ブックオフで家電を売却しにくい要因

先日、ブックオフが赤字に陥ったというニュースがありました。

中古本販売チェーンという新業態を日本で確立した、ブックオフコーポレーション。一世を風靡した同社が、2…

ニュースを見ると、中古本やソフトの販売は増収であるにもかかわらず、新しく始めた家電事業の不振が大きく響いているとのこと。今日はそれについて。

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あいかわらずいらすとやさん万能。

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ブックオフとハードオフは違う会社

ブックオフが中古家電事業に力を入れたのは昨年からで、各地の店舗で販売を始めました。これは中古本市場が縮小を続ける中での事業拡大で、多方面への買取及び販売へと舵を切ったようです。

ちなみに似た名前の「ハードオフ」がありますが、同系列の会社ではなく、別の会社です(ブックオフの会社がブックオフコーポレーション、ハードオフの会社がハードオフコーポレーション)。とはいえ業務の提携があり、一部店舗でブックオフ子会社とハードオフがフランチャイズ加盟契約を締結していました。

フランチャイズとして販売していました。しかし2015年春にその提携を解除し乗り出したのがブックオフの家電事業でした。

 中古品買い取り・販売大手のブックオフコーポレーションは17日、中古家電を扱うハードオフコーポレーションとのフランチャイズチェーン(FC)契約を3月31日付で解消すると発表した。現在FCで展開している

中古家電の買取が進んでいないらしい

ただ、記事を読むと家電の売り上げより先行投資費用のマイナスが響いたようです。そして最初の記事には『問題は、「何でもリユース」への業態転換のカギとなる中古家電の買取が、計画どおり進んでいないことだ。』と書かれています。

リユース市場は言うまでもなく買取と販売を効率よく循環させることで利益を得ますから、買取が集まらないとしたら売れない以上に死活問題となります。しかし考えてみると、ブックオフというところでは家電は集まりにくいような気がするのです。

買取価格に対する不安

中古本において新たな市場を切り開いてきたブックオフですが、それは本、とりわけそれまでの古本屋にあったような古書ではなく、新刊に近い本(新古書)までをも安く売ることで人気を集めたことによります。反面、買取値も安いことで有名です。売れ筋のものはともかく、その他では持ち込んでも予想よりかなりしたの価格だったというのを経験した人も多いでしょう。ただ、本の場合はどうせ捨てるところだったし引き取ってくれるからいいや、と思う心理が大きく働いていたこと、そして持ち込んで買取値に不満があっても重いのを持ち帰るのがイヤということから比較的売却の需要が高かったと思います。

ところが家電は大半の場合一品でも高価格帯のものです。となると、売る方も慎重を期してなるべく高く買い取るところを調べるケースが多いでしょう。

となると、本で「安値の買取」のイメージがついてしまっているブックオフは、売り候補の時点でかなりハンデを背負っているのではないでしょうか。つまり最新じゃない家電を持ち込んでも、マンガの時と同じように安い買取値になってしまうというイメージがあるという感じで。

大手の競合が非常に多数

あと古本と大きく違うのは、中古家電の場合買取の競合が非常に多いことにあります。それも古書のような小さい規模ではなく、大企業が参入しているものも。ビックカメラ系列になったソフマップなど特に。あとヤマダ電機も拡張の方針のようです。

 家電量販店最大手のヤマダ電機は、消費者から買い取った中古家電の再販店舗を今後2年程度で現在の15店から3倍の50店規模に増やす。消費増税などに向けて最新家電より割安な中古家電を、消費者が選べるように

本の場合は中古販売店自体が少なく、新古本市場を開拓したブックオフが大きなシェアを占めていましたが、家電はハードオフはもちろんのこと、大手家電量販店系列(ソフマップなど)からネット業者まで幅広く取り扱いをしています。さらにシステムも整っていて、買取値の検索がサイトから出来るところも多数あります。それらの中から一番買取値が高いところを選ぶが故、どうしても集まりにくいのではないでしょうか。

つまり、中古本と同じ方程式で買取をしても、品物の集まりはよくならないのではないでしょうか。古本と同じ文法だと、もうリサイクル法回収や粗大ごみで出すと金のかかるようなものを売りにくるというケースはありえるでしょうが、考えられる限りそのようなものは大半引き取り不可でしょう。

 現在の店舗販売規模が小さすぎる

あと本日店舗を見てきた感想ですが、現時点では家電は店頭に幾つかのショーケースが出来ていて、その中でスマホやタブレット、ゲーム機やケータイを主に売っている感じでした(炊飯器やディスプレイもあり)。ただ、なんとなく「本のおまけで売っている」という感じがぬぐえませんでした。それは前述の通り品物が集まりにくいことに加え、現時点ではスペースに余裕がないのもあるでしょう。となるとハードオフのような店舗いっぱいに家電製品を並べているところと比べると、どうしても見劣りしてしまいます。

実店舗ならではの活路はあると思う

ただ、ブックオフの家電販売がこの後急激に上がってゆく可能性も十分あり得ると思います。というのは「実店舗(対面)で売却出来る」、すなわち買取に不満だったら拒否出来るというのはネットでの売却に比べて大きな利点だからです。そしてブックオフの強みとしてはその店舗数が多いことにあります。

故に多くの人が売りに来る、それ以前に査定にくるようにするには、やはりブックオフの買取は安くないというイメージをつけるために、対立よりもさらに高い買取値にして、且つそれをアピールする必要があるのではないでしょうか。あと中古はどうしてもすぐ壊れるかもという心理があるので、それを克服する補償制度も必要と思われます。

また店舗もどっちつかずではなく、本の不採算店や競合地域は全店舗家電などハード扱いにしてしまったほうがよいと思います。今のままだと本のついでに見るというのはあっても、家電目当てにブックオフに行くということはあまりないなあという感じなので(まあこれはたぶんそのうちやりそうな感じですけど)。

あといくら中古専門店といっても、SDカードと保護シートくらいは備え付けてないと売れないと思います。

おそらくこの分野の競争さらに激化するでしょう。さて、勝ち残るのはどこでしょうか。