葉が流行りましたが(歌詞だと戸を叩かれそうなので、あくまで言葉ね)、これ、今思えば当たり前なのですよね。いや、別に「オンリーワンは価値があるから、ナンバーワンより上」というのが当たり前というのではなくて、オンリーワンの時点でナンバーワンだろと。あるフィールド(分野)において、100人の中で1位なのがナンバーワンで、そのフィールドに一人しかいなかった場合はオンリーワンだとすると、後者も1位ですよね。1人中1位なわけですから。つまり、オンリーワンな時点で、不戦勝のナンバーワンでもあるわけです。そう考えると、あの言葉は同一のもの比較ということで、少しおかしくなりますよね。まあ、ここで考えるのをやめると面白くないので、もう少し進めてみます。

あの言葉の指すところというのは人間なので、言いたいところは「とある価値(分野)における競争で打ち勝って一位になるよりも、その人しか持っていない価値を大事にしようよ」みたいな意味でしょう。*1その意味において、ちょいと2つを整理してみます。

■ナンバーワン
・その価値を認めている多くの人がいる(社会的評価がある)。
・その分競争相手も多い。

■オンリーワン
・価値を認めている人が少ない。
・ただし、競争相手はいない、もしくは少数

このふたつの主な違いは、その価値観における構成人数。そしてナンバーワン市場は人数が多い分、シェアの奪い合いとなるのかと。しかしオンリーワン市場は競争がない分、価値を認める人が少ないです。こう考えると、ナンバーワン=レッドオーシャン、オンリーワン=ブルーオーシャンとも言えるのかなと。ただ、市場経済と同じく、ブルーオーシャンに必ずしも宝の山が埋まっているのは限りませんが。

さて、そんなオンリーワン市場ですが、ここも仮にこの価値観が多くの人に認められてしまうと、たちまち競争が激化し、ナンバーワン市場に巻き込まれる可能性が高いのではないでしょうか。オンリーワンはいつまでもオンリーワンで在り続けるとは限らないわけです。逆を言えば、昔は競争が激しかったナンバーワン市場も、価値観が薄れていくと、オンリーワン市場になってしまう可能性もあります(今だったら、機械やパソコンの導入でいらなくなったものでしょうか)。

そう考えると、オンリーワンがオンリーワンで在り続けることも難しいのかも。まあ、その場合一番最初の人はその市場におけるアドバンテージがあるとは思うし、評価対象者も増えているはずなので、悪いとは言えないかもしれませんが。

*1:ナンバーワンはあっても、オンリーワンが存在し得ない指標(会社の業績など)というのもあるので注意。