ランキング問題よりもよほどニコニコの衰退に影響しそうな問題

なんか『スーパーマリオメーカー』のランキング席巻により、ランキングについての問題が盛り上がっているような感じのニコニコ動画。

しかし正直なところ、ニコニコ動画においては、今よく言われている文脈では、ランキングなんかよりよほどシステム的な意味で作り手のモチベーションに影響しそうなところがあると思うのですよね。今日はそれについて。

スポンサーリンク

ニコニコの非プレミアム会員への制限

まず、ニコニコ動画においては、月々540円程度のプレミアムと、無料の一般会員があります。一般会員でも動画の視聴は出来ますが、動画のシークが出来ない、混雑時に低画質モード(エコノミー)になる、また生放送では混雑時に追い出されることがあるなど、プレミアムに比べてデメリットが多いです。そしてやはり当然のようにニコニコも、ことあるごとにプレミアムへの加入を勧めてきます。

私もここ4年くらいプレミアムにしっぱなしだったのですけど、気がつくと全然見なくなっていたので(アニメとゲーム実況をほとんど見ない人間なので特に)一度止めてみました。しかしそこで気づいたことがあります。そしてさらに考えてみると、それはあまり語られてはいませんが、ニコニコ動画の作品評価に対する大きな問題を孕んでいると思うようになりました。それは「マイリスト」数の制限。

ニコニコ動画では、「マイリスト」という機能ものがあります。それは当然ブックマークの機能ですから、気に入ったものをブックマークしておくものです。そしてこれは各動画にもマイリストをされた数が表示され、且つランキングでもそれを基準に並べ替えるソートがあります。

しかしこの「マイリスト」ですが、一般会員とプレミアムで大きな差があります。一般会員は100にとりあえずマイリストという機能分の100で合計200までなのに対し、プレミアム会員は12500+500で13000までと膨大に数が違います。まあこれもプレミアムの特典なのでしょう。

マイリストが上限に達する=マイリスト数での評価が不可能になる

ただ、一般会員、そしてプレミアムにおいても上限に達したとき、マイリストはそれ以上登録できなくなります。また、私のようにプレミアムから一般会員に戻った場合でも、一般の上限数まで削除しない限り新たな登録が出来なくなります。つまるところ、そういう上限に達した人たちにとっては、マイリストを増やすことが出来ません。

それを動画から見た場合、マイリストの数が増えない、ということになります。だってユーザーからはマイリストを増やせる人が減っているので。仮に増やせる状態に置いたとしても、それは昔のマイリストを削除することになるわけで、そういうものはマイリストが減少している可能性もあるのでしょう。

私は動画投稿者ではないのでわからないのですが、マイリストの動きは昔と変わっている面があるのではないかと思うのです。もし減少傾向にあるとすれば、ジャンルの衰退とかニコニコ全体の視聴者数のほかに、このような上限問題も大きく関わっているのではないでしょうか。

マイリストによるリピート視聴の機会も失う

しかし問題はマイリストの数字だけではありません。マイリストから消すということはそのリストを見返してから再び視聴される可能性を失ったということでもあります。つまりそれによって閲覧数自体の減少を潜在的に招いているという可能性もあるのではないでしょうか。または、マイリストに登録するつもりだったけど上限であきらめたものは、本来リピートされて見られる機会があったかもしれないのに、それを失った、とも言えます。

ちなみに私はプレミアム時代に上限に達しているために事実上動かせなくなっているので、マイリストをほとんど見なくなりました。まあ大昔に入れたのは残ってるけど、近年のはもうマイリスト入れてないし。

ニコニコ静画ではすぐに上限に達する

しかし実はニコニコ動画や生放送よりもっと影響が大きいところがあります(少なくとも個人的には)それが「ニコニコ静画」。

ニコニコ静画はPixivと同じ感じのイラスト投稿サービスです(ほかにも同名の電子書籍販売サービスもあるけど、それは今回は除外)。ここではお気に入り機能として「クリップ」というものがありますが、これにも一般会員は2500枚という上限があります。

これ、手当たり次第に気に入ったのをクリップしてゆくと、数ヶ月で上限が来ます。ソースは自分(まあ正直プレミアム会員の上限12500枚でさえ、自分のPixivでのブクマ数を見ると心許ないのですけど)。

こちらも動画と同じようにクリップ数が表示され評価の一指針となっているわけで、そこで止まってしまうことになります。

お気に入りユーザーの一般上限40件が致命的

そしてもうひとつ致命的なのがお気に入りユーザーの上限数。これはお気に入りにしたユーザーの投稿などを通知してくれる機能で、「定点観測」などでまとめてそれらが見られます。またpixivでも同じような「フォロー新着」という機能があります。

ですが、プレミアムの400人に対し50人の上限があり、非常に限られます。こうなるともう限られた人の範囲でしか使えないというものになるのではないかと。

ですからPixivと同時登録している人はそっちの方をフォローして優先して見ています。

最近盛んになっているニコニコ静画ですが、こういうことからおそらく主流にならないのではと思っています。そもそもイラスト用の閲覧専用アプリがiOSでは壊滅的にないし(同名の公式アプリはあるけど、電子書籍販売オンリー)、ニコニコ自体がこのサービスを軸に据える気が全くない感じなので。

必要なシステムまで制限すると全体に影響を与える可能性

このような理由で、ニコニコ動画、そしてニコニコ静画ともに、ブックマーク数の上限が枷になっている人が出てきており、そして経年でユーザーが多くの作品に触れてゆくと、さらに問題が拡大して行くと思っています。

ここで、「なら課金すればいいだろ」と仰る方もいらっしゃるでしょう。それはそれでごもっともで、たしかに個人で見る面に限ればそれで解決する面は大きいです。しかし全員が全員課金することなんてあり得ない現状、どうしても影響は残り、そして視聴者数やその評価数に影響を与えてしまうのではないでしょうか。

ニコニコ動画においては一般会員はマイリストのほか、マイメモリーやNGワードにも制限を設けているようです。課金させたいためにサービスを制限する、逆に言えば課金した側に優位性を持たせるというのはよくあるものです。しかし、こういったシステムに関わる部分で制限を設けてしまうと、巡ってシステム自体を破壊してしまう可能性があるのではないでしょうか。

特にニコニコのようなサービスは、ユーザー数があってのものです。そこに制約で譜面を生じ、それが限界に達したとき、ユーザー、もしくは投稿者共に他のサービスに移行する流れになることは否定できません。

そういえば最近はPixivやニコニコ静画に投稿してたけど、有名になってきたらTwitterでの投稿を優先している例が多くなっているような(4桁単位でのRTも珍しくない)。まあ(コメントなどその他の理由も含めて)わかる気はしますが。

このへんをニコニコは動画、静画ともどうクリアするのか、それともされないで衰退してゆくのか、注目するところです。