ブロガーにも「白いワニ」は来る、きっと来る

「白いワニ」

この言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか。

都心の下水道などに生息していて、日光を浴びていないのでこんなワニがいる、という都市伝説もありますが、ここではそれではありません。

私が子どもの時に少年ジャンプを読んでいたよりさらに前の時代の80年代初期でジャンプの黄金時代の初期から中期にさしかかろうという頃、1981年から1983年に江口寿史氏の『ストップ!! ひばりくん!』というマンガが連載されました。

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ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション1 : 江口 寿史 

当時の少年誌としては綺麗な絵柄や個性的なキャラなどで話題になりましたが、特に話題となったのはその休載の多さでした。まあ現在それを上回る人が出てハンタってしまっているので回数や期間的にインパクトはないかもしれませんが、当時としては入院でもしない限りは休載なしの毎号連載が当たり前だった時代なので、人気最高潮のマンガがそれだけ休むということはかなりインパクトのあることでした。

さらに特徴的なのは、連載している時も作者がマンガに出演して、原稿を描く困難さを表現していること。その代表的なものが「白いワニ」。原稿を書いていると襲ってくるそれは、締めきりやネタ切れにおけるプレッシャーを抱えているうちに、原稿用紙の白、つまり描いていないところがそう見えてくるという、恐怖の対象の表現とされています(表現自体は同マンガの作風からギャグですけど)。

ちなみに最近白いワニを見たのは以下の田中圭一イラストだったなあ。

大人気!田中圭一の『ペンと箸』第七回目となる今回は『すすめ!!パイレーツ』や『ストップ!! ひばりくん!』で知られる漫画家・江口寿史さんの長女・実里(みのり)さんが登場。物心ついた頃にはすでにあまり漫画は描かなくなってしまっていた江口さんと実里さんの関係は…? 江口寿史さんの大好物であるという神保町のポークカレーをいた...

しかしこの「白いワニ」に類するもの、ここまで追い詰められていなかったにしても、文章にせよマンガにせよ音楽にせよ、何かを「創る」人の多くは似たようなものが襲って来たことがあるのではないでしょうか。それはその分野での創作がとても大好きなような人であっても。つまりそれは好きでやっていたことであるはずなのに、継続してゆくうちにそれが重荷となってきて、それに取り組むのが辛くなってくる、という現象。

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好きなものでも重荷になることはある

自分は基本的に文字を書くのが好きですし、仕事も主にそれで且つブログも書いています。しかしそんな自分でも、文字を書く指が重いということはわりとあります。最悪の時はPCにも近づきたくないということもあります。

それでも趣味などすぐやめられる段階であれば、そこから離れてしまえばいいだけですし、気が向いたらまたやればいいだけです。実際、過去のブログ更新歴を見ての通り、その気がない時は特に書いていません。そしてそれは、ブログを書かなければいけない状況に自分を置かなかったのが大きいです。

しかしそれが義務、すなわち仕事など収入手段や義務としてそれを課している場合、その重荷がのしかかってきても、簡単にやめることは出来ません。特にそれをライフラインとしている場合は特に。

その結果どうなるのか。それは人ごとによって違うでしょう。そのまま無理にでも進めてしまう人も多いようですが、そこから身体の精神やバランスを崩して破綻してしまう人もいるので危険です。故に作り手の多くはそうなった時もどうにか抜け出すように、なるべく仕事もできるようにする方法みたいなものを探っていたり見つけていることと思われます。まあこれは創作に限らず、仕事の多くでそうだと思いますけどね。

「ブログで食う」的な話はけっこうあるけれど……

さて本題。

ここ最近、いやだいぶ前から、「ブログで生活」みたいなことが言われるようになっています。それはアフィリエイトなどブログを書くことで収入を得られる手段が増加しているからでしょう。

私としては、ブログで収入を得るという行為に対しては必ずしも否定的ではありません(実際ここにもアドあるわけで)。ただ、「ブログ暗黒面に落ちなければ」、すなわち収入=PVを優先するためにデマを振りまいたり炎上を狙ったりパクったりするようなことがなければという大前提がありますが。

「ブログ暗黒面」とは何か
「ブログ暗黒面」(造語)とは何か。それはブログ運営においてPV獲得やアフィリエイト等の収入にハマってしまうあまり、なりふりかまわなくなって暗黒面に入ってしまうこと。

ただ、思うに「ブログで稼ぐ意欲があるのはいいけど、どれだけ続くのかなあ」と思うことがかなりあります。

先日、3年以上定期更新している「ブロガー」が急激に減る理由というエントリーを書きました。

3年以上定期更新している「ブロガー」が急激に減る理由
ネットを見ると、過去かなり更新していたブロガーでも、3年程度立つと更新が停止したり激減したりしている。その理由を考える。

その中で3年続けるのはいろいろあって更新停止になる人のほうが多いことを書きましたが、この中にある「飽きる」「モチベーションが低下する」というものの中には、このように好きで書いていたもののはずなのに、いきなりそれが苦痛になってきてしまう、というものがあったと思います。

ブログ更新でも襲い来る「白いワニ」

つまるところ、こういった現象が、最初の頃意気盛んに更新しているブログにも高確率でやってくると思っています。そして実際そうなって撤退したブログも多いと思われます。

ブログを始めたころは、いくらでも書くこともあるしいくらでも意欲がある状態というのはある意味当然です。ただ、当然人間は飽きるもので、同じ作業を続ける苦痛も伴ってきます。また、ブログのアクセスの上昇度、すなわちアフィリエイトの収入も最初の頃はうなぎ登りですが、多くの場合は天井がやってきて、そこで足踏みか落下、ということは十分にあり得ます(まあ先のブログでさ3年続かない理由で肩書きが変わるとと書いたのは、現行のブログ収入システムではその天井があるが故というのも大きいと思っています)。

そして最初の頃のように快進撃が進まないと、ある時点で「白いワニ」が襲ってくる可能性は十分にあり得ると考えます。

前述のように、それを生活の手段にしていないのだったら、休むなりやめるなりで逃れる手段はあります。そして回復したらまた戻ってくればいいだけの話ですから。

しかし、それを収入手段としていた場合、そして他のライフラインを設けていなかった場合、非常に深刻な事態になります。そして「ブログ暗黒面」に入り込んで、それで人が離れてゆくという悪循環に陥る可能性も大いにあると考えてます。

たとえ仮に永続的に意欲が続いたとしても、その他周辺的要素で食えなくなる可能性が高いと見ています。アフィリエイト制度の変更なんてもう何度も見てますし。

成功例はアピールされるが、失敗例は多くの場合隠される

そういうわけで私はよほどのことがなければアフィリエイトなどブログだけで生活というのは危険と思っています。ただこれはデイトレードとかも同じなのですけどね、あとマルチとか。でもこういうのって総じて参入せよということで成功例はアピールされるが、失敗例は多くの場合隠されるのですよね。参入で利益がある人は当然隠すし、自らの失敗を恥として出す人も成功例と比較して圧倒的に限られるわけで。

まあ「失敗した時のことを恐れて何が出来る!」と言う人もいるでしょうけど、対策を考慮してないでいいところだけ見て言うそれは、競馬で全額ツッコむのと同じようなものと思います。

……まあ、こういうこと書いても信じこんでいる人には「嘘つけ」と切り捨てられるってのもわかっているのですけどね。

今の最高潮の状態が続くとは限らない

最近はてなブログでもその他の場所でもブログを新規に書き始める人がわりと見受けられます。それ自体は「ブログ暗黒面」に繋がるような行為でない限りはいいのですし、多少の相違も転換期にはあることだしまだ周辺がわかってない可能性もあるよねと(自分がブログを始めた頃の痛い失敗を思い出しつつ)思うのです。だけど更新が半年とか1年未満で「仕事辞めてこれで食ってく」系になっていると、かなり大丈夫か、と思うことは多いです。人間何事においても、自分が最高潮の時の状態がそのまま続くと想定して計画を立てると、たいていあとでえらい目に遭うので。

余談

一部にはどうもセミナーとかサロンとか情報商材に影響されている例もあって、多額の出費してそうなっている例もあるようで、どうにか出来ないかなあと思っているのですけど。でも、過去の、それこそブログ以前のネット時代やさらにそれ以前からの、対象を変えてのその手のものって止まっていないわけで、難しいのだろうなあ。