今のネットにおけるエイプリルフール企画について考える

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気がつけばもう明後日には4月1日です。新年度です。新学期です。1年の1/4が過ぎ去りました……と、いきなりページ離脱率を上げるようなことを書きましたが、4月1日といえばそういった切り替わりの日というだけではなく、「エイプリルフール」も控えております。おそらく今年も色々なサイトがエイプリルフールネタを展開し、それがまとめられたりするのでしょう。

ただ、正直なところ今のネット上におけるエイプリルフールは、インターネット黎明期のような個人が「参加する」タイプのものではなく、企業などのコンテンツを「見る」タイプのものに変わってしまったのだろうなあと思っています。それについてはもう数年前から感じていて、過去に以下のようなエントリーも書いていました。

それを書いたのが2009年、もう7年前になります。しかしそこからもまたネットにおけるエイプリルフールは変質しているのではないかと思ったので、今日はそれについて。尚、今日の文章は主に企業や組織が行うエイプリルフール企画を想定して書きます。

エイプリルフール

エイプリルフール企画の疲労感

上記のエントリーでは、昔はネットユーザーが個人で作り楽しんでいたネットのエイプリルフールは、今(2009年)ではもう企業が参入して大がかりなものになってしまい、個人が参加するものではなく見るものになってしまった。それはインターネットの広まりによりエイプリルフール企画の注目度が高まり、広報効果も期待出来るようになったからではないかというようなことを書きました。

それから7年、エイプリルフールにはあらゆる企業サイトから多くのネタが投下されます。ただ、正直かなり疲労感が見えている気がするのです。

深刻なネタ切れ

日本のネットでインターネットのネタが始まったのは1990年代後半のネット黎明期から。初期は書き込みや個人サイトのネタでしたが、1997年4月にはもうimpressがネタ記事を出しています。

PC うおっち Title Page

それから20年近く、長く続いていることによる「深刻なネタ切れ」があるでしょう。昔は「○○アニメ化」でも十分ネタになっていました(これはまだアニメ化が全然ない時代のエロゲー会社に多かったような)。しかし残念ながら今ストレートにそれをやっても、インパクトは少ないでしょう。

そのほかにもエイプリルフールでよく使われたパターンというのは多く(嘘発表のように見せかけて本当に製品化とかも)、インパクトを与えられる新鮮なネタというものはほとんど手をつけられてインパクトが薄れてしまったのではないでしょうか。

技術、素材的インフレ

以前のエントリーで、規模的に大きくなったことで個人では規模的に追いつかなくなったということを書きましたが、今度はそれが企業サイトの間でも起きているのではないかと思うのです。

近年のエイプリルフール企画は本当に発達し、ほとんど一本製品でもおかしくないレベルのゲームを作ってしまうようなところまで出てきています。

サイトに限らず、アプリなどでも大規模な企画を用意しているところもあります。つまりもう並の企業では太刀打ちがとても出来ないレベルになっているのです。

たしかにネタのおもしろさがあれば技術は関係ないとも言えますが、その会社の普通のと勤め人にそれを出せ、しかも毎年というのはかなり無茶振りでしょう。そうなるとその意図はなんとなく伝わってきて、なんというか「なんか芸でも見せろや」と無茶振りをされて、すごい苦労して面白いことをやっているような感じさえしてくるようなのは気のせいでしょうか。

広報効果としても疑問

初期にはエイプリルフールネタを出せば注目が集まり、それが広報効果になった面もあるでしょう。そしてそれを狙って出して来たところもあると思います。しかし今では広報効果として期待出来るか、というと微妙です。

まず、その企画をする企業サイト自体が大幅に増えて、よほどのこと、それこそ前述のようなインフレを超えるようなことをしなければ目立たなくなったこと。

毎年、エイプリルフールにはどの企業が何をしているかというのが各所でまとめられます。

■参考:エイプリルフールに便乗しているサイトまとめ2015年版 – GIGAZINE

ここにあるのは全部ではないでしょう。しかし、これを全部読めた人がいったいどのくらいいるのか疑問です。多くは目立つところで止まってしまうのではないでしょうか。

また、まとめてあるところから見に行く場合、その企業のサイト、というものではなく、「エイプリルフールというコンテンツの中の一部」としか思われず、まとめてあるサイトの1ページとしか認識されない可能性もあり得ます。

エイプリルフールは苦しんでやるものじゃないよね

もちろんエイプリルフールをやめろというのではなく、作る方が楽しければやめることは全くありません。しかし、作り手が楽しくもないのに無理をしてやっているのだとしたらそれは違うと思います。企業や組織の名前を出すためにおもしろくしなきゃいけないという重荷になってしまったら本末転倒でしょうし。そのへん外そうが何しようが問題ない個人がやるのと大きな違いでしょう。

余談

でも4月1日の新年度の忙しい時期ではなくて、5月の連休明けとか6月とかだったら、新人の研修用とかで別の効能が生まれていたかもなあとかちょっと思ったりしました(名前がエイプリルフールじゃなくなっちゃうけど)。

あと今、Timestepsのほうで、ネット上のエイプリルフールの歴史というのを書いています。4/1に間に合えばいいのですが、資料が見つからない(言うまでもなく大半のサイトは消えているから)ので苦戦中。

→追記:書きました。

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