ニコニコ動画のこれまでと今後(前編・ゲーム実況周りについて)

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去年冬のコミケにおいて、サークルむんくろさんの同人誌、『むんくろ読本FINAL』に寄稿致しました。

[C89]むんくろ読本FINAL 2015 | MOON CHRONICLE

そこで「2015年のニコニコ動画の現状、そして今後の予測など」というタイトルでニコニコ動画周りのことについて書いたのですが、今日はそれを一部ブログ用に修正してこちに載せます。

ただ、全部で5000文字を超えるボリュームとなっていましたので、前後分割します。

あと、本文は個人ニュースサイトを見ているであろう人を想定して書かれている面があるので、(自分が思うところでの)層に合わせたところがあります。故にもっと詳しい人(ニコニコのヘビーユーザー)には説明っぽく感じたり、はしょっている部分があると思われるでしょうが、ご了承願えればと思います。

前書き

どうも、中杜カズサと申します。

今回、『ニコニコ動画の現状と今後』的なものをお題として頂きましたので、それについて私なりに思ったこといろいろを書かせて頂きたいと思います。

ただ、ニコニコ動画も2007年のβ開始からすでに8年を迎えていて、その間に多方面に展開してきました。そして今一口にニコニコ動画の文化といっても昔ながらの動画投稿分野のほかに、従来の放送に近いコンテンツ分野(主にランキングでも常に上位になるアニメ配信)や、視聴者が配信する生放送の分野など多岐に渡っており、全部を一概に語るのは困難です。それらも軽く触れますが、今回は「ユーザーの動画創作文化」のところに主眼を置いて語らせて頂きます。

現状視聴が多い動画

ここ最近のランキングを振り返ってみますと、その上位にきているものの多くではある程度傾向が見られます。現状よく見られるのは、「ゲーム実況」と「放映中のアニメでニコニコ動画で配信されているもの」、そして「その放映中のアニメを編集したMAD」。これらがランキングの上位に上がってくる傾向があります(突発的に「ニコニコ技術部」と呼ばれる驚きのものを開発したりする動画などその他の分野がトップになることもけっこうありますが)。

昔からのイメージでニコニコといえばゲームやアニメのMAD(アイマスや東方含む)、歌ってみた系、そしてボーカロイドというイメージをお持ちの方も多いと思われますが、総合ランキングだけを見ると昔と比べると主流という感じではなくなっているようです。ただ、もちろんなくなったわけではなく、カテゴリごとに見るとペースは減ってはいるものの、いくつもの作品が上がっているのが見られます。

ゲーム実況ランキング制圧騒動

そんなニコニコ動画のランキングですが、今年ちょっとした騒ぎがありました。それは「ゲーム実況ランキング制圧騒動」(マリオメーカー問題と言われることも多い)と呼ばれるもの。

これは今年9月頃のランキングにおいて、特定のゲーム、とりわけWiiUの『スーパーマリオメーカー』の実況などの動画がランキングを席巻してしまったこと。前述のように今のニコニコのランキングはゲーム実況が強いため、それで埋まってしまうことになりました。そのことに対して一部のユーザーから問題提起が起こります。

実はこれが大きな問題になったのは、これに先駆けてニコニコ動画で『クリエイター奨励プログラム』というものが設置されたことにあります。これはそのクリエイター奨励プログラムに登録し、指定されているゲームを使って創作した場合、その閲覧数に応じてポイントが付加され、一定のポイントに達すると現金化も出来るという仕組みです。そこには任天堂も参加しており、一部の作品に対応しておりました。それが『スーパーマリオメーカー』だったわけです。

つまりそれをふまえてランキングが席巻された状態を見ると、金銭的利益のために『スーパーマリオメーカー』の動画を作成する人が増えたとも見えてしまいます。そのことが炎上する大きな要因になったのでしょう。

ただ多くの人に問題とされたのは、動画投稿者が金銭的利益を得ることそのものではなく、それによりランキングが独占され画一化されてしまい、人気の動画を発見するというランキングの役割が崩壊すること、それと金銭目当ての粗製濫造が起き得ることが大きかったと思われます。

これにより、ランキングについて議論が起こり、その要因となったとされるクリエイター奨励プログラムも槍玉にあがることになります。ただ、そもそもクリエイター奨励プログラム自体、今まで著作権的にグレーであったゲーム実況を著作権を持つメーカー公認のもとに行うという意味もあるため、それに対する批判は違うという意見などもあり、ネット上で論戦が繰り広げられました。

■参考:ゲーム実況ランキング制圧騒動とは (ゲームジッキョウランキングセイアツソウドウとは) [単語記事] – ニコニコ大百科

ゲーム実況のターニングポイント

そのような騒動も含め今ニコニコで中核的コンテンツとなったゲーム実況系ですが、今後もそうなるのでしょうか。しかし、これからの実況は今までにない大きな問題が降りかかってくると思われます。そのひとつは、題材ゲーム、特に今まで長年のゲームの歴史で積み上げられてきたレトロゲームの枯渇。

ゲーム実況が出始めの頃は、最近のゲームではなく、『ゲームセンターCX』のように昔のゲームを実況するというタイプがかなり多く見受けられました。しかしゲーム実況が盛んになってから数年経ち、YouTubeなどでの実況も含めると新旧共にすでにもう手をつけられていなゲームがほとんどないという状況になっているのではと思われます。つまり何をやっても、先に実況している人が数多くいるという状態。

動画は放送ではありませんから、過去のものもいつでも見られます。そうすると先発がいる以上、同じ切り口のものでは後発は当然注目度も下がるわけで、配信しても閲覧数が見込める過去のゲームがもうなくなってきているのではないかと思われます(ただしゲーム実況者自体が知名度を上げており、その人目的で見る人が多い場合はまた違うでしょうけど)。

そこで扱うものはどうしても現在、つまりまだ過去に手をつけている人がいないから新規参入出来るゲームになるわけです。とはいっても、やはり多くの視聴者にとって注目度の高いゲームと低いゲーム、動画向きのゲームとそうじゃないものは分かれます。となるとやはり注目度が高いものに集中する傾向になり、昔から安定している『マインクラフト』や新作で注目される『スプラトゥーン』、最近だと『アイドルマスターシンデレラステージ』などに配信が集まっているのではないでしょうか。『スーパーマリオメーカー』がランキングを占めたのも、クリエイター奨励プログラムが原因というだけではなく、配信するゲームが枯渇していたところに知名度が高く、且つ配信向きの素材が発売された面が大きいと思われます。

今度どのようなソフトが、そしてどれだけの種類が新規配信されるのかというのは、今後のゲーム実況カテゴリが拡大するのか、それとも先細りするのかを予測する面を含め、かなり注目されるところです。

後編に続きます。

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