空中の杜

旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

ツンデレと熱血スポ魂の共通点

かなり風邪に近い状態になっております。よって今日はかなり頭がイイ感じになっちゃってるのでどんな文章を書いても明日の自分が責任を取ってくれるとは限らない状態になってますのでそのつもりで。


最近でもないですけど「ツンデレ喫茶」なるものがありますよね。まあいまだにメイドカフェも行ったことのないのですけど(それだったらマンガか本買って缶コーヒー飲むタイプのオタクなので)、一度くらい行ってもいいかもと思いましたが、あれって調べてみるとどうやらイベントであって、常設としてはないみたいです。まああったとしても、検索で出てこないしごく少数でしょう。

■参考・教えてgoo! - ツンデレ喫茶を探しています。

さて、一時期ブームになって、R-25などにも紹介された「ツンデレ」ですが、何故それを用いた喫茶店が広まらなかったのか。
まあ、私はこれを見たときに「それは単なる店員の態度の悪いメイドカフェなんじゃ……」と思ったのですが、まあその通りだったからでしょうね。とはいっても何もこれは店が悪いとかではなくて、多くの客が期待しているツンデレというものが喫茶店の営業形態では成立しないものではないかと思ったからです。
ツンデレというのはWikipedia - ツンデレから抜粋すると、

「生意気な態度が、あるきっかけで急にしおらしくなる」あるいは「本心では好意を寄せていながら天邪鬼に接してしまう」という様子

受け手にとっては、意のままにならなかった相手に心を開かせる支配欲、もしくは相手に身も心も委ねてしまう被支配欲を満足させる形になる。そのためツン状態にも強い感情・関心を伴う点が重要な要素である。恋愛感情や尊敬の念、母性本能や嫌悪感にせよ、同じくらい強い動機を持ったツン状態とデレ状態のギャップが受け手にとっての魅力となる。

とあります。

つまり、ツンデレに求められているのは、それまでの関係での態度変遷と最初と最後のギャップであってステレオタイプな「○○じゃないんだからねっ!」ではないのではと。メイド喫茶の場合、「メイド」のような主人とメイドという立場的個性(主従)ならばその時だけで表現することも可能かもしれませんが、このような人間関係性を伴う個性の場合、たった数時間で表現するのは不可能ではないかと思うのですよね。それこそゲームやマンガでよくあるような数日とか数時間、場合によっては数年かけてそれを表現しつつ、だんだんとデレになっていく様子をユーザーに見せながら期待を高めて、「デレ」になった時の解放を楽しませるというふうにしないと受け手を満足させることは出来ないのではないかと。だから、前述のようなステレオタイプしかできないのでツンデレ好きな客を満足させられない、故に必然的にツンデレ喫茶はほとんどないということになります。まあツン状態だけが好きって人もいるかもしれませんが、少なくともそれはツンデレじゃあないですな。


しかし、こういった時間をかけて期待を高め、高まったところで解放(クライマックス)という、いわゆる「溜めと解放」(なんかこう書くと『R-TYPE』のタメ波動砲みたいだなあ)というのは何もツンデレに限った話じゃないんですよね。要は過程と結果があって、この場合過程をツン、結果をデレとすると過程(溜め)が困難になればなるほどクライマックス(解放)の結果が持ち上がって見えるという感じ。
そしてこれはほぼ全てのストーリーものに言えると思います。例えば恋愛ものではふたりの間に困難が立ちふさがるほど、ラストで結ばれたときの感動は大きいと。まあそれぞれの世代で思いつくマンガは一つはあるのではないでしょうか(私の年代だと『タッチ』とか『めぞん一刻』あたりかな)。ちなみに逆に言うと、なんだか結ばれ方が安易だったりとか納得できないものは、この溜めが足りてないとも言えます。まあ最近だと結ばれてからの成長を描くっていうのも多いですけどね。

そしてこれは極論スポ魂でも同じことが言えます。恋愛ではなくてもライバルやその他数々の障害などで道のりが困難なほど、ラストで甲子園などの目標達した時の感動は何倍にも膨れあがるという感じですね。


しかし、ツンデレ自体は最近の言葉ですが、こう考えると原型としては昔からあるパターンなのですよね。ま、逆に言えばこのように昔からマンガにあるパターンでまた別にカテゴライズされていないものに、正体「ツンデレ」とか「ヤンデレ」のように名前がつけられるものが出てくるかもしれません。というか多分出るでしょうね。