iOS9における広告ブロックについて軽くまとめてみる

iOSが9にバージョンアップされました。そしてそこでブラウザ(Safari)に対して「コンテンツブロッカー」、すなわちサイトの広告表示を消す機能画がついたことで、ネットで話題になっています。

広告ブロックを正当化する「アド割れ厨」たちの話

ただ、これについては予告されていましたし、正直今までも広告をブロックするブラウザアプリ(EXブラウザなど)はあったので、今になってここまで盛り上がっているというのは予想外でした。むしろアプリによるアドオン式じゃなくてディフォルトでついてると思ってたし。

せっかくですので、iOS9における広告ブロックについての現状を軽くまとめて見ようと思います。このブログのいつもの通りわからない人向けに書くことが多いので、わかってるところは飛ばしてください。

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アプリの種類

この広告ブロックはiOS9へのバージョンアップから導入されましたが、バージョンアップすればそのまま広告がなくなるというわけではありません。有料、もしくは無料のアプリをAppStoreから手に入れて、それを適用させる必要があります。

2015/9/19現在、ランキングで見つかるのは以下のようなもの。とりあえず入手したものを記します。

Crystal

現時点でコンテンツブロックアプリとして一番名前が広まっているらしきもの。アプリが日本語対応しているのでわかりやすい。現時点では有料。

Crystal

Blockr

これも同じく。設定項目がCrystalより多く、ホワイトリスト(対象外指定)を実装している。現時点では有料。

Blockr

1Blocker

現時点では無料で見つけた唯一のもの。右下のCustomizeより色々設定できる。アドブロックの他いろいろなブロックが可能だが、有料版への切り替えが必要。

1Blocker

Weblock

変わっていて、コンテンツブロックではなく、Wi-fi設定にプロクシをかませて広告をブロックする模様。Wi-Fiのみで、且つそれ毎に設定する必要がありそうだが、アプリなどにも適用できるらしい。ただちょっと信頼性が確認出来るまでは未確認。

アプリ設定方法

ここでは先に書いたうち、上記三つ(Crystal、Blockr、1Blocker)について書きます。

設定>Safari>コンテンツブロッカーの項目に行くと、インストールしたアプリが表示されているので、それをONにする。そうすると適用されます。

ADblock設定

各設定などは各アプリで。

効果のほどは?

日本国内向けで比較的広告が多いとされるまとめサイトや2ch、各ポータルサイトで試してみました(2015/9/19検証)。

いくつか見たところ、まずGoogleアドセンスは真っ先に消えてしまいました。

またCrystal単品では現時点では日本の広告サービス(nend、AdMobなど)は消えなかったのですが、1Blokerがかなり広く広告をシャットダウンしているようで、特に設定なしでも3つともONにするとかなり消えるようになっています。

となると技術的に消すのは可能、ということになりますので、今後適用が拡大される可能性は高いと思われます。

不具合は?

一部、適用すると全く表示されなくなるサイト、またデザインなどが欠けるサイトもあるという報告が見受けられます。これはPCブラウザでAdBlock系拡張機能を適用したときと同じですね。特に動画サイトでその影響が大きい模様。

今は偶発的なものだと思いますが、今後アドブロック防止のために意図的にそうするサイトが出てくる可能性はあるでしょう。

AppStoreを開く時のブロック

あまり言われていませんが、実は今回のバージョンアップで上記アプリとは関係ないところでもうひとつ、大きな変化があります。

それは今までリンクを踏むことによりSafariを経由してAppStoreの当該アプリを開かせる広告バナーというものが存在したのですが、今回からそのようした場合SafariからAppStoreを開こうとした時点でそれを開くかキャンセルするかのダイアログが出るようになりました。これはアプリ内広告からのリンクでも同じです(さらにいちいち閉じなくても、左上から元のアプリに戻れるという)。

今までは気づかないところで押させてリンクさせる方法が多々ありウザイと思っていた人も多いと思われますので、対策がとられた形になったと思われます。

今後どうなるのか

以上が現状見えている簡単なところですが、今後どうなるかというところです。

直近の所では前述したように、アドブロックアプリが売れている以上、多数生まれるでしょうし、さらに現行のソフトも他のアプリに負けないようにバージョンアップを重ねて適用範囲を増やしてゆく可能性は高いと思われます。

さて、このアプリは広まるか、というところですが、これが一番読みづらいところです。多くは有料ですし、設定の手間もあるので、今までも広告のシャットアウトをしていたようなヘビーユーザーはともかく、ライトユーザーにはどうなるかは今後次第でしょう。

ただ、このまま広告業者や広告収入を生命線にしているサイトが、いまや大きなシェアを持つiOSからのアクセスを遮断しておくままにするとは限らず、アドブロック封じをしてくる可能性は高いと思われます。

一番はGoogle Adsenceを持つGoogleがどのような対策をしてくるかが注目されます。対策を練ってくるかもしれませんし、全く逆にAndroidでGoogle Adsence以外の広告をシャットアウトするような仕組みにしてくるという可能性も否定できません。そこは注目するところです。

ただ、どっちにしても当面は今までのこの手のものがそうだったように、いたちごっこになると思われます。

広告のあり方を考え直す機会

以下は自分の感想になります。

これを見て思ったのは「ああ、『いつか来る波』が今来たな」という感じです。以前はそこまで気にならなかったレベルのものでもサイトが広告主体になるようなものも多くなってきてしまった今、その需要が高まったが故というところがあります。実際今回のリリース前にもアプリ単位ではアドブロック系のブラウザなどが出ていましたし(そういうアプリの機能で需要が高いものを公式に設置するのも今までのiOSのパターンですし)。

ですが多くの人がこれを予見していなかったとは思えません。

数年前に有料メルマガなどの移転のブーム的なものがありましたが、これはこういう形での広告依存がいずれなくなる、という可能性を見ていた人も多いのではないでしょうか。

さて焦点となるのは、今回のAppleの行為が是か非か、ということになります。

これにより収入が得られなくなることにより運営が滞るネット媒体も出てきて、文化破壊に繋がるという意見もあります。

私としては、ネットに広告があること、そしてそこから収入を得ることは悪いとは思いませんし、良質なコンテンツを提供するためには対価も必要ですので、あっていいもの、むしろあるべきものと思われます。

ただ、今までのネットにおいては、それが過ぎて「良貨を悪貨が駆逐している」という状況が目立ってきているのではないかというのも同時に感じます。

現在のネット広告による収入は、PVに依存するものが大半でしょう(クリック報酬型でもPVを集めなければ話にならないし)。しかし、PVを集め、収入を得るためには何をしてもいい、的なコンテンツが出てきてしまったのもまた否定できないでしょう。それはユーザーに対して広告を踏ませたり読みにくくさせるような利便性の低下、そしてPVのためならデマ、著作権違反、パクりも厭わないという感じの、「悪貨」です(人によって、例えば思想によってサイト評価の善し悪しはもちろん違うでしょうが、前述したのは悪貨と言い切れるものだと思うので)。そういうものが台頭してきた結果、本来生まれるはずだった良質のコンテンツでさえ、そういうものに駆逐されてしまったというのは否定できません。

前述のように、広告ブロックとそれを解除する方法のいたちごっこになることでしょう。しかし、根本的にはそのような「PV=広告収入を得るためなら何をしてもよい」的なところを改めてゆかないと、ユーザーに対する広告の嫌悪感は消えず、その需要によりどこまでいっても広告が許されないことになってしまうのではないでしょうか。

よってこの機会に、この機会に、PVのためならデマをも振りまいてもかまわない、著作権を無視してもかまわないというような悪貨を駆逐する仕組み、そして良質なものはそれが評価されて、より収入を得られるというような仕組みを広告を発信する側も考えてゆき、広告が良い形で機能して、多くの人に「あってもいい」どころか「(良質な記事を生み出すために)あったほうがいい」と思わせるくらいにもってくる必要があると思われます。

ともあれ、今回のアドブロックの流れでも、まともにやっていないでデマやパクりや著作権違反してるところばかりところが抜け道を作って、まともにやっているところが少ない収入がさらに断たれ消滅するようなことがなく、うまく作用することを願っています。

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