創作物で表現される葬儀と現代の葬儀で異なる点

先日葬儀に行ってきたというのは前回のエントリーで書きました。

火葬場に駅のホームのような印象を受けた話
葬儀に行ってきました。昔は縁がなかったのに、年齢を重ねると増えてくるもののひとつというのを実感します。 さて、一千万の人口がいると言われる東京ですが、その火葬場は限られており、且つそれらの火葬場に葬儀場も併設されていることも多いため、葬儀に参加した人は同じ所に何回も行かれているという方も多いと思われます。特にお住まいのところの近くであれば尚更。 東京23区内の場合ですと、公営の臨海(流通センター近く)、民間経営の落合、代々幡、堀ノ内、戸田、桐ヶ谷、町屋、四ツ木といったところ。おそらく他の県でもこういった定番のところというのは存在するのでしょう。

葬儀は自分にとって(というか多くの人にとって)非日常のことなので、こういう機会に知ることは数多くあります。

そしてよく目にする映画やドラマ、マンガやアニメなどで見る典型的な葬式(日本の場合は仏式葬)のシーンのとは、異なっているところも数多く発見することがあります。主に「昔(主に昭和)は行われていたけど、今は行われていない」というもの。

これは創作物における葬儀に限らず冠婚葬祭時事のイベントというものはある程度創作における「お約束」が出来てしまっているのが大きいかと思われます。そして昔定番であったものが、今でもそのような感じで残っているように描かれてしまうケースも多いのでしょう。もしくはその創作物自体が昔(昭和)のものであるとか。さらにマンガやゲームの場合は、それを書いている人が葬儀にあまり縁のない世代ということ多いというのもあるかもしれません。

というわけで、今日は創作物では葬式の表現としてよくあるけど、現在の葬儀では異なっていることが多いのではというものを挙げてみます。ただし、葬式はそれぞれの宗派、地方、そして家毎に大なり小なり異なるのが当然なので、昔のままのというものもあります。これはあくまでこういう変化が起きているという一例というところで読んで頂ければと思います。

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硬貨の六文銭は入れない

仏式葬ではおなじみ六文銭(冥銭とも言う)。大河ドラマで『真田丸』をやっていますが、その真田家の家紋としても有名です(正確には六連銭)。これは「三途の川の渡し賃」に必要ということから埋葬時に一緒に入れたということ。

しかしこれ、現在ではそういった文銭や現行流通している硬貨を使うことはなく、代わりに六文銭を印刷した紙を入れるケースが多いようです。理由としては、現行の日本の効果を破損(つまり火葬炉に入れて焼却)する行為自体が法律に違反するというのがひとつ。さらに火葬時に炉を傷めるために火葬場で禁止されているケースも多いようです。

ちなみにこのほかにも、火葬時の都合(それを入れると燃え残ってお骨と混じる、ダイオキシンが発生する、炉を痛めるなど)により、結構お棺の中に入れられるものというのは限られていますので注意が必要。以下のあたり参考に。

副葬品について | 東京博善

あと、これはケース(宗派)により違うかもしれませんが、一緒に移った写真も「あの世に写真の人を引っ張っていってしまう」ということで、副葬品とするのを止められるケースもあるようです。なお手紙は歓迎されている模様。

遺体の額につける三角のやつはつけない

創作物の遺体、それよりも幽霊像ではベーシックなイメージとなっている額についている三角形の布。名前を「天冠」と言います。あれは死装束のひとつですが、今はつけないケースが多いようです(浄土真宗系は死装束自体つけなかったりするようです)。

今つけないのは、納棺したあと顔が見えにくくなるからということ。もともと土葬時代に遺体の目印をつけるためのものだったようですが、完全に管理されている今だと必要のないもののようです。

霊柩車は金の装飾があるものは減っている

創作物における霊柩車の典型といえば、あの黒い車に金ピカの装飾をしたものでしょう。しかしこれも必ずしもそうでもなくなっている模様。それはそういう目立つ霊柩車にすると忌み嫌われるので避けていたり、そもそも霊柩車自体葬儀社が所有していないことが多くなっている模様。実際町でほとんど見なくなりましたね。

今は普通の黒のクラウンなどの後部座席にお棺を収納出来るようにしているようです。

宮型霊柩車が減っている本当の理由。|伊丹のおくりびと

最近見かけなくなった「宮型霊柩車」どこへ行った?

必ずしもお清めの塩は使わない

これは近年葬儀に行かれた方は実感している人も多いのでは。つまり昔の仏式葬では、家に帰った時のお清め用として配っていた塩を、最近では配らないケースも多いのですね。

というのはここのところ意識が変わってきて、故人の霊や行く死の世界は「穢れ」ではなく、必ずしも清めるような悪いものじゃないという考えが伝わってきたからと言われています。

宗派思想はいろいろあるため念のために配るケースもあるようですが、必ずしも使う必要はないようです。そのあたりは自分の宗派などを確認してみるのがよいかと。

忌中の張り紙をしないことも多い

亡くなったあとから初七日あたりまで、玄関先に「忌中」という張り紙をするものも見受けられますが、最近都市部では減っているようです。

理由は防犯。つまり葬儀が行われることを知られてしまうと、その家でやる場合は香典泥棒、外でやる場合も留守(場合によっては隣近所も含め)になることが心ない人に伝わってしまうため。

犯罪ではなくても、墓石や香典返しなどのセールスの標的になってしまう可能性を増やすというのもあります。

セールスなどについて実際に私が味わった時のことは以下に。ちなみに忌中の張り紙をしてなかったのに、どこかから情報が漏れてこうなりました。

■参考

身内が死んだら注意すべき葬儀周辺での悪意について
身内が死んでバタバタしたり精神的に弱くなっている時に注意すべき、詐欺や泥棒、悪徳商法などの悪意について。

告別式と初七日は同時にやる場合が多い

仏式葬での法要は一般的に告別式から初七日、四十九日、一周忌、三回忌、七回忌……とありますが、最近は告別式の折に初七日法要も一緒にやってしまうケースが多いようです。

昔の村社会葬儀と違って、遠方に住む参列者も多く、七日後にまた集めるのは今の社会では負担が大きいというのが大きいようです。

火葬場の煙突はなくなっている

創作物では火葬および火葬場の記号として煙突の煙がありますが、今は火葬のための炉も発達しており、煙が出ないようになっているため、わざわざ煙突をつける必要がなくなっているからとのこと。

昔ながらの火葬場ではまだついているところも多いですが、改装されたところではなくなっているようで。東京23区内では消滅しているらしいです。

その他

これはあくまで体感なのですが、それこそ創作物の葬式シーンで典型的記号になっている黒白の幕、いわゆる「鯨幕」ですが、これも利用が減っている感じがします。そのかわりに白い幕などで周りを囲ってあったり。

そもそも調べてみると、葬儀に鯨幕を使うこと自体、歴史がそこまで深くないらしいのですが。

■参考:鯨幕とはなんですか?鯨幕の意味 | 葬儀と葬儀後の疑問解決サイト「エンディングパーク」

このへんはまた改めて調べたい感じ。

まとめ

思いつくところを書いてきました。繰り返しになりますが、これらは宗派や地域、遺族の意向などにより異なりますので、そのケースごとに家族なりで相談するのがよいかと。相談は宗派の関係者とか葬儀社とかいくらでもできると思うので。

まあ書いておいて何ですけど、正直このへんのことは私が書くよりも葬儀社の人のほうがよほど知っていると思いますし、ちゃんとした葬儀社なら実際の葬儀になれば丁寧に教えてくれるはずです(実際私もそういう葬儀社の人がいる場では話を聞いた)。

ちなみに自分やその周辺でこういうのをどういう方式でやるかというのは、元気なうちにある程度決めておいたほうがいいかもしれません。それこそヘンな悪意が入らないように、家族なり信用出来る葬儀関係者や所属する宗教の人と相談するなりして。

経験上、病気などで本当にそういうのが必要な状況になってくると、手間的にも、何より心理的に逆に手をつけられなくなるので。

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