なんか亀田戦の際にはいつもその報道のやり方がネットで騒ぎになるTBSですが、今回はそれに反してTBSラジオが絶賛されています。それは例の投げのシーンにて、「これはひどい」「最低の試合です」などと、大多数のリスナー(テレビなら視聴者)が思っていたことを堂々と言ったからでしょう。
さらに、夜10時からのリスナー参加型討論番組「アクセス」では、この問題に対しての討論が行われ、比較的冷静なコメント(ちゃんと行為を非難するもの)が発せられていました。(満足したか、失望したかというものなので、微妙にずれがありましたがまあ姿勢を問うとそもそも討論番組にならなさそうだし)。あと、勝谷誠彦氏もこの件について発言したようですが、おそらくこれもTBSラジオの「ストリーム」だと思われます。
実は、今回に限ったことではなくて、この前のランダエダ戦でもこの傾向はありました。微妙な空気を出していて、亀田勝利を祝うムードではなかった番組もありました。
さて、同じTBSという名をを冠しているものなのに、何故ここまで違うのか疑問に思った方も多いでしょう。しかし、ここ5、6年くらいのTBSラジオを聴いていると、まるで社風が違うということを番組から感じることが多いです。
まず、TBSラジオは現在TBSラジオ&コミュニケーションズという会社となり、同じビックハットを社屋としているものの、別の会社(関連会社)となっています(民放連でも別会社の扱いとなっているらしい)。
そして、あまり冒険を好まなさそうなTBSテレビと異なって、面白いことにチャレンジしてそれをやってのけることが多いです。そのおかげか、ここのところはライバルのニッポン放送や天下のNHKを抜いて、時間帯聴取率1位になることも多いようです。
私もテレビを見ながら作業が出来ない人なので、もっぱら音楽かラジオを聴くことが多いのですが、多くはNHKかTBSラジオです。まあ電波の入りもあるのですけど、面白いのですよね。
これはすべてのAMラジオ局に言えますが、現在のラジオの対象年齢は高年齢化が進み、朝から昼あたりまでは高齢者向けの放送が多いです。「大沢悠里のゆうゆうワイド」など、20年を超えるものも珍しくありません。しかし夜は雰囲気が変わります。アニラジ系、つまりアニメやゲーム関係を中心に扱うパーソナリティには声優さんが多いものがひとつ(文化放送が多い)、そしてお笑いやニュース系討論番組などもあります。ここから深夜までの時間帯が私の年齢層では一番面白い。そしてミュージシャンがパーソナリティを務めるものももちろんあります。
その中でもTBSは前述の勝谷氏やらかなり切り込んだことをしてきます。ちなみに私は風呂でラジオを聴きながら『夜な夜なニュースいぢり X-radio バツラジ』を聴いているのですが、ネタが最新のニュースをとその周辺を面白く取り上げるもので、この時間帯でしか出来そうにない下ネタも多いですがかなり面白いです。まあオヤジ向け番組らしいんだけど、私もオヤジになってきたのかなあ……でもニュースから関連する知識まで(役に立つたたないは置いておくとして)得られるのはいいです。
あと、現在あのオールナイトニッポンと同時間帯にやっている「JUNK」は、木曜(ナインティナインのオールナイトニッポン)を除いた他の月火水金曜日ですでに聴取率を抜いています。特に伊集院光の月曜はリスナーもラジオにしてはかなり多く、2chの実況スレがラジオにしては異例の速さで進行してますね(これはナイナイも同じですけど)。
しかしこれらが何で面白いのかというと、テレビでは出来ないこと、というかそっちをなぞろうとしないで、ラジオ独自の面白いことをいい形でやってのけてるんですよね。
下ネタのようないい話のようなところでこんな話。
土曜のTBSラジオ深夜放送担当時代に、放送禁止用語や女の子のオナニー声を放送したり、リスナーから大便を募集するなどの過激な企画を連発。地方局のネット打ち切り等が起きた。結果、担当ディレクターの交代など、TBSから厳重に注意を受けたことがある。
その他過激な企画をやり続け、ついに当時重役だった清水洋二の耳に入るが、「面白いことやってるじゃねえか」となぜか気に入られ、「こいつだけには番組持たせておけリスト」にノミネート。以後、夜ワイド、深夜帯(月1回放送)などを経て、現在のTBSラジオでの番組担当につながる。
Wikipedia - 宮川賢より
あとWikipedia - 伊集院光 深夜の馬鹿力もかなりの伝説があります。
他にも、放送局が自主規制していた『放送禁止歌』をまとめて流す(RCサクセションの『サマータイムブルース』とか)番組をしたり、かなり革新的なことをやっています。
ちなみに前の清水洋二氏というのは、社長を経て現在は会長。ときどきこれらの番組にも出てきました。おそらく面白いというのがどういうことか分かっている人だなあと思います。
現在ラジオの聴取率は、昼時の3%台がオバケ番組、深夜で1%行くとテレビのゴールデンで30%行くくらいの価値があると言われています(ちなみにJUNKの時間帯はそんなスポンサーがあまりつかず、小学館1社でやっていたりします。昔はスポンサーがなく、自社関連CMだけやっていた時代もあったらしいです)。そんな狭い市場となっているラジオですが、それ故にラジオというメディアが好きで、面白い番組を作ろうと思う人が残って独自の文化を築いたのかもと思ったりします。
まあ、この時間帯、テレビをつけっぱなしで見ていない人は、一度聴いてみてもいいかと。好き嫌いは分かれると思いますが。ただ、一定時間帯は宗教番組が流れることもあるので、そういうのが嫌いな人は注意(まあ聴いたらCM以外は比較的普通の番組ですけど)。
あと、iTunesのPodcastでもこれらの番組のものがあるので、そこから暇なときに聴いてみるのもいいかもしれません。