育ってきた時代のIT環境の変化と世代間ネット意識の相違

このような記事がありました。

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昔使っていたケータイを持ち寄って黒歴史を見ようというもの。昔の携帯サイトや写真なんかが出て来ます。まあ、「この程度で黒歴史と呼ぶとはおこがましい!」という感想をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、そんなもの未来永劫残り得るネットに載せられるはずなんぞないでしょう。

しかしこれを見て思ったのは、「ああ、学生の頃のログをネットで語れる世代がもう出て来ているのだなあ」ということ。だって、自分が学生時代にはまだケータイは普及していなかったので。

 

 

インターネットの本格的普及開始から20年

日本でネットが普及し始めたのが1990年代後半、iモードが生まれたのが1999年、そしてIT革命と言われPCや携帯電話といったネット端末が本格的に普及し始めたのが21世紀初頭。それからは携帯電話は一人一台持つのが当たり前と言われる時代になりました。しかしそれ以前は、ネット通信及びそれに類するものが一部の例外(パソコン通信など)を除いてほとんど普及していませんでした。

私の年代あたり(昭和50年代生まれ)はちょうどその発展期で、ある状態とない状態が混じり合うシュレディンガーの猫が入ってる箱の中みたいな状況にありました。以前そのあたりについて書きました。

nakamorikzs.net

これを書いたのが2008年なのですが、すでに8年が経ち、物心ついた時には既にインターネットがあったという世代が大学生どころか社会人になっているのです。つまり、生まれた時からずっと携帯電話やパソコンなどの通信を伴う製品が自分の近くにあったのです。

先日、1996年4月1日にサービススタートしたYahoo!Japanがその歴史を記したものを出しました。日本のインターネットはもう20年の歴史を記せるくらいになっているのです。自分も書いてて微妙にダメージを喰らいます。

docs.yahoo.co.jp

 

年代別デジタル感覚(2016年版)

ついでなので、2016年時点で年代別のデジタル感覚を。一部の人に追加ダメージ。

現在30歳の人は、小学校高学年の時にはすでにインターネットがあり、中学校の時にはケータイの急速な普及期で高校の時にはそれなりにガラケーが普及していたと思われます。もしかしたら大学時代にスマホに触っていた可能性もあります。

現在20歳の人は、生まれた時からYahoo!Japanがあり、小学校の頃にはすでにケータイが普及していました。そして現在の高校生は、生まれた時にはすでにiモードが存在していた可能性もあります(中学生ならほぼ確実に存在していた)。

つまり、「物心ついた時にはすでにネット、もしくはケータイがあるのが当たり前の状況として育ってきた」という世代がもう社会人でも増えてきているわけです。

 

ネットに対する意識の違い

前述の通り、ネットやケータイが爆発的に普及したのはIT革命の時、すなわち2000年代初頭です。そしてこのあたりで何歳だったかでネット意識においての相違が生じるのではないかと思うのです。つまりこの頃社会人だった人はネットのない環境で学生時代、さらに上だと20代、30代を過ごしてきたわけですが、それ以下だと学生時代にはケータイやネットが存在していたのが当たり前ということになります。ともなればそれぞれで過ごしてきた生活や文化も違うことになります。

ちなみにネットリテラシーを身につける場においてもだいぶ違いがあったと思っています。自分らがネットを始めた頃は限られた空間で、しかも何か失敗しても大きく広がることはなく、そこでどんな風にすべきかを学んできました。しかし今は既にネットが大きく存在し、一度失敗するとどれが広がってしまい、ログに残ってしまうという状況。故にネットリテラシーを実地で学べる場がなくなっていると言えます。それについては以前書いたので以下を。

nakamorikzs.net

あと、ネットだけではなく、ケータイに必ずついてくる存在になった「デジタルカメラ」の有無もまた大きいと思われます(だけど携帯普及当初はカメラついてないのも多かったから、もうちょっと時代はずれるかも)。

一世代(30年)にも満たないこの20年間というのは、それだけ激動の時代だったのでしょう。それはITという技術だけではなく、それに伴う文化においても。

 

世代における環境の違いを踏まえるべき

どちらの時代が良い悪い、幸不幸は一概には言えません。便利が必ずしもいいわけではないですし、最初の記事のようにログや関係性が残ることがプラスになる場合もあればならない場合だってあるので(それについては気が向いたら書きます)。ただ、このような文化の違いを踏まえずに「俺の若い頃に比べてこいつらは~」的な考えに陥るのは危険でしょう。

「最近の新入社員はパソコンが出来ない」というニュースが流れる時があります。しかしパソコンがコンシューマ向け通信端末として最も普及していたのは2000年あたりからスマホの普及する2010年まで10年未満程度のことで(ガラケー時代も含めるともっと短いかも)、PCがすぐ近くにありネットの接続手段が主だった世代とパソコンがない環境で育った世代をスキル面で単純比較することは出来ないと思うので。

 

今後も何か劇的な変化で壁が生じるかもしれない

だけど今後スマホの次にまた新たな通信端末が生まれたら、似たような世代間の意識が出来るのでしょう。そして「近頃の若いのはスマホも出来ない」とか「(前同)ネット検索も出来ない」等言われたりする可能性もないとは言えないでしょう。そして同時に「オッサン達は学生時代に”Twitter”や”ニコニコ”なんての使ってたらしいぜ」とか言われたりするかもしれないですし。

追加ダメージ喰らって今日はここまで。